【書評】 Amazon Bedrock AgentCore 実践入門 ─ AWSでAIエージェントを構築・運用するための一冊

【書評】 Amazon Bedrock AgentCore 実践入門 ─ AWSでAIエージェントを構築・運用するための一冊

Amazon Bedrock AgentCoreの実践入門書が2026年5月29日に発売されます。本書の魅力を、実際に全章を読んだ視点からお届けします!
2026.05.27

はじめに

こんにちは、Amazon Bedrock AgentCoreが大好きなコンサル部の神野(じんの)です。

今回は2026年5月29日に発売される書籍『Amazon Bedrock AgentCore 実践入門』をご紹介します!

https://www.sbcr.jp/product/4815641238/

ありがたいことに、本書のテクニカルレビュワーとして執筆段階から原稿を拝読する機会をいただきました。レビュー中に何度も大好きなAgentCoreの知識が凝縮されていてすごい本だ・・・と感じていました。

書評ブログは初めて書くのですが、実際に全章を通して読んだ一人として、率直な感想をお届けできればと思います!

書籍の概要

項目 内容
書籍名 Amazon Bedrock AgentCore 実践入門[AWS深掘りガイド]
著者 御田 稔さん(みのるん)(@minorun365)、熊田 寛さん(@hedgehog051)、森田 和明さん(@moritalous
出版社 SBクリエイティブ
発売日 2026年5月29日
価格 3,960円(税込)
ページ数 448ページ
ISBN 978-4-8156-4123-8

著者の3名は、ベストセラーとなった前作『Amazon Bedrock 生成AIアプリ開発入門』の著者でもあります。

生成AI・AIエージェント領域において第一線で活躍されている方々でいつも尊敬しています。最初に「Amazon Bedrock 生成AIアプリ開発入門」を読んだ時は、私はBedrock何もわからん状態で本を通じて分かりやすくキャッチアップできたので勝手にお三方を憧れの存在だと思っていました。そんな皆様の後継の本をレビューさせていただくなんて夢にも思っていませんでしたし、こんな日が来るなんて本当にありがたいです。

想定読者

本書のカバーには「本書の対象読者」として、以下が記載されています。

  • AWSで効率的に構築する手法を学びたい方
  • 高性能なAIエージェント開発に挑戦したい方
  • ハンズオンで学びたい方
  • 全体の仕組みから体系的に学習したい方

ITエンジニアや開発者が主な対象ですが、AIをきっかけに内製開発に興味を持った方にも配慮された構成になっています。サンプルコードも多く、ChatGPTなどはWeb検索機能などもあるのでAIを活用しながら進めていけば普段開発をしない方でも着実に理解しながら進めていけます。実際に作ってみるのが何よりも学びになります。

サンプルコードのレポジトリも用意されているので、ガンガン参考にして自分で作る際の参考にしちゃいましょう!

https://github.com/minorun365/agentcore-book

目次

全4部・16章+付録という構成です。

第一部 基礎編

  • 第1章 生成AIの基本と Amazon Bedrock 入門
  • 第2章 AIエージェント入門

第二部 Strands Agents 編

  • 第3章 Strands Agents 入門
  • 第4章 【ハンズオン】リサーチエージェントを作ろう

第三部 AgentCore 編

  • 第5章 AgentCore の概要とメイン機能「ランタイム」
  • 第6章 記憶を管理する「メモリー」
  • 第7章 外部認証を制御する「アイデンティティ」
  • 第8章 ツールを束ねる「ゲートウェイ」
  • 第9章 ツール利用を制御する「ポリシー」
  • 第10章 クラウドならではの「組み込みツール」
  • 第11章 運用状況を可視化する「オブザーバビリティ」
  • 第12章 品質を自動評価する「評価」
  • 第13章 【ハンズオン】フルスタックエージェントを構築しよう

第四部 応用編

  • 第14章 RAGで社内データをエージェントに活かそう
  • 第15章 【ハンズオン】アンビエントエージェントをCDKで作ろう
  • 第16章 AIエージェントを業務に導入しよう

付録

  • 付録1 AWSアカウントの準備
  • 付録2 開発環境の構築
  • 付録3 Bedrockのサービスクォータ

第三部の AgentCore 編だけで全体の約4割を占めています。タイトルに「AgentCore 実践入門」と銘打っているだけあって、AgentCore の各機能に対して1章ずつ丁寧に割かれているのが特徴です。

個人的なおすすめポイント!

