AWS Direct Connect の新料金プラン「フラットレート」が発表されました
はじめに
2026年9月15日、AWS Direct Connect の専用接続(Dedicated Connection)に「フラットレート」という料金モデルが追加されました。
フラットレートとは
フラットレートでは、帯域・Direct Connect ロケーション・接続先リージョンの地理的な範囲(ティア)の組み合わせに応じた固定の時間単価が適用されます。
公式の比較(Choosing Between Billing Modes)と、従来の料金ページの値を1つの表にまとめました。
| 項目 | Pay-as-you-go | フラットレート |
|---|---|---|
| 対象接続 | すべての接続 | 10G・100G の専用接続のみ |
| ポート時間料金 | 10G: $2.25/h 100G: $22.50/h |
固定の時間単価に含まれる |
| DTO 料金 | 従量課金($0.02/GB〜、経路による) | 選択ティア内のリージョン向けは無料 |
| 冗長構成(ポートペア) | 2本分のポート料金が必要 | 同一ティアのポートペアでは、2本目のポート料金は無料 |
ティア
ティアは、Direct Connect ロケーションと接続先 AWS リージョンの地理的な範囲を5段階に分けたものです。同一メトロ内が対象の Tier 1 から、グローバルが対象の Tier 5 まで用意されています。フラットレートでは、選択したティアに含まれるリージョン向けの DTO が無料になります。
ティアごとの対象範囲と時間単価は、Direct Connect ロケーションと接続先リージョンの組み合わせで異なります。自分の接続元と主な転送先がどのティアに該当するかは、AWS Direct Connect フラットレート料金ページで確認してください。
可用性設計とポートペア
単一の Direct Connect 接続では、計画メンテナンスや回線・デバイス・ロケーションの障害により、オンプレミスと AWS 間の接続が中断する可能性があります。
可用性が求められるワークロードでは、冗長構成の採用が推奨されています。平時は片系を待機させ、障害やメンテナンス時にもう片方へ切り替える構成がその一例です。
フラットレートのポートペアは、こうした待機系を含む冗長構成を料金に反映する仕組みです。同じ帯域・同じティアの2回線を1組として扱い、待機系となる2回線目のポート料金は発生しません。
コンソールで確認してみた
接続の作成画面を開くと、セットアップ方法の選択欄に Billing mode が追加されていました。

接続の作成時に Billing mode を選択でき、フラットレートを指定できることを確認しました。
損益分岐を試算してみた
料金ページの 10G ポートペアの公式例をもとに、米国・Tier 1 の条件で損益分岐点を試算しました。
比較対象は、同じ冗長構成を Pay-as-you-go で組んだ場合です。計算には次の条件を置きました。
- 10G 専用接続を2本使用し、ポート料金は US ロケーションの単価で2本分
- DTO は US East 内の $0.02/GB
- 対象の DTO はすべて Tier 1 の範囲内
- Transit VIF および SiteLink のトラフィックは含めない
フラットレート(公式例): $8,000.07/月
Pay-as-you-go:
$2.25/h × 2本 × 730h + $0.02/GB × 235,753 GB
= $3,285.00 + $4,715.06
= $8,000.06/月 ≒ $8,000.07/月
したがって、月間約 230 TiB の DTO が損益分岐点です。これは、10Gbps 回線を730時間連続で利用した場合の理論上の転送量の約7%にあたります。DTO の平均転送量に換算すると約0.7Gbps です。
まとめ
今回追加されたフラットレートは、10G・100G の専用接続を対象に、時間単価を固定する料金モデルです。月々のネットワークコストの変動を抑えられる点が特徴です。
先の試算で示したとおり、DTO 転送量が一定の水準を超えると、フラットレートのほうが月額費用を抑えられる可能性があります。とくに、冗長化のために待機系の2回線目を持つ構成では、ポートペアによる料金メリットも見込めます。
冗長構成の専用接続を利用している場合は、CloudWatch や Cost Explorer で確認できる現状の利用状況をもとに、フラットレートへ切り替えた場合の費用を試算し、損益分岐点を超える見込みがあれば切り替えを検討してください。








