AWS User Notifications で Organizations 配下全アカウントの AWS Health 通知を委任したアカウントで集約する手順

AWS User Notifications で Organizations 配下全アカウントの AWS Health 通知を委任したアカウントで集約する手順

Clock Icon2025.06.30

はじめに

AWS User Notifications の組織設定により、Organizations 配下の全アカウントの AWS Health 通知を一元管理できます。管理アカウントからメンバーアカウントへ管理者を委任、AWS User Notifications 設定手順を一気通貫で紹介します。

当初は Microsoft Teams への通知を想定していました。しかし Teams 側の権限がなかったため、今回は Slack での設定例を紹介します。Teams での設定方法についても、補足として触れています。

全体の構成

AWS User Notifications では、AWS 管理通知で AWS Health イベントが提供されています。Organizations 環境下では、各 AWS アカウントの AWS Health 通知を集約、重複する内容は削除した上で通知できます。今回は通知先として、Slack または、Teams を想定しています。

AWS 管理通知についての詳細は以下の記事を参照ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/aws-health-managed-notifications-ga/

AWS 管理通知のカテゴリについて

AWS 管理通知では、以下のカテゴリごとに通知設定が可能です。AWS Health ダッシュボードのカテゴリ(Issues など)と同じカテゴリ分けではありませんのでご注意ください。

  • Security: セキュリティ関連の AWS Health イベント
  • Health Operation: 業務影響のある AWS Health イベント
  • Account-Specific Issues: アカウント固有の AWS Health イベント。メンテナンス通知等が該当
  • Billing Notification: 請求に関する AWS Health イベント

組織設定と管理者権限をメンバーアカウントへ委任

AWS User Notifications の組織設定により、全メンバーアカウントの AWS 管理通知を集約できます。一番嬉しいところは、アカウント間での AWS 管理通知の重複排除を行ってくれます。

加えて、マルチアカウント管理のベストプラクティスに従って、AWS User Notification の管理者権限を特定のメンバーアカウントに委任します。委任については以下の記事を参照ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/multi-account-tips-delegated-administrator/

前提条件

AWS Organizations の管理アカウントへのアクセス権限と、各種設定できる権限が必要です。

AWS User Notifications で組織設定を有効化

管理アカウント上の操作

AWS User Notifications のコンソールにアクセスします。組織設定を有効化します。「信頼されたアクセスを有効にする」をクリックして組織設定を有効にするだけです。

AWS User Notifications組織設定

組織設定が有効化されると、Organizations 配下の全アカウントの通知が集約されます。

組織設定詳細画面

管理委任の設定

管理アカウント上の操作

「管理者を追加」をクリックします。

AWS_User_Notifications___Global-4-2.png

委任する AWS アカウントの ID と、メールアドレスを入力するだけです。

管理委任設定

委任管理者に追加されました。これで管理者の委任設定は完了です。

Chatbot設定画面

AWS User Notifications の通知設定

委任管理者となったメンバーアカウントで通知設定を行います。ここでは例として通知先は Slack とします。Teams の場合も設定の流れは同じです。

前提条件

Slack、Teams への通知を許可するために、Slack または Teams 側でリクエストを許可できる権限が必要です。

Amazon Q Developer in chat applications の設定

委任管理者のメンバーアカウント上の操作

先に Slack への通知設定を用意します。Slack への通知は、Amazon Q Developer in chat applications(旧 AWS Chatbot)を利用します。まずはコンソールにアクセスします。

チャットクライアントの設定

初回であればトップページからチャットクライアントを選択します。

Chatbot詳細設定

もしくは、新しいクライアントを設定から選択してください。

設定済みクライアント___Amazon_Q_Developer_in_chat_applications__旧称__AWS_Chatbot____Global.png

権限のリクエストを許可します。

Cursor_と_Amazon_Q_Developer_がワークスペースにアクセスする権限をリクエストしています___Classmethod_B_Slack.png

設定画面から接続したワークスペースの状態が有効化になれば完了です。

Cursor_と_Slack__Classmethod_B___Amazon_Q_Developer_in_chat_applications__旧称__AWS_Chatbot____Global.png

Slack チャンネル設定の作成

「新しいチャネル設定を設定」をクリックします。通知先チャンネルを指定します。通知を受信したい Slack チャンネルを選択します。必要な IAM ロールを設定します。

チャンネル詳細設定

Slack チャンネルの設定が完了すると、設定内容が表示されます。これで設定完了です。

Slack設定完了

補足:Microsoft Teams への通知設定について

Slack での設定例を紹介しました。Microsoft Teams への通知も同様に設定可能です。今回は Teams 側の権限設定ができなかったため実際の設定は行えませんでした。設定画面は以下のような形になります。

Teams通知設定例

取得したリンクを設定します。

Slackチャンネル設定作成

この後に権限のリクエストが行われ、許可する必要があります。Teams の権限不足で私は先に進めませんでした。

AWS User Notifications に配信チャネルを追加

委任管理者のメンバーアカウント上の操作

AWS User Notifications を開き、左ペインから AWS マネージド通知サブスクリプションをクリックし設定ページを開きます。AWS Health 通知を有効にするをクリックします。

Slackワークスペース設定

サブスクリプションを管理から、配信チャンネルの設定を追加します。例で Health Operation の設定画面のキャプチャですが、他のサブスクリプションも同様です。配信チャンネルの追加をクリックします。

配信チャネル設定

チャットチャンネルに先ほど Amazon Q Developer in chat applications で作成した通知先が表示されるので選択します。

通知設定確認

設定した配信チャネルが正しく表示されていることを確認します。

最終設定確認

最終的には必要なサブスクリプションに配信チャネルが適切に設定されていることを確認して、設定完了です。

動作確認

通知センターでの確認方法

設定完了後は、AWS コンソール上部のベルアイコンの通知センターで確認できます。通知センターでは以下の 3 つのタブで通知を整理して確認できます。

  • 最新: すべての新しい通知
  • ユーザー設定: 手動で設定した通知
  • AWS マネージド: AWS Health イベント等の自動通知

通知があれば表示されます。

Cursor_と_AWS_User_Notifications___Global-2.png

Slack 通知内容

まとめ

Organizations 全体の AWS Health 情報を効率的に確認できます。重複した通知内容の削除機能により、ノイズのない運用が実現できます。動作確認結果については、確認でき次第更新いたします。

参考

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.