AWS HealthOmics の動的実行ストレージが負荷に応じて自動的にスループットを調整できるようになりました
はじめに
AWS HealthOmics の動的実行ストレージがスループットの自動スケールをサポートしました。これにより、ゲノム解析処理のパフォーマンス向上が期待できます。
何が変わったのか
2024 年 5 月、ディスクサイズが自動で拡張される動的実行ストレージが追加されました。しかし、スループット性能は静的実行ストレージと比べると劣っていました。
今回のアップデートで、スループットも自動でスケールすることが発表されました。そして、動的実行ストレージの実体は EFS の Elastic Throughput モードであると明言されています。つまり、EFS の Elastic Throughput の性能がそのまま適用されるはずです。
EFS の Elastic Throughput モードとは
EFS Elastic Throughput モードは、ファイルシステムのアクセス量に応じて自動的にスループットが拡張される機能です。
データの読み書き量に応じて課金されます。大量のデータを扱う場合、予想以上にコストが高くなることがあります。
動的実行ストレージの料金
動的実行ストレージには保存料金のみが記載されています。EFS 標準ストレージと比べても安価な価格設定です。さらに、EFS Elastic Throughput モードの読み書き課金も発生しません。
引用: ゲノムデータ分析 - AWS HealthOmics の料金表 - Amazon Web Services
実際に利用費を確認してみた
本当に EFS でいうところの Elastic Throughput モードの読み書き課金も発生しないのか、プライベートワークフローで動的実行ストレージを利用し、数日後に請求明細を確認しました。
結果
ストレージ容量分の請求のみで、読み書きによる追加費用は発生しませんでした。
まとめ
Elastic Throughput サポートにより、動的実行ストレージはストレージ容量・スループットの両方が自動スケール可能になりました。これにより、ゲノム解析などの大容量・高負荷なワークロードでも、パフォーマンスとコスト効率を両立できます。特に、予測困難なデータ量や負荷の変動にも柔軟に対応できる点が大きな利点です。
おわりに
私が一番好きなところは計算処理が走るまでの待ち時間が動的実行ストレージの方が少ないところです。それでも、10 分弱待つけど。