[レポート]経営者が語る!ケイト・スペードのAWS 全面構築事例~ERPを含めたAWS移行の経緯、ポイント~ #AWSSummit
日々の業務お疲れ様です。城内です。 今回は、 AWS Summit Tokyo 2015のMC-04セッションのレポートです。
セッション情報
- セッション名:経営者が語る!ケイト・スペードのAWS 全面構築事例~ERPを含めたAWS移行の経緯、ポイント~
- スピーカー:株式会社ケイト・スペード ジャパン 取締役副社長/COO 竹林朋毅氏
セッション内容
プロジェクト概要
- システム完全刷新とAWS移行
- 全社ネットワーク刷新
プロジェクト実施のきっかけ
- 資本変更をきっかけにシステムを自前で持つ必要が出てきた
- 現行システムを借用している2年間の間に変更する必要があった
チャレンジ
- システムの全面刷新(POSからバックエンドのシステムまで全て)
- 期間が2年間
- システム担当が一人しかいない
- 130億円規模の企業である
「Lean」に新しい要素を求めた
- ビジネスの成長スピードについていけるIT(3年で2倍) →成長に合わせたキャパシティ
- 人手をかけないIT →メンテナンスだけに手間をかけられない
- コストのかからないIT →店舗や人にコストをかけなければならない
- 短期間で構築できるIT →ベンダーの決定から1年強
結果・・・パッケージ製品を検討することにした
選定の中心は基幹システム
- 新システムへの高い期待
- 選定にキーユーザを参加させた
- 6社を比較
- 60以上の項目で評価 →親会社の厳しい基準をクリアするため
パッケージ:Infor M3
- アパレル業界に豊富な実績
- 使いやすさ
- ほぼノンカスタマイズ
- 日本国内でのサポート
ベンダー:JMAS
- ワンストップ
- 業務要求への理解
- AWSでのインフラ提案
- 親会社への対応
大きな懸念はなかった
JMASから事前に以下のような説明があったため、大きな懸念はなかった。
- セキュリティ→多くの第三者認証を得ている
- パフォーマンス→多少なスペックがある
- よく落ちる→SLAによる保証、設計でカバーできる
- コスト→初期費用を大幅に圧縮、運用を含めると安い
さらに、JMASの運用、US側の理解が安心に繋がった。
実際に導入してみて
- プロジェクト全体で大きなトラブルなし
- AWSの柔軟性、スピードの貢献が想像以上、コストダウン(30%以上)
- Infor M3では自動化、効率化が実現できた、柔軟性が高い(フォワーダーとの繋ぎこみが容易、USの勘定体系に合わせられた)
- JMASがスムーズにUSと連携して対応してくれた、ワンストップの強み
成功のキーポイント
- 早い段階からのキーユーザの参加
- Spade Standardプロジェクトとして業務の整理を行っていた(MUJIGRAMに感化)
- ベンダーの献身的なサポート
- AWSという柔軟な基盤
結果・・・企業価値向上のための基盤が整った
今後について
- オムニチャネル
- 店頭でのIT活用
- ビジネス多様性UP
- データ分析強化
感想
キーユーザを早い段階からプロジェクトに参画させることやパッケージをカスタマイズしないなど、分かっていてもなかなかうまく実施できないアクションをうまく実施しているという点に感心しました。また、JMASさんの対応がとてもよかったということで、やはりお客様がビジネス要件に集中するということを目指すのであれば、それ以外の部分をベンダーやSIerがうまく調整するがあるべき姿かと思いますが、これもまたなかなかうまくできない部分で、それをうまくこなしたというのがすごいなと思いました。