[アップデート] AWS HealthOmics が東京リージョンに来ました

[アップデート] AWS HealthOmics が東京リージョンに来ました

AWS HealthOmics のプライベートワークフローが東京リージョンで利用可能になりました。ゲノムデータを国内に留めたまま解析できるようになった意義と、実際の動作確認について紹介します。
2026.07.24

はじめに

AWS HealthOmics のプライベートワークフローが、東京とオハイオの 2 リージョンで新たに使えるようになりました。東京リージョンでの動作確認と、簡単な HealthOmics の歴史を紹介します。

AWS_HealthOmics___ap-northeast-1.png

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2026/07/healthomics-tokyo-ohio/

東京リージョンに来たのはプライベートワークフローだけ

AWS HealthOmics は、ワークフロー、ストレージ、アナリティクス(新規受付を終了済み)の 3 つのコンポーネントで構成されます。今回のリージョン追加で東京に来たのはこのうちのプライベートワークフローだけです。東京リージョンで現在使えるものを整理すると以下のとおりです。

コンポーネント 東京リージョン 補足
プライベートワークフロー 使える 2026 年 7 月 20 日より
ストレージ(シーケンスストア、リファレンスストア) 使えない 未提供
アナリティクス(バリアントストア、アノテーションストア) 使えない すでに新規受付を終了済み(2025 年 11 月 7 日)

ゲノムデータの保存先として HealthOmics のストレージを使いたい場合は、引き続き HealthOmics がサポートしている海外リージョンを使うしかありません。ですが、プライベートワークフローを利用する分には東京リージョンの S3 にデータ保存しておけば困ることはないです。

アナリティクスのバリアントストアとアノテーションストアについては、東京リージョンの追加以前に 2025 年 11 月 7 日以降は新規顧客の受付が終了しています。日本では日の目を見ることができませんでした。

https://dev.classmethod.jp/articles/aws-service-lifecycle-summary-20251007/

なにが嬉しいのか

ゲノムデータを国内リージョンに置いたまま解析できる

aws-healthomics-tokyo-genome-residency.png

AWS HealthOmics は、ゲノムデータや医療データを保存、解析、共有できるサービスです。これまで東京リージョンに対応しておらず、国内の医療機関や研究機関がプライベートワークフローを使うにはシーケンスデータや解析結果を海外リージョンに置く必要がありました。今回の東京リージョン対応で、入力データ、コンテナイメージ、解析結果の出力を東京リージョン内で完結させられるようになりました。とくにヒトのゲノムデータは個人を特定しうる機微な情報を含むため、データを国内リージョンに留められることは、社内のデータガバナンス方針や取引先との契約上の要件に応える上で大きな意味があります。

今までこのようなケースでは、AWS ParallelCluster や、AWS Batch などの東京リージョンで利用可能な HPC サービスを利用して解析していました。そこに新たな選択肢として、HealthOmics も候補に入れられるようになりました。

東京リージョンで動かしてみる

以下のリソースは東京リージョン(ap-northeast-1)に用意しました。構築手順は本記事の主題ではないため割愛します。

リソース 用途
S3 バケット healthomics-tokyo-verify-<ACCOUNT_ID> run の出力先
ECR プライベートリポジトリ healthomics-tokyo-hello コンテナイメージの格納先
IAM サービスロール healthomics-tokyo-service-role HealthOmics が run 実行時に assume(S3、ECR、CloudWatch Logs の標準構成)

ECR はワークフローと同じリージョンにある必要があります。そのため Hello World 用の ubuntu:24.04 イメージを東京の ECR へ用意しました。ワークフロー定義(main.nf)では、コンテナに東京の ECR のイメージを指定します。ワークフロー自体は、メッセージを 1 つ書き出すだけの簡単な内容です。

nextflow.enable.dsl=2

process hello {
    container '<ACCOUNT_ID>.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/healthomics-tokyo-hello:24.04'

    publishDir '/mnt/workflow/pubdir', mode: 'copy'

    output:
    path 'hello.txt'

    script:
    """
    echo "Hello from AWS HealthOmics in ap-northeast-1" > hello.txt
    """
}

workflow {
    hello()
}

main.nfworkflow.zip にまとめ、東京リージョンでワークフローを作成して run を実行します。

aws omics create-workflow --name healthomics-tokyo-hello --engine NEXTFLOW --definition-zip fileb://workflow.zip --region ap-northeast-1

aws omics start-run --workflow-id 9812405 --role-arn arn:aws:iam::<ACCOUNT_ID>:role/healthomics-tokyo-service-role --output-uri s3://healthomics-tokyo-verify-<ACCOUNT_ID>/runs --region ap-northeast-1

run は PENDING から COMPLETED まで、約 5 分 14 秒で完了しました。

実行結果
{
    "status": "COMPLETED",
    "engineVersion": "23.10.0",
    "startTime": "2026-07-24T04:04:59.776000+00:00",
    "stopTime": "2026-07-24T04:10:13.508780+00:00"
}

東京リージョンのマネジメントコンソールでも、run が COMPLETED になっていることを確認できました。

Run_9824896___AWS_HealthOmics___ap-northeast-1.png

出力先の S3 バケットに、hello.txt が出力されていました。

healthomics-tokyo-verify-0602…3_バケット___S3___ap-northeast-1-2.png

hello.txt の中身は、ワークフローが書き込んだ文字列でした。

実行結果
Hello from AWS HealthOmics in ap-northeast-1

無事、東京リージョンでもプライベートワークフローを実行できることを確認できました。

おわりに

東京リージョンに対応したと聞いてプライベートワークフローを動かしてみました。厳しい要件のあるところには HealthOmics を紹介しづらかったので東京リージョンに来てくれたことで国内のお客様には提案できる機会が増えました。ありがたや。

参考

この記事をシェアする

AWSのお困り事はクラスメソッドへ

関連記事