【レポート】SAP Intelligent Enterpriseを実現するためのAWSサービス活用 #AWSSummit
AWS Summit Osaka 2019 のセッション「SAP Intelligent Enterpriseを実現するためのAWSサービス活用」のレポートです。
当エントリでは、2019 年 6 月 27 日に行われた「SAP Intelligent Enterpriseを実現するためのAWSサービス活用」に関する内容をレポートしたいと思います。
セッション概要
当セッションの登壇者及び概要は以下の通りです。
スピーカー:
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
技術統括本部
ソリューションアーキテクト
河原 哲也
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
技術統括本部
ソリューションアーキテクト
河原 哲也
セッション概要:
基幹系アプリケーションSAP S/4HANAを支えるSAP本稼働認定Amazon EC2インスタンスの最新情報、またSAP社が掲げるインテリジェントエンタープライズの実現に向けたSAPシステムと各種AWSサービスの組み合わせによるデジタルトランスフォーメーションの実装例を説明します。
セッションレポート
SAPのイメージ
- ERPベンダのイメージ
- 現在は、ERPにAI、ML、IOTを加え、よりデジタルにシフトしている
AWSとSAPの関係
- AWSのサービス開始は2006年、SAPとは2008年から取引を開始
- きっかけはSAPの社内課題を解決するため
- 2011年にERPを始めとしたSAPをお使いのお客様にクラウドのテクノロジーを提供開始
- SAPパートナーシップ
- AWSが世界初のSAP認定クラウド
- SAP HANA認定(2012年)
- AWSが世界初
- SAP S/4HANA認定(2015年)
- S/4HANAリリースと同時に認定
- SAPパートナーシップ
- AWS上でSAPの様々なサービスが稼働している
- 古くから最先端の領域でやってきた
AWSの認定
- EC2で取得
- SAP S/4HANAを支える基盤として重要
- 2018年秋 EC2 High Memory インスタンスが登場
- 6TB、9TB、12TBのメモリを提供
- 既にこの規模で利用しているお客様がいる
- 2019年秋に18TBと24TBを提供予定
- SAP本稼働認定 Amazon EC2インスタンス
- 汎用
- メモリ最適化
- コンピューティング最適化
- High Memory
- S/4HANAのアプリケーションサーバとしても利用できる
- お客様のワークロードに合わせてインスタンスタイプを柔軟に変えることができる
- SAP HANA本番稼働認定 EC2インスタンス(OLTP)
- 244GiB~12TBメモリの範囲をサーバ一台でスケールアップできる
- 今日時点で12TB以上が欲しい場合はスケールアウト構成する
- スケールアウト構成の認定はAWSが世界初かつ現在世界唯一
- これまでは5年間使い切りで買わなくてはいけない、データが増えたらその分買わなくてはならなかったが、EC2で柔軟に対応することができる
- BW/4HANAといった分析基盤で利用可能。4TBのインスタンスを25台、最大100TBのスケールアウト構成を採用可能
- SAP HANA Servicesにおけるリーダー評価
- ISGのリサーチ会社プロバイダーレンズの比較表、AWSはIBM、MSに勝るグローバルリーダーの評価を得ている
SAPビジョン:Intelligent Enterpriseの実現
- インテリジェントスイート
- 部分で最適なものをつなぎ合わせて使う
- インテリジェントテクノロジー
- ML、AI、アナリティクス、IOT
- デジタルプラットフォーム
- クラウド・プラットフォーム
- データ管理
- SAP Intteligent Enterpriseの実現に向けて
- 現行のSAP S/4HANAをクラウドにリフトする
- AWSクイックスタート
- S/4HANAをインストールする時、オンプレ時代は数週間〜数ヶ月掛かっていた
- リファレンスアーキテクチャとデプロイメントガイド、AWS CFnテンプレートをセットで提供
- ボタン一つで自動展開
- 数週間ではなく分単位での実行
- 一度の構築、一貫した展開
- 本番稼働環境に向けた設計
- カスタマイズが可能
- 幅広いお客様用途に対応
- SAP on AWSクイックスタート
- 現在4つある
- SAP S/4HANA
- SAP HANA
- SAP NetWeaver
- SAP Business One, version for SAP HANA
- SAP Data Hub
- サイレントリリース
- GitHubにテンプレートがある
- 現在4つある
デモ:SAP S/4HANA環境の自動構築
- デプロイメントガイド
- CFnリージョン指定
- CFnパラメータを入力
- VPC
- データベースサーバに対する情報
- SAP ABAPの設定
- オプションで追加のアプリサーバもデプロイ可
- 管理サーバにアクセスするための踏み台サーバの展開
- 1時間半〜2時間半くらいで自動構築される
- オンプレミスだったらベーシスエンジニアをアサインしたり、数週間〜数ヶ月掛かったものが数時間で作成できる
- 必要な時に必要な環境をすぐに用意できる
SAP 4HANAを拡張する
