AWSにおけるデータ移行・転送・ハイブリッドストレージの関連サービスをまとめてみた

AWSにおけるデータ移行・転送・ハイブリッドストレージの関連サービスをまとめてみた

オンプレミスからAWSへのデータ移行方法に迷っていませんか?この記事では、Storage Gateway、Transfer Family、DataSync、Snowball Edgeの4つのサービスの特徴と、それぞれに最適なユースケースについて紹介します。
2026.07.28

はじめに

AWSには様々なサービスがありますが、オンプレミス環境にあるデータをAWS環境に移行するためのサービスも種類が多く、違いが分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、AWSのデータ移行・転送に関連する4つのサービス(AWS Storage Gateway、AWS Transfer Family、AWS DataSync、AWS Snowball Edge)の特徴と、
それぞれのサービスが適しているユースケースについて紹介していきます。
※この記事は、オンプレミスからAWSへのデータ移行や、AWS上でのファイル転送基盤の選定に迷っている初級〜中級者向けです。

各サービスの特徴

まず、各サービスの特徴を以下の表にまとめます。

項目 AWS Storage Gateway AWS Transfer Family AWS DataSync AWS Snowball Edge
主な用途 ハイブリッドクラウドストレージ マネージドファイル転送 データ移行・同期 オフラインデータ移行
利用形態 継続利用 継続利用 1 回限り / 定期実行 移行時に利用
主な接続方法 NFS / SMB / iSCSI / iSCSI VTL SFTP / FTPS / FTP / AS2 / Web アプリ NFS / SMB / HDFS / オブジェクトストレージなど 物理デバイス
主な保存先 Amazon S3 / Amazon FSx など Amazon S3 / Amazon EFS Amazon S3 / Amazon EFS / Amazon FSx など Amazon S3

次に、それぞれのサービスについて詳しく見ていきます。

AWS Storage Gateway

AWS Storage Gatewayは、オンプレミス環境とAWSクラウド間でデータを連携させるハイブリッドクラウドストレージサービスです。オンプレミス環境のアプリケーションから既存のプロトコルでアクセスしつつ、データの保存先としてAWSストレージを利用したい場合に適しています。AWS Storage Gatewayには、用途に応じてAmazon S3 File Gateway、Volume Gateway、Tape Gatewayなどのゲートウェイタイプがあります。なお、Amazon FSx File Gatewayは新規利用できないため、既存利用者向けの選択肢となっています。

Amazon S3 File Gateway

オンプレミス環境からNFS/SMBプロトコル経由でファイルにアクセスし、Amazon S3にオブジェクトとして保存・取得できます。保存されたAmazon S3オブジェクトは、適切な権限を付与することで、Amazon S3と連携する各種AWSサービスから利用できます。

Volume Gateway

iSCSIプロトコル経由でオンプレミス環境からアクセス可能なブロックストレージです。iSCSIプロトコルによって、OSからは「ローカルディスク」として認識されるという特徴があります。ボリューム構成は2種類あり、頻繁にアクセスするデータのサブセットがローカルにコピーされるキャッシュ型ボリュームと、データ自体をオンプレミスに保存し、そのデータをAmazon EBSスナップショットとしてAWSに非同期でバックアップすることで、データ全体への低レイテンシーアクセスが可能な保管型ボリュームがあります。

Tape Gateway

iSCSI-VTLプロトコル経由で仮想テープストレージを提供します。物理テープインフラストラクチャの運用負担を削減したい場合などに適しています。

AWS Transfer Family

AWS Transfer Familyは、SFTP、FTPS、FTP、AS2 などの既存プロトコルを使用して、Amazon S3やAmazon EFSとの間でファイル転送を行えるマネージドサービスです。AWS上にSFTPなどのマネージドなファイル転送エンドポイントを作成し、そこにアクセスすることでデータを転送します。そのため、単発のデータ移行というよりも既存のプロトコルを使用して、Amazon S3やAmazon EFS上のデータを外部システムや取引先と連携するためのサービスであるといえます。

AWS DataSync

AWS DataSyncは、オンプレミス環境、エッジロケーション、他クラウド、AWS ストレージサービス間で、データを高速かつ自動的に転送・同期できるサービスです。
NFS/SMBの既存ストレージやオブジェクトストレージなど、さまざまなソースからAmazon S3、Amazon EFS、Amazon FSxなどへのデータ転送に対応しています。
ただし、AWS DataSyncはネットワーク経由でのデータ転送を前提としたサービスです。ネットワーク帯域が不足している場合や回線が不安定な環境では、大容量データの転送に時間がかかる可能性があります。そのような場合、新規顧客はAWS Data Transfer TerminalやAWSパートナーソリューションなどの代替手段を検討してください。既存のAWS Snowball Edge顧客は、同サービスの継続利用も選択肢になります。
※なお、DataSyncはタスクとして実行するデータ転送・同期サービスであり、アプリケーションレベルのリアルタイム同期を提供するものではありません。

AWS Snowball Edge

AWS Snowball Edge は、ストレージとコンピューティング機能を搭載した物理デバイスです。デバイスを輸送することで、インターネットを使用せずに、オンプレミス環境と AWS クラウドの間でデータを転送できます。また、ネットワーク接続が制限されたエッジ環境でデータを処理する用途にも対応しています。数十TB〜PB級の大容量データを扱う際、ネットワーク帯域が不足している、または回線が不安定、あるいは転送に時間がかかりすぎるケースで特に有用です。用途やデータ量に応じて複数のデバイスが用意されています。

AWS Snowball Edge Compute Optimized

vCPUやメモリが搭載されている、エッジコンピューティングが可能なデバイスです。オフライン環境でも高度な情報処理が必要なケースに最適です。

AWS Snowball Edge Storage Optimized

大規模な転送用ストレージとして利用されるデバイスです。ペタバイト級のオンプレミスデータのAWSへの移行などに利用されます。

まとめ

以上を踏まえて、各サービスを使う最適なユースケースを以下にまとめました。

  • オンプレミスの既存アプリケーションからアクセスしつつ、データをAWSに保存したい場合
    AWS Storage Gateway

  • SFTP、FTPS、FTP、AS2などの既存プロトコルで、取引先や外部システムとファイル連携したい場合
    AWS Transfer Family

  • ネットワーク経由で、オンプレミスや他のストレージからAWSストレージへ大量データを一括または定期的に転送したい場合
    AWS DataSync

  • ネットワーク経由での大容量転送が現実的でない場合
    新規顧客はAWS Data Transfer TerminalまたはAWSパートナーソリューションを検討

    AWS Snowball Edgeの既存顧客は、同サービスの継続利用も検討

参考資料

クラスメソッドオペレーションズ株式会社について

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