フルカラーで図解が豊富でとにかくわかりやすい

本を読んでいくと真っ先に感じるのが図解の多さと質の高さです。

AgentCore は機能が多岐にわたり、それぞれの機能自体、また関係性を整理するのがなかなか大変です・・・

本書ではこれらの概念をオリジナルの図解で丁寧に説明してくれているため、各機能がどう機能するのか、どう連携するのかが直感的に掴めます。

公式ドキュメントだけでは理解しづらい部分も、図と文章がセットになっていることで「あ、こういうことか」とスッと頭に入ってくるのでとても助かります。

本当に直近のアップデートまで追いかけている

このアップデートまで取り込まれているのか・・・と感じる内容が多々盛り込まれています。これは単純にすごいなと思いました。

AgentCore や Strands Agents は急速に進化しているサービスですが、本書は最新のアップデートを取り込み続けています。AgentCore Payments(エージェントからの決済機能)や AgentCore Optimization(評価結果に基づく継続改善)、Gateway の HTTP ターゲット対応、Identity の OBO(On Behalf Of)フローといった新機能をコラムや本文に反映していて、著者の方々の執念を感じました。

この分野は変化が本当に速いので、2026年5月時点で体系的にまとまっていること自体がとても価値あることだと思いますし、これ以上追従している本は他にありません。

ハンズオンがSaaS連携まで踏み込んでいる

ここは個人的にイチオシです!

本書の第13章では、Google Calendar APIとOAuth連携するカレンダーアシスタントを構築し、AgentCore Identity でクレデンシャル管理を行い、Next.js + Amplify でフロントエンドまでデプロイするという、本当に「フルスタック」なハンズオンを体験できます。

実際に業務でAIエージェントを導入しようとすると、フロントエンドの実装や外部SaaSとの認証連携は避けて通れない課題です。そこに正面から向き合っているハンズオンは、他の書籍やWebの情報ではなかなか見かけません。特にIdentityを活用した3LOは難解ではあるのですが、このハンズオンはかなりわかりやすく噛み砕いているため理解して構築することができます。

フロントエンドもモダンなUIで作られているので、実際の業務に盛り込めるような作りで良きです。

各部の見どころ

第一部 基礎編 ─ AIエージェントの全体像を掴む

第1章では生成AIとAmazon Bedrockの基本から始まり、Converse API / ConverseStream API を使ったハンズオンまで含まれています。Bedrockに初めて触れる方でも安心して読み進められる構成です。

第2章のAIエージェント入門では、ReActパターンやエージェントの設計パターン、MCP / A2Aプロトコルといったよく登場する標準規格まで手広く解説されています。図解も多くわかりやすいのでここだけでも「AIエージェントとは何か」の全体像がかなりクリアになりますね。

第二部 Strands Agents編 ─ フレームワークを理解する

Strands Agents の基本的な使い方から、マルチエージェントパターンの実装まで段階的に学べます。

第4章のハンズオンでは Swarm パターン(マルチエージェント同士が協調するパターン)を使ったリサーチエージェントを構築します。PlanAgent / WhatsNewSearchAgent / RetrievalAgent / ReviewAgent / OrchestratorAgent の5つのエージェントが協調して動く仕組みは、エージェント同士が疎通してアウトプットを出す様が近未来的で面白いです。Swarm のこういった実践的なサンプルは少ないのでとても参考になります。モデルをOpus、Sonnet、Haikuとエージェントの役割に応じて使い分け、コストを抑えるためのプロンプトキャッシュを設定しているのは実践的なポイントだなと感じます。

第三部 AgentCore編 ─ 本書の核心

本書で最も厚いパートであり、AgentCore の8つの機能を1章ずつ解説しています。

各章の構成が統一されていて、概念説明→コード例→料金体系という流れで整理されています。料金についても各章で触れてくれているのは使ってみたいけどコストが・・・とはならないので嬉しいポイントです。

この本でも語られているようにAgentCoreは多機能にわたり、すべての機能を使う必要はなく、アラカルト方式で必要な機能を採用するのが良いです。そこで1つ1つの機能を理解することが大切なので機能ごとに丁寧に解説されているのは助かりますね。ゲートウェイのような一見、メリットがわかりづらい機能も丁寧に解説されているので必見です。

第四部 応用編 ─ 業務導入への道筋

第14章のRAGでは Bedrock Knowledge Base を使った社内データ活用、第15章では CDK を使ったアンビエントエージェントの構築と、より実践的な内容に踏み込んでいます。

ドキュメント検索において、AI エージェント + RAGは引き続き需要があり、押さえておきたい構成が丁寧に解説されています。また、Knowledge Basesで検索精度を改善するクエリ分解や、リランキングの方法も触れているので必要に応じて導入できるような紹介がされていてありがたいです。作って終わりではなく、精度検証して改善も必須ですからね。

