[レポート]金融機関のワークロードを実現するアーキテクチャ #AWSSummit
2018年5月30日(水)〜2018年6月1日(金)の3日間にわたり、 品川にて開催されておりますAWS Summit Tokyo 2018。
こちらで講演されたセッション「金融機関のワークロードを実現するアーキテクチャ」を聴講しましたのでレポートします。
概要
金融機関において AWS の活用は加速しています。データ分析及びデータの管理や、セキュリティ/コンプライアンス対応、リスク分析のためのグリッドコンピューティング環境、そし て、災害対策や事業継続性の考慮など、金融機関のワークロードを AWS で稼働させるための方法やアーキテクチャについて、関連する AWS サービスとともに、事例を交えながらご説明します。
スピーカー
- 瀧澤 与一
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 技術統括本部 ソリューションアーキテクト
※敬称略
レポート
Agenda
- 金融機関のクラウドジャーニー
- 日本の金融機関でのクラウド活用パターン
- まとめ
金融機関のクラウドジャーニー
- 日本の金融機関でのAWS活用は加速度的に増えている
- AWSを採用した理由の一例
- イノベーション促進、スピード向上
- コスト削減とITの最適化、監査の強化
- 大量データ処理と可用性の向上
- セキュリティとAIの新分野対応
- 新事業のためのアジリティ
- AWSを採用した理由の一例
- 金融機関のクラウドジャーニー
- Step1:AWSの評価
- Step2:初回プロジェクト
- Step3:標準化/高速化
- 金融機関でのクラウド活用傾向
- サーバレス(AWS Lmbda)の浸透
- モノリシックな金融機関のシステムをマイクロサービスアーキテクチャに
- コールセンターサービスのクラウド化(Amazon Connect)
- 高速に自動化された次世代のコンタクトセンターの実現
- 既存のワークロードの移行や、新ビジネスをクラウドによって実現
- サーバレス(AWS Lmbda)の浸透
日本の金融機関でのクラウド活用パターン
- 日本の金融機関での典型的なケースの一例
- 市場系、FRTB、CVAなどのリスク分析環境/HPC
- データレイク+機会学習
- 株価配信
- サンドボックス/セキュリティ強化
- IoT活用によるニュービジネス
- レガシーマイグレーション
- 災害対策/DR
- リスク分析環境/HPCにおける要件
- 様々な計算リソース
- 大量のストレージ
- データセキュリティ(環境の隔離やデータの暗号化)
- 必要なときに必要なだけ利用できる
- HPC向けインスタンス
- Cファミリー(C3、C4、C5):CPUのインテンシブな計算に最適
- Rファミリー(R3、R4):プロセスあたりのメモリ要求が高い計算に最適
- Xファミリー(X1、X1e):CPUのインテンシブな計算に最適
- Iファミリー(I3):I/Oインテンシブな計算に最適
- Fファミリー・Pファミリー・Gファミリー:ハードウェアアクセラレータ
- 大規模データ分析 on クラウド
- データをデータレイクに集め、多様な分析につなげる
- 適切な分析技術を選択する
- 分析はスケールアウト(分散処理)可能なインフラの上で
- データレイクの構成例
- プライベートネットワークを構築し、既存システムと接続
- データはAmazon S3に定期的にコピーし、Amazon Redshiftに一括ロード
- 任意の分析ツールで分析
- 株価配信のアーキテクチャ
- トラフィック量の変動への対応
- ダウンタイムゼロ
- 応答時間の性能99.998%以上のリクエストに対して2秒以内に応答
- サンドボックスや本番環境操作端末でのセキュリティ
- ADFS等を使いアカウントの一元管理を行う
- 管理システム用のVPCを用意する
- 管理VPC内の踏み台インスタンスをつかってリソースにアクセスする
- AWSのログ管理、セキュリティ自動化の機能を活用する
- AWS CloudTrail、AWS Configの利用
- 利用者に対するセキュリティトレーニングやガイドラインを準備する
- レガシーマイグレーシ(メインフレームのモダナイゼーションの方法)
- リホスト
- リアーキテクチャ、エミュレータを使った移行
- リエンジニア
- 自動的なコード変換とリファクタリング
- マイクロサービスで再開発
- プラットフォームの再構築
- JavaとLinuxを活用した移行
- リバーチェス
- 新しいパッケージソリューションでコードを置き換える
- リタイア - データ移行はアーカイブし、コードを破棄する
- リホスト
まとめ
- 金融機関では様々なワークロードでAWSの活用が進んでいる
- AWSを活用することで、従来のITの環境の課題を解決しイノベーティブなIT環境を実現できる
- 多くの実績や、お客様の体験により、新しいアーキテクチャが生まれている
さいごに
金融機関でも積極的にAWSを利用していることがわかりました。
エンジニアとして、金融機関等のエンタープライズアーキテクチャも設計できるようになりたいですね!