AWS Outpostsの料金に関する情報をまとめてみた #reinvent

2019.12.04

中山(順)です

AWS Outpostsが東京を含む世界各地でリリースされましたね。

ユースケースについては、既報の通りローカルで大量のデータを前処理するケースや極度の低レイテンシーを求めるようなユースケースが想定されています。 このことについては一般提供開始前からサービスの紹介ページに記載されていました。

ローカルで非常に大量のデータが発生するようなユースケースをAWSの既存のサービスで実現しようとした場合、自社のサイトとAWSを低遅延・広帯域のネットワークで接続する必要があります。サービスにもよると思いますが、月額数十万~数百万円のコストが発生するかと思います。

また、極度の低レイテンシを求めるようなユースケースでは自社サイトにサーバを設置して対応せざるを得ないでしょう。

この記事では、そんな要件があるケースでOutpostsの利用を検討するにあたってコスト評価の参考にして頂けるように情報をまとめました。

Outpostsの価格体系

まず、Outpostsを利用するにあたっては3年間の継続利用をコミットする必要があります。

支払方法はリザーブドインスタンスと同様に、All Upfront / Partial Upfront / No Upfrontから選択できます。

You purchase a configuration for a 3-year term and can choose from three payment options: All Upfront, Partial Upfront, and No Upfront. If you choose the Partial or No Upfront payment option, monthly charges will apply. What Is AWS Outposts?

なお、利用するにあたってはEnterprise Supportが必須です。

You must have an AWS Enterprise Support plan. Create an Outpost and Order Outpost Capacity

Outpostsの価格

料金表はAWSのホームページから確認することができます。

AWS Outposts pricing

全ては記載しませんが、とあるリソースの費用は以下の通りです。

Resource ID Description Configuration All upfront Partial upfront No upfront
OR-R2XVM9Q Mixed capacity medium unit for running applications from several teams on the same Outpost 1 M5.24xlarge, 1 C5.24xlarge, 1 R5.24xlarge, 11+ TB $614,830.36 upfront $322,378.44 upfront, $8,954.96 monthly $19,018.30 monthly

【参考】EC2 / EBSの料金

参考までに同じ容量のEC2インスタンス / EBSボリュームの費用を確認してみました。 費用を試算するリソースは以下の通りです。

  • m5.24xlarge (Linux)
    • OnDemand
  • C5.24xlarge (Linux)
    • OnDemand
  • R5.24xlarge (Linux)
    • OnDemand
  • EBS Volume 11TB=11264GB (gp2)
    • EBS Snapshotは考慮せず

その結果がこちらです。

比較した結果が以下の通りです。(全て月額換算しています)

AWS Publib Region (OnDemand) Outposts (All upfront) Outposts (Partial upfront) Outposts (No upfront)
$14,808.79 $17,078.62 $17,909.92 $19,018.30

Outpostsを利用する為に発生するその他の費用

Outpostsを利用する場合には以下のようなコストが発生すると想定されます。

  • 導入
    • Outpostsの利用開始に伴う各種設計(特性を踏まえたネットワーク設計、運用設計、等)
    • サイトサーベイ立ち会い工数(ユーザー企業もしくはその業務委託先など)
      • Outpostsの料金にAWS側の作業費用は全て含まれている
    • (必要に応じて)ファシリティの改修費用(建屋や床の耐久性、温度管理、セキュリティ、など)
    • (必要に応じて)電源容量の拡張、冗長化
    • (必要に応じて)アクセス回線の追加・変更
    • (必要に応じて)Outpostを接続するネットワーク機器(本体、ケーブル等)の購入、保守契約
    • 設置するサイトのネットワーク機器設定(VLAN、LAG、BGP等)
    • (必要に応じて)DirectConnect (Public VIF) の事前設定作業
  • 運用
    • ファシリティの維持・管理
    • 電気料金
    • ネットワーク費用
      • アクセス回線
      • (必要に応じて)DirectConnect (Public VIF)
    • 運用要員の人件費・教育費用
      • Outpostを接続するネットワーク機器やアクセス回線の管理は必要
      • Outpostの機器を保守する際の立ち会い(作業はAWSが実施)
      • Outpostsの仕様を踏まえたトラブルシューティング・障害復旧が可能なスキルが必要(と思う)

ファシリティ、アクセス回線、電力に関する要件はこちらで確認できます。

Outpost Site Requirements

Outpostsのネットワーク機器と接続する対向のネットワーク機器に求められる要件 / 構成方法はこちらで確認できます。 仕様を満たせる機器を調達し、適切な設計が可能なパートナーと協力することを検討しましょう。

Outpost Connectivity to the Local Network

OutpostとAWSの間の接続性に関する要件はこちらで確認できます。

Outpost Connectivity to AWS Regions

ハードウェアメンテナンスおよびファームウェアの更新についてはこちらで確認できます。 ここはAWSの責任範囲で管理される要素です。

Outpost Maintenance

Outpostsにおける責任共有モデル

責任共有モデルの考え方はOutpostsでも適用されます。

Outpostsを利用する場合、以下の要素は利用者側の責任で管理する必要があります。 ここにかかるコストも考慮しましょう。

  • サイトの物理的なセキュリティ対策
  • サイトのスタッフに対するセキュリティ教育
  • Outpost上のリソース(EC2インスタンスやEBSボリュームなど)の管理
  • サイトとAWSを接続するネットワークの設定および可用性の維持
  • オンプレミスのリソースとOutpost上のリソース間のデータ保護

逆に以下の要素はAWSが責任を負います。

  • Outpost内の機器(コンピューティングリソース、ストレージ、ネットワーク機器、電源)の構成および保守
  • Outpost上で保存するデータの保護
  • OutpostとAWS間の通信の暗号化
  • Outpost内の機器で利用しているソフトウェアの更新(ハイパーバイザー、ファームウェア)

このあたりは以下のドキュメントおよびその配下のページで説明されています。

Security in AWS Outposts

まとめ

Outpostsを利用するためにはOutposts自体の料金以外にも様々なコストが発生します。 ユーザーが負うべき責任範囲も通常とは異なるため、コスト評価を実施するにあたってはそういった点も考慮しましょう。

現場からは以上です。