[新サービス] AWS Data Transfer Terminal が一般提供されました #AWSreInvent
しばたです。
本日AWSより新サービスとなるAWS Data Transfer Terminalが一般提供されました。
AWSからのアナウンスはこちら。
サービスページは以下となります。
どんなサービス?
こちらは名前の通りデータ転送のためのターミナル(物理)を提供するサービスとなります。
たとえばAWS Snow FamilyではAWSが利用者に専用のデバイス(Snowball Edge)を送付してデバイスにデータを保存し転送する仕組みですが、AWS Data Transfer Terminalは利用者が直接AWSの拠点に自身のデバイスを持って行ってデータ転送を行うサービスになります。
利用者はマネジメントコンソールからAWSの拠点を利用する日時を予約し、予約した時間にデータ転送用のデバイスを持ち込みデータ転送を行います。
非常に雑な例えですが「AWS Data Transfer Terminalでは利用者が直接AWSグローバルインフラストラクチャーに接続してファイル転送を行う」と考えると分かりやすいかもしれません。
利用可能リージョン
本日時点ではサービスは米国西部 (オレゴン)でのみ利用可能となっています。
データ転送のための拠点はロサンゼルスとニューヨークにあり、将来的には世界的に拡張していくとのことです。
拠点設備 (ファシリティ)
拠点設備について詳細は公開されていませんでしたが、FAQによれば
Before arriving at the Data Transfer Terminal facility, ensure you have received a confirmation email containing the location details and specific access instructions.
とのことで実際の利用前に確認のEメールが届くそうです。
また、AWS News Blogによれば
The room is equipped with a patch panel, fiber optic cable, and a personal computer.
とのことでパッチパネル、光ケーブル、PCは備え付けられているそうです。
光ケーブルは100GBのものが最低2本だけ用意されるそうです。
拠点設備は最低限のものだけ用意されており、それ以外は全て利用者自身が持ち込む必要があります。
後述のセッションレポートによれば部屋の広さはそれなりにある様ですが、電源設備などの仕様が不明なので実際にどの程度の機器を持ち込めるかは分かりません。
ネットワーク要求
公開されたドキュメントによるとネットワーク面で以下の要求がありました。
- A 100G QSFP28 LR4 (100GBASE-LR4) optical QSFP transceiver, compatible with the NIC and LC connectors for the fiber cable connections provided in the Data Transfer Terminal facility.
- IP auto configuration (DHCP) enabled. DNS servers are automatically assigned by DHCP.
- Up-to-date software and NIC drivers
ざっくり「100GBのQSFP28ケーブルでAWSネットワークに繋ぐのでその準備は利用者側ですべし。IPはDHCPで払い出す。」といった感じです。
利用可能デバイス
現時点で特にデバイスに対する制限は記載されていませんでした。
AWS News Blogにシアトルにあるテスト用拠点の写真が公開されていますが、一般的なビル(データセンター風のビル)なので物理的に持ち込めるサイズである必要はありそうです。(ラックごと持ち込む、とかは無理そう...)
ちなみにSnowballデバイスを持ち込んで使っても良いそうです。
また、FAQによると拠点設備以外でデータ転送に必要なものは全て利用者自身で用意し持ち込む必要があり、撤収もすべて利用者自身の責任で行う必要があります。
推奨ハードウェア
公開されたドキュメントに推奨ハードウェアスペックが記載されていました。
- Recommended hardware:
- 100 Gbps network interface card
- 16-core CPU
- 128 GB RAM
- multiple NVME SSD drives in a RAID array
100GBネットワークでデータ転送する想定なのでそれなりに高スペックの機器が必要です。
上記ドキュメントにはスペックに合わせたS3転送設定例なども記載されているので併せてご覧いただくと良いでしょう。
転送先サービス
AWS New Blogによれば
You can reserve a time slot to visit your nearest location and upload data rapidly and securely to any AWS public endpoints, such as Amazon Simple Storage Service (Amazon S3), Amazon Elastic File System (Amazon EFS), or others, using a high throughput connection.
とのことでパブリックエンドポイントがあればサービスは問わない様です。
利用料金
利用料金はこちらのページに記載されています。
「Port」と呼ばれる単位で1時間ごとに課金されるそうです。
このPortが物理的なのか論理的なものなのかは不明[1]です。
Port毎でデータ転送の場所に応じて時間単価が異なり、
- US to US @ $300
- US to EU @ $500
- US to Other @ Contact us
という価格となっています。
あくまで時間単価でありデータ転送量による課金はされません。
試してみたかった...
可能であれば試してみたかったのですが、残念ながら物理的(+料金的)に無理でした。
マネジメントコンソールだけでも確認しておこうとアクセスしたものの
You don't have permissions to list transfer teams. Contact your AWS account team to gain access.
というエラーが表示されこれ以上の操作はできませんでした。
拠点情報である「Facilities」をチェックしても権限不足のため何も表示されませんでした。
物理的な拠点に行くサービスのため事前に何らかの申請が必要なのかもしれません。
作業イメージについてはAWS News Blogでご確認ください。
セッションレポート
弊社社員によるセッションレポートも公開されていますので併せてご覧ください。
最後に
以上となります。
サービスは公開されたもののドキュメントがまだ非公開だったのであまり情報を得ることができませんでした。
追加情報を得ることができたら随時内容を更新しておこうと思います。
あくまで予想ですが物理ポートな気がしています... ↩︎