- 7リージョン対応のSAP Cloud Platform on AWS
- 日本(東京)
- オーストラリア(シドニー)
- ブラジル(サンパウロ)
- カナダ(モントリオール)
- ヨーロッパ(フランクフルト)
- ヨーロッパ(オランダ)
- シンガポール
- アメリカ中央
- アメリカ東海岸
- AWS Service Brokerの統合
- SAP Cloud Platform上のService Brokerを通じてAWS上でサービスが構成され、SAP Cloud PlatformからAWSサービスを利用できる
- AWSサービスの展開と管理を一元化
- 現在18のAWSサービスをSAP Cloud Platformから利用可能
- Amazon Simple Queue Service
- Amazon Simple Notification Service
- Amazon Route 53
- AWS Key Management Service
- Amazon Simple Storage Service
- Amazon RDS(MySQL,PostgreSQL,MariaDB)
- Amazon DynamoDB
- Amazon ElastiCache
- Amazon EMR
- Amazon RedShift
- Amazon Athena
- Amazon Kinesis
- Amazon Lex
- Amazon Polly
- Amazon Rekognition
- Amazon Translate
- 現在18のAWSサービスをSAP Cloud Platformから利用可能
デモ:Amazon S3の展開
- サービスマーケットプレイス
- S3の展開
- S3の概要
- インスタンス
- 新規インスタンス作成
- SAP Cloud PlatformからAWS上にサービスが作成・展開される
- データを格納するバケットとログを格納するバケットの2つが作成される
- SAPのアプリエンジニアがAWSのことをよく分からなくても、AWSサービスを組み込んで用意にアプリケーションを開発できる
Amazon S3を中心としたデータレイク
- リレーショナルと非リレーショナルデータ
- エクサバイト規模
- さまざまな分析ツールからアクセス
- 高い費用対応効果
- Amazon S3:1GB/月あたり2.3セントでデータを格納
- Amazon Athena:1GBクエリースキャンあたり0.5セント
- Amazon RedShift:1TB/年あたり1,000ドルから
- 誰でもアクセス可能
- Amazon QuickSight:30分の使用で0.3ドル
- S3にあるデータに対してHANAからクエリを投げられる、RedShiftとの連携も可能
S3を含む18サービスを利用可能
- SQS
- アプリケーションの疎結合化、スケーリングを容易にするために利用
- SNS
- Pub/Subメッセージングおよびプッシュ通知サービス
- SQSと連携しアプリケーション間を疎結合化
- データベースサービス
- データストアの特性に応じて使い分け
- NoSQL
- Amazon ElastiCache
- 低レイテインシー
- インメモリ
- Amazon DynamoDB
- 3拠点間でのレプリケーション
- SSDに永続化
- Amazon ElastiCache
- SQL
- Amazon RDS
- トランザクション処理
- 汎用用途
- Amazon Redshift
- 集計/分析処理
- 大容量データ
- DWH
- Amazon RDS
- NoSQL
- データストアの特性に応じて使い分け
- 機械学習サービススタック
- AIサービス
- Amazon Lex
- Amazon Polly
- Amazon Rekognition
- Amazon Translate
- SAP Cloud Platformからapiを呼び出すだけで機械学習のサービスを利用可能
- MLサービス
- MLフレームワーク&インフラストラクチャ
- AIサービス
- SAP S/4HANAとAWSサービスの直接接続
- SAP OGatewayをAPI Gatewayでwrapすることで18のAWSサービスだけではなく、165ものAWSサービスと連携可能
お客様独自の機械学習モデルを活用した例
- 学習データをS3バケットから取得
- SageMakerを用いて学習モデルを生成
- 学習モデルのエンドポイントを作成
- 商品画像を投稿するとオブジェクトを認識しSAPから製品情報を取得
- WEBアプリケーションから学習モデルのエンドポイントに投げて推論
- API Gatewayを通じてSAP Cloud Platformと連携
デモ
- 物の写真を取る
- 推論のエンドポイントに投げて解析
- ハンマーを認識し、SAPのデータマスターから自動的に製品情報を引き当てる
- いちいちトランザクションしなくて良い
まとめ
- SAP Cloud Platform on AWSを利用することで簡単かつ短期間で強固なプラットフォームに
- SAP Cloud PlatformのService Brokerを使ってAWSとシームレスに統合可能
- Service Brokerで対応できなくともAPI Gatewayを利用して様々なAWSサービスをインテグレーションして利用可能
- ERP+最先端のテクノロジによりSAP Intelligent Enterpriseを実現
- AWSは基盤とイノベーションの両方の面で利用可能