【レポート】急成長のSocial Live事業「Pococha」の課題とAmazon IVSの活用 #CUS-48 #AWSSummit
こんにちは、大前です。
本記事は AWS Summit JAPAN 2021 のセッション「急成長のSocial Live事業「Pococha」の課題とAmazon IVSの活用 (CUS-48)」に関するレポートです。
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セッション概要
"急成長のSocial Live事業で必要な高い安定性や安定した低遅延を実現したSocial Liveアプリ「Pococha」による Amazon IVS 活用事例" ソーシャルライブサービスはリアルタイムに双方向コミュニケーションするため、一般的なアプリよりも高い安定性を要求されます。また、ユーザーによってネットワークコンディションが異なるため、安定した低遅延を提供することが難しいです。ソーシャルライブアプリ「Pococha」は巣篭りの影響もあり急成長を遂げましたが、急増するユーザーのアクセスに対し上記課題の解決が必要でした。本セッションでは、Pococha がこれらの課題への解決策として Amazon IVS の導入を行った事例についてご紹介します。
スピーカー
- 株式会社ディー・エヌ・エー 執行役員 ライブストリーミング事業本部長 住吉 政一郎 氏
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 技術統括本部 ゲームエンターテイメントソリューション部 ソリューションアーキテクト 岩井 泰児
セッションリンク(AWS Summit JAPAN 2021 への登録が必要です)
動画は こちら から視聴できます。資料もダウンロード出来ますので是非登録して視聴してみてください。
セッションレポート
本セッションは前半/後半に別れており、前半は DeNA 住吉様 より急成長のソーシャルライブ事業である Pococha に関する様々なお話があり、後半は AWS 岩井様 より IVS にフォーカスしたお話がありました。
(DeNA 住吉様パート)
- Pococha の概要
- 配信者と複数の視聴者がコメントやアイテムを利用したリアルタイムのコミュニケーションが可能なプラットフォーム
- 配信を行うライバーと、視聴者であるリスナーに分かれている
- 「Live Link Life」というコンセプト
- コロナ影響による事業の急成長
- ここ 1年の巣篭もり需要の増加に伴い、Pococha 事業も成長
- Pococha の今後の注力施策
- Pococha の更なる強化・成長
- グローバル版のサービス開発
- Pococha の成長に伴う技術面での課題
- 2020年度頃から急成長
- 最初から戦略などを描いていたわけではなく、低コストで検証を繰り返しながら事業を成長してきた
- スケールについては「その時」がきたら考えようとしていた
- グロースフェーズに突入
- そろそろスケールアウトを考える必要が出てきた矢先、コロナでユーザが急増
- アクセスの増大、ユーザや利用時間も毎日増え、対応に迫られた
- 求められるパフォーマンスと安定性
- 双方向にリアルタイムなコミュニケーションが実現できる事がライブコミュニケーションアプリにおいて重要な要素
- 大量に発生するアクティビティへの対応等が求められた
- 大量に発生するアクティビティについて
- 大量のユーザが発生させるアクティビティをリアルタイムでさばく必要があった
- Pococha は映像や音声などに加え、コメントやランキング情報、アイテムなど、独自のアクティビティも大量に存在
- 大量のユーザが発生させるアクティビティをリアルタイムでさばく必要があった
- 安定した配信・視聴
- スムーズに双方向コミュニケーションができる、安定した配信が求められた
- 大量のユーザに対応するためのスケーラビリティが必要
- ユーザはそれぞれ通信環境が異なる、それにどう対応するかが重要
- 今回出てくる Amazon IVS は上記課題に対応する手段
- 2020年度頃から急成長
- Amazon IVS の利用
- 課題の解決
- フルマネージドサービスなのでスケーラビリティを内包
- 各ユーザ側のネットワーク環境にはトランスコーダーを導入する事で対応を検討
- AWS との連携
- 大量のアクティビティをさばくための体制
- AWS と DeNA でお互いが対等に議論しつつ、開発を進めているのが面白い
- Pococha のエンジニアに大事にしてほしい事
- エンジニアにはなるべくユーザへの価値提供部分に時間を使ってほしい
- 代替可能な部分は代替したい
- エンジニア募集中です!
- 課題の解決
(AWS 岩井様パート)
- Amazon IVS の誕生
- IVS と Twitch には深い関係がある
- Twitch は 2014年に Amazon が買収したストリーミング配信プラットフォーム
- 2020/7月に Amazon IVS がローンチ
- プレスリリース文にも Twitch のテクノロジーを利用している旨が記載
- DeNA はグローバルローンチパートナー
- IVS と Twitch には深い関係がある
- Amazon IVS が解決した課題
- ライブストリーミング事業は難しい
- OTT の知識や経験が必要
- グローバル規模で多数の視聴者に低遅延でビデオを配信する事は困難
- ライバーが行うような、ユーザ側で生成されるタイプのライブ配信は技術的に難しい点も多い
- 頑張ってプラットフォームを用意できても、ユーザーの獲得や引き留めは難しい
- 上記の課題を解決するのが Amazon IVS
- ライブストリーミング事業は難しい
- Amazon IVS の特徴
- ライブストリーミング基盤を簡単にセットアップ可能
- チューニングなしに 3秒未満の超低遅延を実現
- プレイヤーSDK の提供
- グローバルインフラストラクチャを内包しているため、地理的に近い PoP が選択される
- メタデータの埋め込みが可能
- 配信/視聴時間に基づいた従量課金モデル
- インタラクティブな動画体験とは?
- 単にライブ動画を流すだけでなく、視聴者側での能動的なやりとりによる顧客体験の向上
- Amazon IVS のアーキテクチャ
- 以下の 5つのコンポーネントを内包
- Ingest, Transcode, Packaging, CDN, Player SDK
- Twitch の技術を活用しているため、低遅延配信が可能
- アプリケーション側では以下を対応する
- 配信元ソフトウェア等の用意
- IVS チャンネル自体の管理
- プレイヤーの実装
- メタデータの埋め込み
- 数クリックで配信基盤を構築でき、すぐに配信者と視聴者を紐づける事が実現可能
- CloudWatch 等を活用する事で運用管理の自動化が実現可能
- 以下の 5つのコンポーネントを内包
- Amazon IVS の導入について
- ユースケース
- Eコマース
- Eラーニング
- フィットネス
- ライブイベント
- タウンホール
- UGC アプリ
- 事例として Pococha の移行事例
- 元々はライブ配信用の M/W 等を利用していた
- IVS を採用する事で、配信基盤をマネージドに
- 移行期間についても数日で実現
- IVS に関するフィードバックも受けつつ、プロジェクトを進めた
- ユースケース
おわりに
AWS Summit JAPAN 2021 のセッション「急成長のSocial Live事業「Pococha」の課題とAmazon IVSの活用 (CUS-48)」に関するセッションレポートでした。
Amazon IVS のグローバルパートナーである DeNA 様から、実際に IVS を活用した事によって解決した課題等について聞ける貴重なセッションでした。
また、双方向コミュニケーションプラットフォームに求められる要件についても理解でき、非常に勉強になりました。
実際に IVS へのフィードバックも継続的に行いながら開発を進めているという事で、今後の IVS のアップデートにも期待できそうです!
以上、AWS 事業本部の大前でした。