コラムで紹介されている「お勧めのRAG導入手順3ステップ」も実践的で、まずS3 Vectorsでシンプルに構築→Advanced RAGを段階的に導入→評価で定量的に精度を測定、という流れが整理されています。RAGはどこから手をつけるか迷いがちなので、まずは安価に手早く効果を試すのが大事ですよね。

第15章のアンビエントエージェントのハンズオンも見どころです。領収書画像をS3にアップロードするだけで、エージェントが画像解析から経費分類、承認依頼メールの送信、さらに承認後のConfluence記録作成まで自動で処理してくれます。チャットで指示するのではなく、イベントをトリガーにバックグラウンドで自律的に動くもので、SaaSとの連携も実務では使うことが多いと思うので、参考になりますね。

そしてこのハンズオンでは AWS CDK を使ってインフラをコードで定義し、AgentCore Runtime / S3 / DynamoDB / Lambda といったリソースをまとめてデプロイします。本番導入においてIaCは欠かせませんし、一度作ったインフラ定義を別のプロジェクトに使い回せるのも大きなメリットです。CDKの基礎知識(App / Stack / Construct の階層構造など)から解説してくれているので、CDK初心者でも安心して取り組めます。

第16章は「AIエージェントを業務にどう導入するか」という組織的・ビジネス的な観点から書かれた章です。私個人としてはこの章が何よりも胸に刺さりました。

私自身もお客様にAIエージェント導入をご支援する中で、「そもそもAIエージェントで何ができるのか」がふんわりとした状態から支援するケースは少なくありません。本書では、AIエージェントをRPAのような自動化ツールではなく「優秀な中途入社の部下」として捉える考え方が紹介されています。業務のルールや手順をプロンプトやドキュメントとして整備し、必要なツールへのアクセス権限を設定してあげれば、エージェントは適切に仕事をこなしてくれる。この例えはわかりやすいので常に意識しておきたいですね。

また、本書が繰り返し強調しているのは「スコープを絞り、まず動くものを見せる」ことの大切さです。LLMを活用したアプリケーションは不確実性を伴うので、いきなり大規模なシステムを作ろうとすると出力結果とのギャップに苦しむことになります。完成度が50%でもまず動くものを作って関係者に見せる、「小さな成功」を積み重ねながら、活用の勘所を掴みつつAI活用のゴールを具体化していく。このアプローチは自分の経験からも強く共感します。

そしてもう一つ刺さったのが、導入に失敗するケースの多くは技術的な課題ではなく「誰も使わない」という問題です。ユーザーの日常動線に組み込むこと、SlackやメールといったUI上でエージェントを呼び出せるようにすること。せっかく作ったのに使われないのは本当に悲しいですからね・・・!

ぜひエンジニア、非エンジニア問わず皆様に読んでほしい内容です。

こんな方におすすめ

  • AWSでAIエージェントを構築したいけど、どこから始めればいいかわからない方
  • Strands Agents や AgentCore を体系的に学びたい方
  • AIエージェントの構築だけでなく運用まで見据えた知識を身につけたい方
  • ハンズオンで手を動かしながら学びたい方
  • お客様にAIエージェント導入を提案する立場にある方

座学から実際にコードの実装まで幅広く触れている内容なので、メインはエンジニアですが非エンジニアの方でも生成AIを活用しながら踏み込んでいける内容になっています。AWSでAIエージェントを作るぞ!となった方はぜひ!

おわりに

機能が豊富なAgentCoreを中心としたAIエージェントの構築と運用という大きなテーマを、ここまで実践的かつ体系的にまとめた日本語書籍は他にありません。生成AIの基礎、AgentCoreの各機能を個別の章で丁寧に解説しつつ、ハンズオンで横断的に組み合わせて使う構成は、理解が段階的に深まっていく感覚があって読んでいて気持ちよかったです。個人的にも復習になり、いつでも読み返したいです。最近は電車で通勤時に毎朝読んでいます。

2026年はAIエージェント構築元年になり得る年です。その激動の年に業務で自作AIエージェントを導入したいと考えている方にとって、まず手に取るべき一冊だと思います!
ぜひこの本でキャッチアップしてAgentCoreを活用したAIエージェント作成をガンガンやっていきましょう!!!
私も負けじとブログを通じてAgentCoreの最新情報を共有してきます!

https://dev.classmethod.jp/author/yjinn/

本記事を最後までご覧いただきありがとうございましたー!少しでも本書の魅力が伝わったら何よりも嬉しい限りであります!


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