AWS Pricing MCP Serverでどれぐらい正確にランニングコストを見積もれるか試してみた。

AWS Pricing MCP Serverでどれぐらい正確にランニングコストを見積もれるか試してみた。

2025.07.25

はじめに

皆様こんにちは、あかいけです。

AWSのランニングコスト、見積もっていますか?
私は毎日のように AWS 料金見積りツールと睨めっこしている気がします。

https://calculator.aws/#/

そんな見積もりの日々を少し楽にしてくれそうな、
素敵な MCP サーバーが最近リリースされました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/07/model-context-protocol-server-price-list/
https://github.com/awslabs/mcp/tree/main/src/aws-pricing-mcp-server

というわけで今回は、この AWS Pricing MCP Server を使って「どれぐらい正確にランニングコストを見積もれるか?」を検証してみました。

なおこの MCP サーバーは元々 cost-analysis-mcp-server という名称だったようですが、
機能追加に伴って最近改名したようです。

https://github.com/awslabs/mcp/pull/758

事前準備

まずは AWS Pricing MCP Server を追加します。
Claude Code で使うので、以下ドキュメントを参考にしました。

https://awslabs.github.io/mcp/servers/aws-pricing-mcp-server

お好みの設定方法でOKですが、例として私は以下のコマンドで追加しました。
なお AWS_PROFILEAWS_REGION は任意のものに置き換えて下さい。

claude mcp add-json aws-pricing-mcp-server \
'{"command": "uvx","args": ["awslabs.aws-pricing-mcp-server@latest"],"env": {"FASTMCP_LOG_LEVEL": "ERROR","AWS_PROFILE": "default","AWS_REGION": "ap-northeast-1"},"disabled": false,"autoApprove": []}'

なお AWS Pricing MCP Server と言いつつ、他のMCPサーバーも使っています。
(まぁ実際他の MCP サーバーと併用すると思うので、多めに見てください…。)

プロンプト

プロンプトは共通で以下を使います。

以下の要件について、AWSでの月額コストを見積もってください。
可能な限り要件に準拠して見積もって下さい。

[お題内容]

* 補足事項
  * MCPサーバーが活用できる場合は積極的に利用して下さい
  * USDで計算して下さい
  * 基本的に東京リージョンで構築します
  * 具体的なサービス名と料金を明記し、見積もりの根拠となる前提条件も併せて記載してください

使ってみた

テストとして 3 つお題を用意しました。
状況としてはメールでお客様から連絡いただいた一次情報をイメージしています。

それぞれお題とClaude Codeによって出力された結果、またそれに対する評価を記載していきます。
またClaude Codeとのやり取りは一回のみとし、初回の回答内容を評価していきます。

お題 1. 3 層 Web アプリケーションの本番環境構築

お題

  • EC サイトを立ち上げたいんです。フロントエンド、API、データベースの 3 層構成で
  • 商品画像とかもあるので、CDN も使いたいです
  • 同時接続ユーザーは 1000 人くらいを想定してます
  • 月間 PV は 1000 万くらいかな?でも季節変動があるので、12 月とかは 5 倍くらいになるかも
  • データベースは 500GB くらいから始めて、年 20% くらい増えていく予定
  • セキュリティは重要なので、WAF とかも必要ですよね?
  • 冗長化は必須です。障害時の自動復旧もお願いします
  • 開発環境とステージング環境も作ってください

結果

⏺ 3層Webアプリケーション(ECサイト)AWS月額コスト見積もり

  【本番環境構成】

  1. コンピュートリソース(EC2)

  - フロントエンドサーバー: t3.medium × 2台(Multi-AZ)
    - 料金: $0.0544/時間 × 2台 × 24時間 × 30日 = $78.34/月
  - APIサーバー: t3.large × 2台(Multi-AZ)
    - 料金: $0.1088/時間 × 2台 × 24時間 × 30日 = $156.67/月

  2. データベース(RDS)

  - MySQL Multi-AZ: db.t3.large + 500GB storage
    - インスタンス: $0.416/時間 × 24時間 × 30日 = $299.52/月
    - ストレージ: $0.138/GB × 500GB = $69.00/月
    - 小計: $368.52/月

  3. ロードバランサー(ALB)

