Google の会話型 Generative AI である Bard が日本から利用可能になったので試してみました!

Google の会話型 Generative AI である Bard が日本から利用可能になったので試してみました!

waitlist に登録して 20 分で使えました
Clock Icon2023.04.19

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ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。

近頃は Transformer をベースとした Generative AI が話題ですが、Transformer の生みの親である Google も Bard を展開をしています。アメリカとイギリスのみで提供を開始していたのですが、日本から利用可能になっていたのでレポートします!

Google Bard

Bard は現在の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)のブームの発端となった Transformer の生みの親である Google が提供している LLM であり会話型の AI です。今まではアメリカとイギリスで提供されていましたが日本での提供が開始されました。Bard は実験的機能(Experiment)として提供されておりLaMDAを元に実装されています。

LaMDA が元になっていますが、最近はPaLMの一部を組み込んで数学と論理の機能を改善しているようです。

Hope you’ve had a chance to start testing out Bard! We’re constantly working on developing new features for it - today I wanted to share that we’ve improved Bard’s capabilities in math and logic by incorporating some of the advances we’ve developed in PaLM. /1 pic.twitter.com/RNMC5S9cRU

— Jack Krawczyk (@JackK) March 31, 2023

FAQ

FAQ には様々な項目がありますが、気になった内容を一部抜粋します。詳細は元ページを参照ください。

Q:Bard は正確で安全な回答を行うか?

A:Bard は実験的なものであり不正確な回答もあるため、回答の情報をダブルチェックしてください。

Q:Bard がサポートしている言語は何か?

A:現在アメリカ英語のみ利用できるが、多くの言語を話せるように取り組んでいます。

Q:何故 Bard は以前の会話で言ったことを覚えていないのか?

A:現在文脈を保持する能力を意図的に制限しています。Bard の学習を継続して、より長い会話で文脈を保持する能力が向上していくでしょう。

Q:Bard はいくつの言語をサポートしているか?

A:現在 Bard はアメリカ英語のみ利用可能です。しかしできる限り多くの言語を話せるように努めています。

Q:誰が Bard の会話にアクセスできるか?

あなたのプライバシーを真剣に捉えて個人情報を誰にも販売することはありません。プライバシーを保護しながら Bard の改善に役立てるため、会話の一部を自動化ツールを使用して個人を特定できる情報を削除します。これらの会話のサンプルはトレーニングを受けたレビュアーが確認でき、Google アカウントとは別に最大 3 年間保持されます。

Bard の会話にはあなたや他の人を特定できる情報を含めないでください。

Q:Google アカウントからデータを削除できるか?

はい、Bard であなたのデータを管理するリンクがあります。Bard activity の管理と削除を行う方法 。Bard activity の保存はいつでもオフにできて、myactivity.google.com/product/bard でいつでもアカウントから Bard activity を削除できます。Bard activity がオフでも、サービスを提供してフィードバックを処理するために会話は短期間アカウントに保存されます。このアクティビティは Bard activity に表示されません。

Q:Bard の会話は広告目的で使用されるか?

Bard の会話は広告目的で使用されておらず、今後このアプローチに変更がある場合には明確にお伝えします。

プライバシーとセキュリティの原則を読むと、ユーザーのデータプライバシー、安全、セキュアに保つ方法を理解頂けます。Google アカウントにアクセスして、データを保護しプライバシーを守るための設定をツールにアクセスできます。

やってみる

さっそく実際に試してみます。

waitlist へ登録

個人の Goofle アカウントにログインした状態でhttps://bard.google.com/ にアクセスして右下のJoin waitlistをクリックします。なお企業向けアカウントである Google Workspace のアカウントでは登録できないので注意してください。

プライバシーポリシーを確認してチェックボックスをチェックしてJoin waitlistをクリックします。

これで waitlist に登録されました。

これで一定時間待つと Bard が利用できます。私の場合は 20 分程度で利用可能になりました。なおメールが届くと書かれていますが、現時点でもメールが届いていません。。。

Bard に触ってみる

それでは Bard に触ってみます。FAQ に書かれている通り現時点ではアメリカ英語しか使用できないので注意してください。英語が不得意な私は Google 翻訳を駆使してがんばります。

Bard に聞いてみる

まずはクラスメソッドの本社の場所を聞いてみます。プロンプトは『Where is the Classmethod headquarters located?』です。

すると最近引っ越した日比谷フォートタワーの住所が出てきました。クラスメソッドの本社移転のお知らせは2022年11月01日に公開されているので、Bard は2022年11月01日以降の情報を利用できていることが分かりました。

Classmethod has several offices around the world, but its headquarters is located in Tokyo, Japan. The address is:

Classmethod, Inc.

26F Hibiya Fort Tower

1-1-1 Nishishimbashi

Minato-ku, Tokyo

105-0003

Japan

回答の右上にView other draftsと書かれているのでクリックしてみます。すると他の回答案も出てきます。

Draft 2 の回答を見てみます。

The Classmethod headquarters is a modern office building with a variety of amenities, including a rooftop garden, a gym, and a cafeteria. The office is home to over 300 employees, who work on a variety of projects related to cloud computing, DevOps, and software development.

