
AWS Interconnect - multicloudがOCIに対応したのでAWS CLIで確認してみた
はじめに
2026年7月29日、AWS Interconnect - multicloudとOracle Cloud Infrastructure(OCI)の接続が一般提供(GA)になりました。AWS What's Newでは、対応AWSリージョンとしてus-east-1(N. Virginia)が記載されています。
AWS Interconnect - multicloud自体は2026年4月14日にGAしており、その時点の接続先CSPはGoogle Cloudだけでした。4月の発表では、Google Cloudを最初のローンチパートナーとし、Microsoft AzureとOCIは2026年内に対応予定と示されていました。今回のGAは、その予定のうちOCIが先に実現したものです。
4月のGAの内容とGoogle Cloudとの接続手順については、同僚のHajime Oguriが詳しく解説しています。
本記事では、OCI側のポータルを操作せず、AWS CLIから確認できる範囲だけを扱います。以降のCLI実行結果は、OCIの対応リージョンであるus-east-1での実測です。
検証内容
実行条件は次のとおりです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| AWS CLI | aws-cli/2.36.11 |
| 対象AWSリージョン | us-east-1 |
接続先Environmentの確認
接続先となるEnvironmentの一覧を取得しました。
aws interconnect list-environments --region us-east-1
MulticloudタイプのEnvironmentは2件返りました。配列の要素だけを抜粋します。各要素にはEnvironment IDのフィールドも含まれますが、値は掲載していません。
{
"provider": { "cloudServiceProvider": "oci" },
"location": "us-ashburn-1",
"state": "available",
"bandwidths": {
"available": ["500Mbps", "1Gbps", "2Gbps", "5Gbps", "10Gbps", "20Gbps", "50Gbps", "100Gbps"],
"supported": ["500Mbps", "1Gbps", "2Gbps", "5Gbps", "10Gbps", "20Gbps", "50Gbps", "100Gbps"]
},
"type": "Multicloud",
"remoteIdentifierType": "account"
}
{
"provider": { "cloudServiceProvider": "gcp" },
"location": "us-east4",
"state": "limited",
"bandwidths": {
"available": ["1Gbps", "2Gbps", "5Gbps", "10Gbps", "500Mbps"],
"supported": ["1Gbps", "2Gbps", "5Gbps", "10Gbps", "20Gbps", "50Gbps", "100Gbps", "500Mbps"]
},
"type": "Multicloud",
"remoteIdentifierType": "account"
}
CLIリファレンスによると、stateには3つの値があります。availableはそのEnvironmentに対して新しいConnectionをリクエストできる状態です。limitedは利用できるものの全体の容量が限られている状態、unavailableは現在利用できない状態です。
帯域についても同じCLIリファレンスに定義があります。bandwidths.availableは現在利用可能な帯域、bandwidths.supportedはそのEnvironmentが対応を計画している帯域です。
後から加わったOCI側はstateがavailableでした。bandwidths.available / bandwidths.supportedのいずれも500Mbpsから100Gbpsまでの同じ8段階でした。先行していたGoogle Cloud側はstateがlimitedでした。bandwidths.availableは500Mbpsから10Gbpsまでの5段階、bandwidths.supportedは8段階でした。
locationにはAWSリージョンではなく、接続先CSP側のリージョン名が入っていました。OCIのus-ashburn-1とGoogle Cloudのus-east4は、いずれもus-east-1と同じ北バージニアのリージョンです。
AWS側のアタッチ先(Attach Point)の確認
OCI向けEnvironmentを指定して、AWS側のアタッチ先となるAttach Pointを確認しました。list-attach-pointsは、呼び出し元がアクセスできる有効なAttach Pointだけを返します。
実際のEnvironment IDは掲載せず、<environment-id>としています。
aws interconnect list-attach-points --environment-id <environment-id> --region us-east-1
{
"attachPoints": []
}
今回使用したテストアカウントでは、列挙対象となるAttach Pointが存在せず、空配列が返りました。
作成前に確認できる入力項目
Connectionは作成せず、リクエストの形だけを確認しました。--generate-cli-skeleton inputはAPIリクエストを送信せず、入力用のJSONだけを出力します。
aws interconnect create-connection --generate-cli-skeleton input
AWS CLI 2.36.11では、次のJSONが出力されました。
{
"description": "",
"bandwidth": "",
"attachPoint": {
"directConnectGateway": "",
"arn": ""
},
"environmentId": "",
"remoteAccount": { "identifier": "" },
"tags": { "KeyName": "" },
"clientToken": ""
}
7つのフィールドのうち、このJSONだけでは指定方法が判断できないのがattachPointです。展開されたJSONでは2つのキーが並んで見えますが、CLIリファレンスではタグ付きユニオンとして定義されており、directConnectGatewayまたはarnのいずれか一方を指定します。
--generate-cli-skeletonの説明には、生成されるJSONがAWS CLIのバージョン間で安定せず、後方互換性も保証されないと明記されています。フィールドの有無や意味は最新のCLIリファレンスで確認してください。上のJSONは、本記事執筆時点のバージョンでの出力です。
AWS側の料金
料金ページからAWS側の課金条件を読み取り、表にまとめました。本記事執筆時点の記載に基づく要約です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課金単位 | 帯域と、自動決定されるTierによる時間課金 |
| データ転送料 | Interconnectに対するGB単位のデータ転送料なし |
| 課金開始・終了 | 作成時から削除時まで |
| 端数処理 | 1時間単位、端数切り上げ |
| Tier | 5段階。接続が使用する経路のうち最上位のTierが接続全体に割り当てられる |
| 無料枠 | CSP・リージョンごとに500Mbpsを1本無料で作成可能 |
| CSP側料金 | AWS側とは別にCSP側の料金確認が必要 |
まとめ
AWS Interconnect - multicloudの接続先CSPは、Google Cloudに続いてOCIが加わって2つになりました。OCI側のポータルを操作する前に、AWS CLIだけで両方のEnvironmentの状態を比較できました。
OCIとの接続に対応するAWSリージョンは、現時点ではus-east-1のみです。東京リージョンを含む対応リージョンの拡大や、接続先CSPへのMicrosoft Azureの追加など、AWS Interconnect - multicloudの今後の展開に期待したいところです。