  - Application Load Balancer: 2台
    - ALB料金: $0.0243/時間 × 2台 × 24時間 × 30日 = $34.99/月
    - LCU料金: $0.008/LCU × 2LCU × 24時間 × 30日 = $11.52/月
    - 小計: $46.51/月

  4. CDN(CloudFront)

  - データ転送: 月間50GB(キャッシュヒット率80%想定)
  - リクエスト: 1000万リクエスト
  - 推定コスト: $19.00/月

  5. セキュリティ(WAF)

  - Web ACL: $5.00 × 2個 = $10.00/月
  - ルール: $1.00 × 10個 = $10.00/月
  - リクエスト処理: $0.60 × 10(1000万リクエスト)= $6.00/月
  - 小計: $26.00/月

  6. ストレージ(S3)

  - 商品画像等: 110GB
  - 料金: $0.025/GB × 110GB = $2.75/月

  7. 監視(CloudWatch)

  - 基本監視・ログ・アラーム: $25.00/月

  本番環境合計: $723.29/月

  ---
  【開発環境構成】

  コンピュートリソース

  - EC2: t3.medium × 2台 = $78.34/月
  - RDS: db.t3.medium Single-AZ + 100GB = $161.26/月
  - その他: ALB、S3等 = $30.00/月

  開発環境合計: $269.60/月

  ---
  【ステージング環境構成】

  コンピュートリソース

  - EC2: t3.medium × 2台 = $78.34/月
  - RDS: db.t3.medium Single-AZ + 200GB = $172.76/月
  - その他: ALB、S3等 = $50.00/月

  ステージング環境合計: $301.10/月

  ---
  【季節変動コスト(12月)】

  通常月の5倍負荷想定

  - EC2スケーリング: 各サーバー2台追加 = +$235.01/月
  - RDS: より大きなインスタンス利用 = +$200.00/月
  - CloudFront: データ転送5倍 = +$76.00/月
  - WAF: リクエスト処理5倍 = +$24.00/月

  12月追加コスト: +$535.01/月

  ---
  【総合月額コスト見積もり】

  | 環境       | 通常月       | 12月(ピーク)  |
  |----------|-----------|-----------|
  | 本番環境     | $723.29   | $1,258.30 |
  | 開発環境     | $269.60   | $269.60   |
  | ステージング環境 | $301.10   | $301.10   |
  | 合計       | $1,293.99 | $1,829.00 |

  年間総コスト: $16,263.89

  (通常月11ヶ月 + ピーク月1ヶ月)

  ---
  【前提条件】

  - リージョン: 東京(ap-northeast-1)
  - 価格モデル: オンデマンド(リザーブドインスタンス割引なし)
  - 運用: 24時間365日
  - 冗長性: 本番環境はMulti-AZ構成
  - 月間PV: 通常1000万、12月5000万
  - 同時接続ユーザー: 1000人
  - データベース: 500GB初期容量、年20%増加

  【除外項目】

  - データ転送費用(リージョン間)
  - SSL証明書・ドメイン費用
  - 外部サービス連携費用
  - 運用・開発人件費
  - バックアップ長期保存費用

評価

結構ざっくりお題ですが、なかなかいい感じではないでしょうか。
リソースごとに料金を計算しましたが、ほぼほぼ大体合ってます。

ただし、細かく見ると気になる点もあります。
たとえば「月間50GB」という計算根拠が薄いかもしれません。
キャッシュがあるとは言え、月間PV1000万で画像等のコンテンツがあるECサイトなら、もう少し大きくなりそうな気がしますが、まあ概算レベルでは許容範囲かもしれません。

また季節変動への対応も考慮されているのは良いですが、
「5倍負荷でEC2を2台追加」という部分は、もう少し現実的なオートスケーリング設計を提案してほしかったところ。
とはいえ、概算見積もりという文脈では十分実用的そうです。

年間$16,263.89という金額感も、3層構成の本格的なECサイトとしては妥当な範囲に収まっています。
実際の構築時にはReserved Instancesなどの最適化を考慮すれば、もう少し安くなるでしょうが、初期見積もりとしてはある程度使える数字だと思います。

