[アップデート]AWS BackupがAmazon FSxに対応しました

2020.11.11

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はじめに

こんにちは。大阪オフィスの林です。

2020年11月9日(月)のアナウンスにて「AWS BackupがAmazon FSxに対応した。」と発表がありました。公式ページはこちら
このアップデートによって、本ブログ執筆時点(2020年11月11日時点)で東京リージョンのAWS Backupは、8種のAWSリソースタイプのバックアップをサポートすることになります!

  • RDS
  • Aurora
  • DynamoDB
  • EC2
  • EBS
  • EFS
  • Storage Gateway
  • FSx(今回のアップデートで対応)

さっそく試してみました!

Amazon FSx標準のバックアップじゃダメなの?

検証の前に、この観点だけ一度考えておきたいと思います。

結論、要件次第でAmazon FSx標準のバックアップをご利用いただいて何ら問題無いと考えます。
AWS Backupを使うシーン(要件)としては、バックアップデータのリージョン間コピーの要件がある場合など、AWS Backupのバックアップルールを使う方が効率的に実装できたりします。
また、Amazon FSx標準のバックアップでは保持期間の制約として「最小 1 日、最大 90 日」という制約があるため、Amazon FSx標準バックアップの最大保持期間以上のバックアップを保持したい要件がある場合などに、AWS Backupを使ったAmazon FSxのバックアップが使えそうです。

本アップデートの(個人的な)総括

  • バックアップデータのリージョン間コピーの選択肢として有効
  • Amazon FSx標準バックアップの最大保持期間を超えてバックアップデータを管理したい場合に有効

やってみた

今回は「Amazon FSx for Windows」で検証していきたいと思います。(Amazon FSx for Lustreでも同じような手順でバックアップリストア出来ると思いますが未検証です。)

オンデマンドバックアップ

任意のEC2でAmazon FSxで作成したファイルシステムをマウントしている状態からスタートします。(Zドライブでマウントしています。)

AWS Backupのダッシュボードから、「オンデマンドバックアップを作成」を選択します。

設定内、下記パラメータを指定します。

項目
設定値
リソースタイプ FSx
ファイルシステムID [バックアップ対象のIDを選択する]

その他はデフォルトで「オンデマンドバックアップを作成」を選択します。

「ジョブ」の画面に遷移します。ステータスが「実行中」となりバックアップの取得が開始しました。

ステータスが「完了」となりバックアップの取得が完了しました。(ほぼ空っぽのファイルシステムで10分~20分程度掛かりました。)

ここまででバックアップの取得は完了です。ルールを作成してあげることでスケジュールバックアップも同じように取得することができます。

リストア

それではリストアもやっていきたいと思います。
AWS Backupのダッシュボードから、「保護されたリソース」-「リソースID」を選択します。(リソースIDは上記で取得したバックアップのIDを選択します。)

復旧ポイントを選択し「復元」を選択します。

幾つかパラメータを指定することができます。今回は「ファイルシステム名」のみ入力し、その他はデフォルトで進めます。(基本的にデフォルト値はバックアップを取得したファイルシステムの設定が反映されています。変更不可のパラメータもありますが、必要に応じてパラメータを設定します。)

画面下部の「バックアップを復元」を選択します。

「ジョブ」の画面に遷移します。ステータスが「実行中」となりリストアが開始しました。

Amazon FSx側のダッシュボードを見てみると、同じように作成(リストア)が開始したように見えます。

AWS Backup側のダッシュボードに戻ると、ブランクだった「リソースID」と「リソースタイプ」に値が入ってきます。もう少し待ちます。

ステータスが「完了」となりリストアが完了しました。(ほぼ空っぽのファイルシステムで30分~40分程度掛かりました。)

Amazon FSx側のダッシュボードを見てみると、ステータスが「利用可能」となりました。

リストア後はファイルシステムのDNS名が変わるので、変更後のDNS名で改めてマウントしたところ、バックアップを取得した時のデータが確認出来ました。

もちろんファイルの書き込みも出来ます。

注意点

リストア時にファイルシステムのDNS名が変わるので、デフォルトのDNS名を使用している場合は、再マウントが必要になります。この辺りはAmazon FSxで設定するDNSエイリアスで回避できる部分かもしれません。DNSエイリアスについては下記ブログを参照頂ければと思います。

また、Amazon FSxを作成すると、デフォルトでAmazon FSx標準のバックアップが「有効」になっています。Amazon FSxのバックアップは容量に応じた従量課金となるため、AWS BackupでAmazon FSxのバックアップを取得する場合は、明示的に「無効」にしておきましょう。

まとめ

AWS BackupでサポートされるAWSリソースがだんだんと増えてきましたので、バックアップの統合管理がますます捗りそうです!

以上、大阪オフィスの林がお送りしました!