【レポート】AWS でのゲームエンジン積極活用手法のご紹介(AWS-30) #AWSSummit
こんにちは、AWS事業本部コンサルティング部の後藤です。
今回は2022年5月25 - 26日の2日間で開催され、6月30日までオンデマンド配信を行っているAWS Summit Onlineのセッションレポートをしていきます。
セッションのサマリーを理解し、興味があるセッションをチェックすることにご活用ください。また、セッションのアーカイブも公開されていますので、詳細はそちらをチェックしてください。
それでは見ていきましょう!
セッション情報
タイトル : AWS でのゲームエンジン積極活用手法のご紹介(AWS-30)
概要 : AWS でゲームエンジンを利用したゲームの開発環境を構築する事例や、 ノンゲーム分野でもゲームエンジンを活用する手法について解説します。 Graviton2 を活用した Arm ベースのゲーム開発についてもご紹介します。
スピーカー : AWS 技術統括本部 ゲーム エンターテイメント ソリューション部 ソリューションアーキテクト 長田義広
セッションレポート
- 本セッションの対象者
- AWSの基本的な概念やEC2等、基盤となるサービスについて既に理解している
- ゲームエンジンを用いたゲームや独自サービスをAWS上で開発、提供したい方
- 本セッションのゴール
- AWS上でのゲームエンジン活用事例やリファレンスの紹介
- 活用するための要点を理解
- 本セッションのアジェンダ
- AWS Game Tech紹介
- ゲームエンジンを用いたゲーム開発環境構築
- ゲーム開発へのAWS Graviton プロセッサ活用
- ノンゲーム分野でのゲームエンジン活用
AWS Game Techの紹介
- 開発者の人数に問わず、より楽しいゲームにするのが目標
- AWS GameTechはBuild、Run、Grouwの3つの柱からゲームをより良いものにしていく
- Build
- アプリケーションのモダナイゼーション
- クラウド開発におけるゲーム開発
- Run
- サーバやネットワークの管理
- ゲーム分析やセキュリティのサポート
- Grow
- マネタイゼーション
- AI・ML
- Build
- 本セッションではBuildの柱に関わるゲームエンジンを用いたゲーム、及びノンゲームサービスの開発の実現手法
ゲームエンジンを用いたゲーム開発環境構築
- ゲームエンジンについて
- ゲーム開発における主要な処理を共通化して実装、効率化を図るソフトウェア
- Unreal EngineやUnity、Open 3D Engineなど
- 本セッションではUnreal Engineの事例を紹介
- AWS上でのUnreal Engine活用事例
- re:Invent2021で発表されたEpic Games様の事例紹介
- ビルド環境をAWSに移行する事例
- 移行前、移行後の構成やポイントを解説(以下一例紹介
- バージョン管理システムの取り扱い
- Perforceを使用
- オンプレミス上にはCommitサーバを残した状態
- AWS上ではEdgeサーバを構築して活用
- 共通ストレージ
- ゲーム開発ではWindowsの利用が多い
- Amazon FSx For Windowsを活用
- ビルドマシンからアクセス可能な位置に配置する
- デバッグを見越した構成
- 外部会社がデバッグを行う場合、成果物をS3で共有
- 最適なビルドマシンの選択
- 様々なインスタンスサイズやOSが選択可能
- 分散ビルドの利用
- IncrediBuildやUnrealSwarm
- スポットインスタンスの活用でコスト最適化
- 外部会社がデバッグを行う場合、成果物をS3で共有
- バージョン管理システムの取り扱い
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- 上記内容を更に発展させたリファレンスアーキテクチャをAWSのブログにて紹介
ゲーム開発へのAWS Gravitonプロセッサ活用
- AWS Graviton プロセッサ
- AWSが設計したArmベースのプロセッサ
- 現在は第3世代まで発表
- Unreal Engineに対するAWS Graviton2 インスタンスのサポート強化
- 現行世代のx86ベースと比較して最大40%の費用対効果向上
- Gravitonプロセッサ向けビルドに必要な作業
- Linux用ビルドターゲットを追加
- Linuix(AArch64)で専用サーバをビルド
- Graviton2 プロセッサ塔載インスタンスで動作確認
- 更に詳細はAWSのブログで紹介とのこと
- ゲームサーバでもGravitonプロセッサ活用可能
- GameLift FleetIQでGraviton2プロセッサが対応
- ARMアーキテクチャ向けのゲームサーバであれば費用対効果向上のメリットが期待できる
ノンゲーム分野におけるゲームエンジン活用
- 近年ゲーム以外のサービス開発でもゲームエンジンが活用
- シミュレーション結果の視覚化
- XR(AR,VR,MR)
- メタバース
- Pixel Streamingでの視覚化
- Unreal Engineのアプリケーションを実行した結果をストリーミング配信する機能
- WebRTCを用いて映像や音声をストリーム出力可能、マウス等の入力操作も受け付ける
- Pixel Sreamingを利用するための構成要素やAWS上での構築例を紹介
- Unreal Engineのアプリケーションを実行した結果をストリーミング配信する機能
- XRでのAWS活用例
- EC2とNICE DCVを活用したOculus Quest2でのアプリ実行開発環境の構築例を紹介
- NICE DCVを利用する事でリモートの外部デバイスをEC2で利用可能
- GPU搭載インスタンスを活用して開発環境とする
- EC2とNICE DCVを活用したOculus Quest2でのアプリ実行開発環境の構築例を紹介
- メタバースへの応用例
- Re:Invent2021で発表されたセッションを例に紹介
- パートナー企業とのゲームエンジンを利用した実証実験
最後に
ゲーム開発環境をAWS上に構築する事はまだあまり馴染みが無い事かもしれませんが、事例や構成例を用いて説明されており、AWS上でのゲーム開発環境について分かりやすく説明されているセッションでした。ゲーム開発では様々なケースで高スペックの環境を多く必要となる事が多いですが、AWSを活用する事でクラウドのメリットである俊敏性を活かしてより素早く環境を準備でき、更に従量課金制でコストパフォーマンスの向上も見込めるかもしれませんね。
AWS Summit Onlineは6月30日までセッションをオンデマンド配信していますので、気になった方は是非チェックしてみてください!