お題 2. 社内システムの監視・アラート機能

お題

  • 既存のシステムがよく落ちるので監視を強化したいです
  • サーバーは 50 台くらいあります(EC2 とオンプレミス混在)
  • 監視間隔は 1 分くらいで細かく見たいです
  • 障害時は Slack とメールで通知してほしい
  • CPU が 80% 超えたら警告、90% 超えたら緊急アラートみたいな感じで
  • ディスク容量とメモリも監視対象です
  • 月に 50 件くらいアラートが来ると思います
  • ダッシュボードも作ってもらえますか?管理者が見やすいやつを
  • 過去のメトリクスも 3 ヶ月分くらいは保管したいです

結果

⏺ 社内システム監視・アラート機能 AWS月額コスト見積もり

  【システム構成】

  監視対象

  - サーバー50台: EC2 30台 + オンプレミス 20台
  - 監視項目: CPU使用率、メモリ使用率、ディスク容量
  - 監視間隔: 1分(高頻度監視)
  - アラート: 月50件想定
  - 通知先: Slack + Email

  ---
  【AWS サービス別コスト詳細】

  1. Amazon CloudWatch

  カスタムメトリクス
  - 設定: 50台 × 5メトリクス = 250メトリクス
  - 料金: $0.30/メトリクス×月 × 250 = $75.00/月

  CloudWatch アラーム
  - 設定: 250メトリクス × 2段階(警告80%・緊急90%)= 500アラーム
  - 料金: $0.10/アラーム×月 × 500 = $50.00/月

  CloudWatch Logs
  - ログ収集: 20GB/月 × $0.50/GB = $10.00/月
  - ログ保存: 60GB平均 × $0.03/GB×月 = $1.80/月
  - 小計: $11.80/月 → 概算 $30.00/月

  CloudWatch Dashboard
  - 設定: 管理者用ダッシュボード5画面
  - 料金: $3.00/ダッシュボード×月 × 5 = $15.00/月

  CloudWatch 合計: $170.00/月

  ---
  2. Amazon SNS(通知サービス)

  アラート通知
  - Email通知: 50件/月 = $0.10/月 (最小課金)
  - HTTP通知: Slack webhook 50件/月 = $0.03/月 (最小課金)
  - 合計: $2.00/月 (最小課金単位)

  ---
  3. AWS Lambda(アラート処理)

  アラート処理関数
  - 実行回数: 100回/月
  - メモリ: 128MB × 1秒実行 = 12.8GB秒
  - 料金: 少量のため $5.00/月 (最小課金)

  ---
  4. AWS Systems Manager

  オンプレミス監視
  - 対象: オンプレミス20台
  - SSM Agent: 無料
  - 基本監視機能: $0.00/月

  ---
  5. CloudWatch Agent

  エージェント配置
  - 全サーバー: 50台にエージェント配置
  - Agent料金: 無料(メトリクス送信料金は上記に含む)

  ---
  6. API呼び出し

  CloudWatch API
  - 用途: メトリクス取得、アラーム状態確認等
  - 呼び出し回数: 約300,000回/月
  - 料金: $0.01/1,000回 × 300 = $3.00/月

  ---
  【月額コスト総計】

  | サービス             | 月額料金      |
  |------------------|-----------|
  | CloudWatch       | $170.00   |
  | SNS              | $2.00     |
  | Lambda           | $5.00     |
  | Systems Manager  | $0.00     |
  | CloudWatch Agent | $0.00     |
  | API呼び出し          | $3.00     |
  | 合計               | $180.00/月 |

  年間総コスト: $2,160.00

  ---
  【構成詳細】

  監視設定

  - CPU使用率: 80%で警告、90%で緊急
  - メモリ使用率: 80%で警告、90%で緊急
  - ディスク容量: 80%で警告、90%で緊急
  - 監視間隔: 1分間隔
  - 保持期間: メトリクス3ヶ月保持

  アラート設定

  - 通知方法: Slack + Email同時通知
  - アラート頻度: 月50件想定
  - エスカレーション: 緊急レベルのみ即時通知

  ダッシュボード

  - 全体概要: サーバー稼働状況
  - CPU監視: 全サーバーCPU使用率
  - メモリ監視: 全サーバーメモリ使用率
  - ディスク監視: 全サーバーディスク使用率
  - アラート履歴: 過去のアラート状況

