AWS Snowballことはじめ パート2【Snowballはどういうときに使うの?】
AWS Snowball は AWS が提供するデータ転送サービスです。とは言え、AWS Snowball があらゆるデータ移行プロジェクトに適しているわけではありません。 オンプレからAWSクラウドにデータ移行する場合、ユースケースに応じてどういうソリューションがあり、AWS Snowball はどういう用途に向いているのか、俯瞰してみましょう。
クラウドへのデータ移行はどうすれば良い?
オンプレからクラウドにインフラを移行する上でネックになるのがデータ移行です。
データ移行ソリューションを評価する上では
- スピード
- セキュリティ
- 費用
- パフォーマンス
などが基準にされ、また、移行方式も
- 一度に大量データをバッチで一括移行
- 差分で更新
- ストリーミングで移行
- 一括+ストリーミングのようなハイブリッド
など多くの選択肢があります。
AWS のデータ移行ソリューションを俯瞰してみましょう。
AWS のデータ移行ソリューション
AWSのデータ移行ソリューションは主要なもので以下があります。
要件 | 検討対象 | ユースケース | セキュリティ機能 |
インターネット接続の最適化(S3-XA)または置き換え(DX/Snowball) | |||
AWS リージョン内のデータセンターに直接接続する | AWS Direct Connect(DX) |
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ペタバイト単位のデータのクラウドへのバッチでの移行 | AWS Import/Export Snowball |
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増分的な変更を伴う定期的なジョブの長距離での移行 | Amazon S3 Transfer Acceleration(S3-XA) |
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S3 を直接簡単に使用するためのインターフェイス
※差分更新がある場合やストリーミングデータの場合 |
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ハイブリッドモデルでデータをローカルにキャッシュする (パフォーマンス上の理由) | ゲートウェイ (AWS またはパートナー) |
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最小限の中断でクラウドにバックアップまたはアーカイブをプッシュする | テクノロジーパートナーシップ | N/A | N/A |
ストリーミングデータの複数のソースを収集して取り込む | Amazon Kinesis Firehose |
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※表は「クラウドデータ移行 |AWS」から
まとめ
今回は、AWS が提供するさまざまなデータ移行ソリューションとそのユースケースを確認しました。
今回検証する AWS Snowball はペタバイト単位のデータのクラウドへのバッチでの移行に適しています。一方で、ストリーミングデータや日々変更の発生するデータの差分更新も必要な場合などには AWS Snowball は適してはいません。
クラウドへのデータ移行といっても、ユースケースに合わせてソリューションを適切に選択・組み合わせることが重要です。
次回からは、ようやく AWS Snowball を本格的に調査していきます。
参考リンク
- クラウドデータ移行 |AWS
- AWS Whitepaper : An Overview of AWS Cloud Data Migration Services (May 2016)
- AWS Data Transfer Services: Data Ingest Strategies Into the AWS Cloud
- AWS Cloud Data Migration Services - YouTube
- AWS January 2016 Webinar Series - Cloud Data Migration: 6 Strategies for Getting Data into AWS - YouTube