Azure Native ISV Services を使って既存 Datadog 組織をリンクさせてみた

Azure Native ISV Services を使って既存 Datadog 組織をリンクさせてみた

Clock Icon2025.02.10

いわさです。

昨日、Azure Native ISV Services の機能を使って新規 Datadog 組織を作成しました。

https://dev.classmethod.jp/articles/azure-native-isv-datadog/

この機能は Datadog アカウントを所持していない状態からまとめて作成ができるのですが、初手からプロプランで作成されてしまいます。
Datadog には Free プランや、無料トライアルなど柔軟な料金プランが存在しているのにこれはちょっともったいないなと思いました。なにか設定で回避できるのだろうか。

このあたり、Datadog 側のドキュメントには丁寧に記載がありました。

https://docs.datadoghq.com/ja/integrations/guide/azure-native-manual-setup

結論としては新規 Datadog を同時に作成するモードの場合は試用版は使えないようです。また、Datadog のドキュメントによると既存の Datadog 組織へ Azure サブスクリプションをリンクさせる方法がより一般的なアクションだとのこと。

Azure に Datadog リソースを作成するには、2 つのオプションがあります。

  1. 既存の Datadog 組織へリンク。より一般的なアクションです。まだリンクしていない Azure サブスクリプションを監視するよう Datadog 組織を構成するには、このオプションを使用します。このアクションは、Datadog の請求プランに影響しません。

  2. 新しい Datadog オーガニゼーションを作成。このフローは、あまり一般的ではありません。まだ Datadog オーガニゼーションをお持ちでなく、Azure Marketplace を通じて有料プランを始める場合はこのオプションを使用します。新しい Datadog オーガニゼーションを作成し、請求プランを選択して、関連する Azure サブスクリプションをリンクして監視できます。

ということで、今回は前回よりもより一般的であろう、既存 Datadog 組織をリンクさせる方法を試してみます。

Datadog 組織を用意

手順は割愛しますが、前提として Datadog へのサインアップが完了している状態です。

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Azure でリンク

つづいて Microsoft Azure 側に Datadog 組織をリンクさせます。
前回と同様にマーケットプレイスから「Datadog - An Azure Native ISV Service」を選択します。

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作成時に既存アカウントのリンクか、新規アカウントを作成するか選択できるので、今回は既存アカウントをリンクさせる「Link Azure subscription to an existing Datadog org」を選択します。

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前回と異なり、今回は既存アカウントの情報を渡す必要があります。
Datadog organization details の「Link to Datadog organizations」ボタンを押しましょう。

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ダイアログが表示され Datadog のサイン画面にリダイレクトされるので、サインインしてアクセス許可をします。

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リンクが完了したらあとは普通にリソース作成をするのですが、新規作成時と一点異なる点がありました。
シングルサインオンオプションはリンク時には選択ができないようになっていました。別途追加の設定が必要です。

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AP1 - Japan の組織をリンクしようとすると...

先ほどの構成画面で気になった方もいると思いますが、Datadog site の表示が US3 になっていましたね。
結論から言うと、この Azure Native ISV Services を使って Datadog と統合を行う場合、US3 の組織しかリンクが出来ません。

以下の AP1 のドキュメントでも言及されています。

Azure ネイティブインテグレーションは、Datadog の US3 サイト上の組織でのみ利用可能です。別の Datadog サイトを使用している場合は、Azure サブスクリプションへの読み取り権限を持つアプリ登録を作成する手順について、Azure マニュアルセットアップガイドを参照してください。

https://docs.datadoghq.com/ja/integrations/guide/azure-native-manual-setup/?tab=link&site=ap1

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試しに AP1 サイトで Datadog 組織を作成し、Azure Native ISV Services からのリンクを試みてみました。

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結果は、Azure 側のデプロイ操作が何時間も続き、完了しなくなりました。
US3 のみ利用可能であるという点に気をつけましょう。

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使ってみる

リンクされたあとの様子を確認してみましょう。
まず、概要メニューですが、ステータスが前回とことなり「Billded by Datadog」となっていました。
リンクした時点では料金支払について Azure サブスクリプションとは連携されおらず、Datadog 側で支払う必要があるということです。

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また、上記の「Bill via Marketplace」ボタンを押すと、次のように Azure Marketplace 経由での支払いに切り替えることが出来そうでした。この時 Datadog 側のプランが変更されるのか気になりましたが確認出来ていません。

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Azure Marktplace 経由の支払いに切り替える前は次のように「Connected Datadog Resources」でもひも付きがされていない状態であることを確認しています。なるほどね。Azure コミットメントが必要な場合はこのあたりの連携必要そうですね。

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支払いを Azure Marketplace 経由にするかどうかはオプションです。
それを行わない場合でもリソースの統合自体は次のようにされていました。

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最後に Datadog 側のコンソールも軽く見ておきます。
Azure 用のデフォルトダッシュボードがいくつか自動作成されていますね。リンク前のアカウントには存在しなかったものです。

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また、プランについては試用版が設定されており、Free プランへのダウングレード、オプションの追加などができる状態になっていました。
柔軟な料金プランの選択を行いたい場合は今回の方法を使ったほうが良さそうですね。

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さいごに

本日は Azure Native ISV Services を使って既存 Datadog 組織をリンクさせてみました。

より柔軟な料金プランを選択したい場合などは今回の方法を使ったほうが良さそうですね。Datadog 公式ドキュメント上も「一般的」と説明されていますし。

ただし、Datadog サイトが US3 固定なんですよね。ここだけ気になりますね。
そうなるとデータ保存先などの関係で今回の方法が採用できない場合もありそうです。

Azure Marketplace 経由の支払いに切り替えれると Azure Consumption Commitment (MACC) などの Azure 利用料金コミットメント目的での採用もできるので悩ましいところです。AP1 サポートの需要はありそう。

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