  ---
  【前提条件】

  - リージョン: 東京(ap-northeast-1)
  - 価格モデル: オンデマンド料金
  - 運用: 24時間365日監視
  - サーバー構成: EC2 30台 + オンプレミス 20台
  - 監視頻度: 1分間隔の高頻度監視
  - アラート想定: 月50件程度

  【除外項目】

  - 外部監視ツール費用(New Relic、Datadog等)
  - カスタムメトリクス開発費用
  - アラート対応・復旧作業人件費
  - セキュリティ監査・コンプライアンス費用
  - 運用体制構築費用

評価

これは中々実用的な見積もりではないでしょうか。
リソースごとに料金を計算しましたが、ほぼほぼ大体合ってます。

ただ、「CloudWatch Logs: 20GB/月」という想定は、サーバー50台にしてはやや控えめかもしれません。
1台あたり400MBという計算になりますが、アプリケーションログやシステムログを考慮すると、もう少し多くなる可能性が高いでしょう。

一方で、月$180という総額は現実的です、AWS標準サービスのみでこの価格に収まるのは魅力的ですね。
ダッシュボード料金まで含めているのも丁寧で、実際の導入時に「あれ、思ったより高い」ということも起きにくそうです。

お題 3. データベースのバックアップ・災害復旧システム

お題

  • 顧客データベースのバックアップ体制を強化したいです
  • データベースは 2TB くらいで、毎日 50GB ずつ増えてます
  • 日次バックアップは必須で、週次と月次もあった方がいいかも
  • 災害時は他の地域にも複製を置きたいです(東京→大阪)
  • RPO は 4 時間、RTO は 2 時間以内でお願いします
  • バックアップの取得状況も監視したいです
  • 定期的にバックアップからの復旧テストもできるようにしてください
  • セキュリティのため、バックアップデータは暗号化してください
  • 7 年間の保管が必要です(法的要件)

結果

⏺ データベースのバックアップ・災害復旧システム AWS月額コスト見積もり

  【システム構成概要】

  要件

  - データベース: 2TB初期容量、日次50GB成長
  - RPO: 4時間以内
  - RTO: 2時間以内
  - DR拠点: 東京→大阪リージョン
  - 保管期間: 7年間(法的要件)
  - 暗号化: 必須

  ---
  【AWS サービス別詳細コスト】

  1. 本番環境(東京リージョン)

  Amazon RDS
  - 本番DB: db.r5.2xlarge Multi-AZ + 3.5TB storage
    - インスタンス: $1.14/時間 × 720時間 = $820.80/月
    - ストレージ: $0.138/GB × 3,500GB = $483.00/月
    - 小計: $1,303.80/月
  - 自動バックアップ (7日保持、PITR対応)
    - 超過分: $0.095/GB × 500GB = $47.50/月

  AWS Backup
  - 日次バックアップ (30日保持): $0.0575/GB × 3,300GB = $189.75/月
  - 週次バックアップ (3ヶ月保持): $0.0575/GB × 1,500GB = $86.25/月
  - 月次バックアップ (1年保持): $0.0575/GB × 3,500GB = $201.25/月

  本番環境合計: $1,828.55/月

  ---
  2. 災害復旧環境(大阪リージョン)

  RDS リードレプリカ
  - インスタンス: db.r5.xlarge Single-AZ
    - $0.57/時間 × 720時間 = $410.40/月
  - ストレージ: $0.115/GB × 3,500GB = $402.50/月
  - 小計: $812.90/月

  データ転送費用
  - 東京→大阪: $0.09/GB × 1,700GB = $153.00/月

  DR環境合計: $965.90/月

  ---
  3. 長期保管(7年要件)

  S3 Glacier Deep Archive
  - ストレージ: $0.002/GB × 175,000GB = $350.00/月
  - アップロード: 月次データアーカイブ = $23.00/月

  長期保管合計: $373.00/月

  ---
  4. 監視・自動化

  CloudWatch
  - メトリクス: $0.30 × 50個 = $15.00/月
  - アラーム: $0.10 × 30個 = $3.00/月
  - ログ: $0.50 × 10GB = $5.00/月
  - 小計: $23.00/月

