コンバンハ、千葉(幸)です。
少し前のアップデートとなりますが、AWS Direct Connect のホスト型接続で 25 Gbps のポート速度がサポートされました。
これまでのホスト型接続では 10 Gbps が最大接続容量でしたので、2.5 倍にアップしたというわけです。
AWS Direct Connect のホスト型接続とは?
アップデートの内容を理解するために、AWS Direct Connect のホスト型接続とは何かをおさらいしておきましょう。
AWS Direct Connect の主要リソースとして、接続と VIF(仮想インターフェース)があります。「接続」の中に VIF を作成し、利用します。
接続および VIF は、それぞれ以下に分類されます。
- 接続
- 専用接続
- ホスト型接続
- VIF
- 標準 VIF
- ホスト型 VIF
AWS Direct Connect を利用する場合、ほとんどのケースではAWS Direct Connect デリバリーパートナー(以降、単に「パートナー」)を経由して利用します。
パートナーの対比となる立場である利用者のことを、以降はカスタマーと呼びます。
カスタマーの目線では、AWS Direct Connect を利用する場合に以下のいずれかの形態を取ります。
- 専用接続を利用する
- パートナーから払い出されたホスト型 VIF を利用する
- パートナーから払い出されたホスト型接続を利用する
ここでの 3 つ目となるホスト型接続が、今回のアップデート対象となった種別です。
簡単にまとめると、種別ごとの特徴は以下の通りです。
利用形態 | 帯域 | VIFの管理 |
---|---|---|
専用接続 | 1 Gbps、10 Gbps、100 Gbps | カスタマーで実施(最大51個まで) |
ホスト型VIF | 親の「接続」で共有 | パートナーに依頼 |
ホスト型接続 | 50 Mbps、100 Mbps、200 Mbps、300 Mbps、400 Mbps、500 Mbps、1 Gbps、2 Gbps、5 Gbps、10 Gbps、25 Gbps | カスタマーで実施(1つまで) |
ホスト型接続は従来専用接続より狭い帯域(ポート速度)がサポートされてきました。
古くは 1 Gbps 未満の帯域のみがサポートされていましたが、2019年に 1 Gbps、2 Gbps、5 Gbps、10 Gbpsがサポートされています。当時の専用接続の上限も 10 Gbps でした。
2021年に専用接続で 100Gbps がサポートされ、今回のアップデートによりホスト型接続では 25 Gbps までサポートされるようになった、という歴史があります。
なお、ホスト型接続で 25 Gbps のポート速度がサポートされているのは、専用接続で 100 Gbps のポート速度がサポートされている Direct Connect ロケーションのみとなります。
日本にある Direct Connect ロケーションではすべて 100 Gbps の速度がサポートされています。
AWS Direct Connect | Find Locations | Amazon Web Services (AWS)
ホスト型接続で 25 Gbps のポート速度に対応しているパートナーは?
すべてのパートナーが 25 Gbps のホスト型接続の提供をサポートしているわけではありません。
対応状況は以下のページから確認できます。
凡例として、「F」の記号が表示されているパートナーでサポートされています。
2024/05/29現在、アジアパシフィック(東京)リージョンでは以下のロケーションとパートナーでサポートされていました。(都度、最新情報を確認するようにしてください。)
- Equinix TY2
- Equinix, Inc.
- Megaport
- アット東京中央データセンター
- Megaport
既存のホスト型接続の帯域の変更はできる?
すでにホスト型接続を利用している場合に、25 Gbps に変更できるかが気になります。
以下のドキュメントによれば、パートナーに問い合わせることで既存のリソースを削除することなく変更できるとのことです。
- 接続ポートの速度は、 AWS Direct Connect パートナーによってのみ変更できます。既存のホスト接続の帯域幅をアップグレードまたはダウングレードするために、接続を削除して再作成する必要がなくなりました。ポート速度を変更するには、ホスト接続を管理する AWS Direct Connect パートナーにお問い合わせください。
詳細はご利用のパートナーにお問い合わせください。
終わりに
AWS Direct Connect のホスト型接続で 25 Gbps のポート速度がサポートされた、というアップデートでした。
AWS Direct Connect では利用形態が複数あり、サポートされている帯域が異なります。パッとみた時に今回のアップデートで変更が入ったのはどこなのか?が把握できなかったので、整理してみました。
参考になっていれば幸いです。
以上、 チバユキ (@batchicchi) がお送りしました。