AWS Storage Gateway ファイルゲートウェイのVM移行をしてみる

AWS Storage Gateway ファイルゲートウェイのVM移行をしてみる

Clock Icon2021.12.09

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こんにちは、リサリサです。

Storage Gateway のサポート切れに伴う VM マイグレーションをするので手順をまとめてみました。

こちらの手順通りに進めていきます。

今回の環境

  • ゲートウェイタイプ:S3ファイル
  • ハイパーバイザー:VMware vSphere 6.7.0
  • オブジェクトへのアクセス:SMB
  • 認証方法:AD

現在の状態

Storage Gateway を見ると、実行中ですが、注意マークがついています。

詳細を開くと、以下のようなメッセージが表示されます。サポートが切れてしまうので、StorageGatewayVMの移行が必要です。

ゲートウェイは、2021年9月15日 9:00:00 JST まで新機能の更新を受信し、それ以降は 2022年1月1日 9:00:00 JST までセキュリティ更新だけを受信します。2022年1月1日 9:00:00 JST 以降、AWS サポートはゲートウェイをサポートしません。ゲートウェイを移行してください。

手順

先述した手順通りに進めていきます。項番は、リンク先に合わせています。

VMを作り直して、既存ファイルゲートウェイに付けなおすような流れになります。

1.アプリケーションの停止

既存のファイルゲートウェイに書き込んでいるすべてのアプリケーションを停止します。

2.CachePercentDirty(ダーティなキャッシュ率)メトリクスの確認

ストレージのキャッシュには記録されたが、S3にまだ記録されていないデータがないか確認します。あったらなくなるまで待ちます。

CloudWatch からも確認できますが、Storage Gateway のコンソールの「監視」からも確認できるので、手順通りに Storage Gateway のコンソールから確認します。

CachePercentDirty が 0 になったら次の作業に進みます。

3.元StorageGatewayVMのシャットダウン

ハイパーバイザーコントロールを使用してホスト仮想マシン(VM)の電源をオフにして、既存のファイルゲートウェイをシャットダウンします。

参考:ESXi ホストの再起動またはシャットダウン

4.元StorageGatewayVMのディスクをデタッチ

ルートディスク、キャッシュディスクを含むすべてのディスクを切り離します

参考:ストレージ デバイスの分離

5.新StorageGatewayVM作成する

新しい VM を作成します。通常の作成手順と同じように「ゲートウェイの作成」からステップ2まで進めて、イメージをダウンロードします。ステップ3移行には進まずに終わります。

「S3 ファイルゲートウェイ」を選択します。

「VMware ESXi」を選択して、「イメージのダウンロード」をします。

ダウンロードしたイメージを上記の手順通りにデプロイします。その際、キャッシュディスクは古いVMで使用していたものを使用します。

6.新StorageGatewayVMをデプロイ

  1. VMware vSphere クライアントを使用して、ゲートウェイホストのハイパーバイザーに接続します。
  2. ダウンロードした OVF テンプレートパッケージをデプロイします。
  3. 次の 3 つの画面で [次へ] を選択します。 .ova パッケージを保存するデータストアを選択するように求められる場合があります。
  4. [Thick provisioned format] でディスクを割り当てます。※ディスクの追加しないでください。8.でアタッチします。
  5. ゲートウェイホストの時刻と一致させるために、ゲートウェイ VM の時刻をNetwork Time Protocol (NTP) サーバーと同期させます。

参考:VMware Host Client での OVF ファイルまたは OVA ファイルからの仮想マシンのデプロイ

7.新StorageGatewayVMを起動、ネットワーク構成

新StorageGatewayVMを起動します。

元StorageGatewayVMと同じネットワーク設定で新StorageGatewayVMを構成します。

ゲートウェイのデフォルトのネットワーク構成は、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)です。DHCPを使用すると、ゲートウェイにIPアドレスが自動的に割り当てられます。

DHCP を使用せず、手動で設定する場合は Storage Gateway のネットワーク構成 を参考に、サーバーにログインして設定をしてください。

8.ディスクを新StarageGatewayVMにアタッチ

元StarageGatewayVMからデタッチしたディスクを新StarageGatewayVMに接続します。

参考:仮想マシンへの既存のハード ディスクの追加

※正常に移行するには、すべてのディスクを変更しないでおく必要があります。ディスクサイズやその他の値を変更すると、メタデータに不整合が生じ、移行の成功が妨げられます。

9.StarageGatewayVMマイグレーションプロセスの実行

webブラウザーから、以下のアドレスにアクセスします。それぞれ以下の値に書き換えます。ゲートウェイ移行プロセスが開始されます。

このプロセスで、新StorageGatewayVMが既存のファイルゲートウェイと紐づきます。

http://your-VM-IP-address/migrate?gatewayId=your-gateway-ID
  • your-VM-IP-address:新StorageGatewayVMのIPアドレス (元StorageGatewayVMに使用したものと同じIPアドレスも使用可能)
  • your-gateway-ID:ゲートウェイID

例)http://198.51.100.123/migrate?gatewayId=sgw-12345678

ゲートウェイの移行が正常に開始されると、次のメッセージが表示されます。

Successfully imported Storage Gateway information. Please refer to Storage Gateway documentation to perform the next steps to complete the migration.

10.StorageGateway ステータス確認

AWS StorageGatewayコンソールでステータスが「実行中」として表示されるのを確認します。使用可能な帯域幅によっては、これには最大10分かかる場合があります。

11.新StorageGatewayVMを停止

新StorageGatewayVM を一度停止します。

12.新StorageGatewayVMからルートディスクをデタッチ

元StorageGatewayVM のルートディスクを新StorageGatewayVMから切り離します。

参考:ストレージ デバイスの分離

13.新StorageGatewayVMを起動

新StorageGatewayVMを再度起動します。

14.新StorageGatewayVMのActive Directoryへの参加

ゲートウェイが ActiveDirectoryドメインに参加している場合は、ドメインに再度参加します。

ドメイン参加の方法は以下の記事を参考にして下さい。

※ファイルゲートウェイのステータスが「結合済み」と表示されている場合でも、この手順を完了する必要があります。

15.元StorageGatewayVMを削除

共有が新StorageGatewayVM の IPアドレス で使用可能であることを確認してから、元StorageGatewayVM を削除します。

※削除後、元に戻すことはできません。

最後に

一度ルートディスクをアタッチしてから、マイグレーションプロセスを経てデタッチするなど、なかなかややこしい部分も多く難しかったです…。

あまりケースの多くない作業ではありますが、どなたかのお役に立てれば幸いです。

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