  SNS (通知)
  - Email通知: $2.00/月

  監視・自動化合計: $25.00/月

  ---
  5. 復旧テスト環境

  テスト用RDS (月1回、2日間稼働)
  - インスタンス: $0.285 × 48時間 = $13.68/月
  - ストレージ: $0.115 × 350GB = $40.25/月

  復旧テスト合計: $53.93/月

  ---
  【月額コスト総計】

  | カテゴリ       | 月額コスト       |
  |------------|-------------|
  | 本番環境(東京)   | $1,828.55   |
  | 災害復旧環境(大阪) | $965.90     |
  | 長期保管(7年)   | $373.00     |
  | 監視・自動化     | $25.00      |
  | 復旧テスト環境    | $53.93      |
  | 合計         | $3,246.38/月 |

  年間総コスト: $38,956.56

  ---
  【バックアップ戦略詳細】

  バックアップ種別

  - 自動バックアップ: RDS標準機能、7日保持、PITR対応
  - 日次バックアップ: AWS Backup、30日保持
  - 週次バックアップ: AWS Backup、3ヶ月保持
  - 月次バックアップ: AWS Backup、1年保持→Glacier Deep Archive(7年)

  災害復旧設計

  - プライマリ: 東京リージョン Multi-AZ構成
  - セカンダリ: 大阪リージョン リードレプリカ
  - フェイルオーバー: 手動切り替え(RTO 2時間)
  - データ同期: リアルタイム(RPO 4時間対応)

  暗号化設定

  - 転送時暗号化: TLS 1.2
  - 保存時暗号化: AWS KMS
  - バックアップ暗号化: 全バックアップデータ

  ---
  【前提条件】

  - リージョン: 東京(メイン)、大阪(DR)
  - 価格モデル: オンデマンド料金
  - データ成長: 初期2TB + 日次50GB(年間18.25TB増加)
  - 運用: 24時間365日監視
  - 法的要件: 7年間データ保管必須

  【除外項目】

  - データベースライセンス費用
  - アプリケーション改修費用
  - 災害復旧訓練・教育費用
  - 専用線・ネットワーク費用
  - セキュリティ監査・コンプライアンス費用
  - 運用体制構築・保守費用

評価

これも中々本格的な見積もりですね。
本番環境のRDSの見積もりが大幅にずれていますが、それ以外はおおよそ妥当な見積もりかと思います。

ただし、データ転送費用の「$0.09/GB × 1,700GB = $153.00/月」は、実際の運用では変動が大きい部分なので、もう少し幅を持たせた見積もりの方が良かったかもしれません。
また、復旧テスト環境を「月1回、2日間稼働」としていますが、さすがにテストが頻繁すぎる気がします。

一方で、長期保管の計算は良さそうです。
175,000GBという数値がどこから来たのか気になりましたが、7年分の累積データ量を考慮した結果なのでしょう。

またRPO 4時間、RTO 2時間という要件に対して、
Multi-AZとリードレプリカ(おそらくクロスリージョンリードレプリカの意図)の組み合わせで対応するというアーキテクチャ選択も良さそうです。
もう少し厳しいRTO要件ならグローバルデータベースなど別のアプローチが必要でしょうが、この要件レベルなら十分実現可能でしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
AWS Pricing MCP Server の実力、なかなか興味深い結果になったのではないでしょうか。
今回は生成AIのルールファイルなどは使っていませんでしたが、CLAUDE.mdでより厳格なルールを定めておけば、さらに精緻な見積もりができそうな気がします。

また短時間でそれなりに正確な見積もりができるので、
実際に威力を発揮する場面を想像してみると、以下のような場面が思い付きます。

  • 「とりあえず今すぐ概算を教えて!」と言われたとき
  • 飲み会でいきなり「このシステム、AWS でいくらぐらいかかる?」と聞かれたとき
  • 複数パターンの見積もりを短時間で比較したいとき

なのでエンジニアだけでなく、営業の方々にとっても強力な武器になりそうです。
技術的な細かい話は一旦置いておいて、お客様の要望を入力するだけでそれっぽい見積もりが出てくるんですから。

もちろん、最終的な責任は人間が持つべきですが、最初の叩き台作りには十分使えるレベルかなと思います。
皆さんも AWS Pricing MCP Server を活用して、効率的な見積もりライフを送ってみてはいかがでしょうか。

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