Classmethod is a leading provider of cloud computing services in Japan. The company offers a wide range of services, including consulting, implementation, and support for AWS, Azure, and Google Cloud Platform. Classmethod also offers a variety of training and certification programs for cloud computing professionals.

Classmethod is a privately held company that was founded in 2006. The company is headquartered in Tokyo, Japan, and has offices in several other countries, including the United States, Canada, Europe, and Asia. Classmethod has over 300 employees and serves a wide range of customers, including Fortune 500 companies, government agencies, and startups.

Google 翻訳による日本語訳は以下の通りです。

Classmethod の本社は、屋上庭園、ジム、カフェテリアなど、さまざまな設備を備えた近代的なオフィスビルです。 このオフィスには 300 人を超える従業員がおり、クラウド コンピューティング、DevOps、ソフトウェア開発に関連するさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。

Classmethod は、日本におけるクラウド コンピューティング サービスの大手プロバイダーです。 同社は、AWS、Azure、Google Cloud Platform のコンサルティング、実装、サポートなど、幅広いサービスを提供しています。 Classmethod は、クラウド コンピューティングの専門家向けのさまざまなトレーニングおよび認定プログラムも提供しています。

Classmethod は 2006 年に設立された非公開企業です。同社は日本の東京に本社を置き、米国、カナダ、ヨーロッパ、アジアなど、他のいくつかの国にオフィスを構えています。 Classmethod には 300 人を超える従業員がおり、Fortune 500 企業、政府機関、新興企業など、幅広い顧客にサービスを提供しています。

うーん、日比谷フォートタワーは最近できたビルですが、残念ながら屋上庭園やジムは無いですね。。。カフェテリアは今作っているところです。またクラウド コンピューティングを扱っていますがプロバイダーではないですね。弊社は AWS や Google Cloud Platform に関するサービスを手掛けていますが、現在のところ Azure についてはあまり例がありません。創業は 2004 年です。全体的に惜しい!

Draft 3 の回答も見てみましょう。

午前9時から午後6時までオープンしていると書かれていますが、弊社の就業時間は午前9時30分から午後6時30分です(フレックス制なのであまり意味のない時間ではありますけど)。また電話番号が書かれていましたが誤っていました。

全体的に良い回答ですが、細かい部分で齟齬があるようです。

回答の下の方には、回答が良かったか悪かったかの評価や回答の再作成などと一緒にGoogle itというボタンがあります。日本語で言うと『ググる』ですね。クリックしてみましょう。

検索する文章が出てきます。ここでは『Classmethod headquarters』をクリックします。

新しいタブが開き、Google で検索できます。Bard の回答だけで分からない場合には検索して、元情報も見られます。

では、次に札幌オフィスの場所を聞いてみましょう。プロンプトは『Where is the Sapporo office located?』です。

良い感じに回答が来ています。『1-1-1 Kita 3-jo Nishi 1-chome』となっていて西1丁目と 1−1−1 が重なってしまっていますが、場所は判断できます。また FAQ では以前の会話を覚えていないと書かれていましたが、直前の内容などであれば問題ないようです。

物は試しで日本語でも聞いてみます。プロンプトは『大阪オフィスの場所はどこですか?』です。

やっぱり現時点では日本語に対応していませんね。早く日本語にも対応してほしいです。

I am an LLM trained to respond in a subset of languages at this time, so I can't assist you with that. Please refer to the Bard Help Center for the current list of supported languages.

Google 翻訳による日本語訳は以下の通りです。

私は現在、言語のサブセットで応答するように訓練された LLM であるため、それについてはお手伝いできません。 現在サポートされている言語のリストについては、Bard ヘルプ センターを参照してください。

Bard Activity を確認する

右のメニューのBard Activityをクリックして Bard Activity を表示します。

Bard のアクティビティが表示されます。こちらは日本語で確認できます。初期は Bard のアクティビティがオンになっています。保持したくない場合には、まずBard のアクティビティをクリックします。

会話の箇所をクリックすると、会話の詳細が表示されます。会話を行った時刻と使用された LLM のモデルなどが表示されています。現在は LaMDA が使用されていることが分かります。

保持したくない場合にはBard のアクティビティをクリックした先の画面でオフにします。Bard のアクティビティがオフになっている場合でも、スレッドは最長で 48 時間アカウントに保存される場合があるようです。私はこのままオンの状態しておきます。

これまでの会話の情報を削除したい場合には削除をクリックします。すると削除のダイアログを表示されるので、削除する期間を指定して会話を削除します。

削除を行う場合には確認のダイアログが出てくるので削除をクリックします。

さいごに

Google には義理もあるので、個人的に Google Bard にとても期待しています。正直現時点ではまだまだな部分も散見されますが、実験的な機能として提供されているので本格的に提供される時には、素晴らしいものになっていることでしょう。Google Cloud Platform で、今後 Vertex AI の Generative AI がサポートされたり、 Generative AI App Builder によるバットやチャットインタフェースをコードを必要とせず構築できるようになると発表されています。今後の発展に期待しています。

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