書評「ヤバい集中力」で雑念だらけの自分とケリをつける

2020.01.28

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大阪オフィスのちゃだいんです。

突然ですが皆さん、集中できてますか?

私は日々雑念だらけであんまりできてません。満足に集中できてるな〜って思うことって少ないですね...

「集中力って昔から当然のように口走ってるけど、そもそも集中力って何なんだ?」

そんな集中力に関するあらゆる悩みを解決してくれるのが、今回ご紹介する「ヤバい集中力」です。

「ヤバい集中力」概要

ヤバい集中力|SBクリエイティブ

みんなが知ってるようで知らない集中力の仕組みと、 なんと集中力を320%も上げる具体的な方法が紹介されています。

320%も集中力が上がったら人生何もかもうまくいきそうな気がしませんか?

ここからは、本を読んだ中で個人的にグッときたポイントに絞ってご紹介します。

1.著者の集中力がヤバい

まず大前提として、著者である鈴木祐氏の集中力がヤバすぎます。

私はサイエンスライターとして本を書くかたわら、企業のコンサルティングやリサーチ、ブロマガの執筆を行っているため、1日平均で15本の論文と3冊の本を読むと同時に、2万〜4万字の原稿を毎日のように生産し続けなけれなならないからです。いちいち目先の欲望に負けていては商売が成り立たず、本書が無事に完成したのも集中力の根本的な理解が深まったおかげです。

とんでもない量のタスクを1日でこなしてはりますね。想像がつかない。

2.キングオブ信憑性「研究論文」

本書で紹介されるテクニックのほとんどが、ここ数年に発表された脳科学や心理学、栄養学に基づく数千件を超える研究論文をベースにしています。

科学的に証明された手法を実践するというのは、1歩目のやる気が違いますよね。

3.目次がそそる

まず目次を読むことで、その本から得られそうな情報の見当がつくことありますよね。

私も本書を購入を決定したのは目次を見た後でした。いちいちそそる見出しの上、こんなにぎっしりフェーズ別でいろいろあったら、どれか1つくらいはピタッとハマるのがありそうだなぁと感じました。 目次は以下の通りです。

【序章 獣と調教師】~ポテンシャルを400%引き出すフレームワーク~

  • 一般人の4倍の生産性を持つハイパフォーマーはなにが違うのか?
  • 天才ですら克服できない集中力の問題
  • 集中力は才能だけでは決まらない!
  • 集中力の問題を一挙に解決するフレームワーク
  • 獣≒本能、調教師≒理性
  • 「集中力」という能力は存在しない?
  • 「獣」は単純で過敏だが、超絶パワーを発揮する!
  • 第1の特性「難しいものを嫌う」
  • 第2の特性「あらゆる刺激に反応する」
  • 第3の特性「パワーが強い」
  • 「調教師」は論理的。大飯食らいの割に、力がショボい……
  • 第1の特性「論理性を武器に戦う」
  • 第2の特性「エネルギー消費量が多い」
  • 第3の特性「パワーが弱い」
  • 集中力向上のための3つの教訓
  • 残念ながら調教師は獣に勝てません
  • 獣を乗りこなし、ライバルたちをゴボウ抜きせよ

【第1章 餌を与える】~脳の馬力を高めるサプリと食事法~

  • お手軽に覚醒作用を倍増させるカフェインの摂り方
  • 研究の結果、やっぱりカフェインが最強でした
  • 5原則に従って飲み方を変えるだけで覚醒作用は最大化する!
  • 食べるだけで脳機能が上がる魔法の食事法
  • オリーブオイル、野菜、魚介類……「地中海食」で集中力が上がる
  • 脳の基礎体力をつくるための必須栄養素がある
  • 脳にいい食事を続ける超簡単な3つのルール「MIND」
  • 脳を変えたいなら「食事日記」が最強のソリューションである
  • ジャンキーな食べ物への暴走に負けにくくなる、強い食事習慣のつくり方
  • カレンダーで「守れた日」に丸をつけるだけでも効果がある

【第2章 報酬の予感】~脳内ホルモンを操る目標設定の奥義~

  • 死んでしまうほど熱中する「ゲーム」の力をハックせよ
  • 人類の歴史を混乱させてきたサイコロ、トランプ、レアアイテム
  • ゲームは脳を気持ちよくさせる最強のテクノロジーだ!
  • あなたの仕事を「クソゲー」にしてしまう2つの要素
  • 達成感がやみつきになるタスク管理法
  • 報酬感覚プランニング#1 「基本設定」
  • 報酬感覚プランニング#2 「実践設定」
  • 報酬感覚プランニング#3 「即効簡易版」

【第3章 儀式を行う】 ~毎回のルーティンで超速集中モード~

  • 一見ムダな「マイ儀式」に隠された効果が次々に明らかに
  • 試験前に「指を10回鳴らす」だけで成績が21%アップ
  • 原始のリズムが人間を生かしてきた
  • 「反復」でいい方向にセルフ洗脳しよう
  • ドーパミンを出す儀式で1日中捗りまくり!
  • 「マイ儀式」づくりの2条件
  • 朝イチは簡単なタスクから手をつけると集中力が加速する
  • 「できた! 」を繰り返し記録して達成グセをつける
  • 「小さな不快」で獣を刺激する
  • 8~9割の確率で耐えられる我慢が、心を強くする
  • 「5のルール」で小さな不快を重ねる
  • 儀式スタッキングで獣を導き良い習慣を連鎖させよう
  • 儀式は週4回2ヶ月続けると完全に身につく

【第4章 物語を編む】~セルフイメージを書き換えて「やる」人間になる~

  • 「なりたい自分になる」ためには物語が効く
  • 神話、伝説、喜劇。古代から続く物語のパワー
  • 物語を通して人は自分を見出していく
  • 確固たるアイデンティティがあれば獣をしつけられる
  • セルフイメージを上書きする5つの方法
  • 基本はやはり「反復」だが、それにはショートカットがある
  • レベル1 ステレオタイピング
  • レベル2 ジョブ・チェンジング
  • レベル3 指示的セルフトーク
  • レベル4 VIA SMART
  • レベル5 ピアプレッシャー

【第5章 自己を観る】 ~マインドフルネスで静かな集中を取り戻す~

  • 大ブームになった「意志力」、2つのアップデート
  • 意志力はやっぱり減らなかった?
  • 意志力に糖分は関係ない?
  • 「自制」するには「自省」が欠かせない
  • 平静な自分を取り戻すデタッチド・マインドフルネス
  • 獣の衝動をやり過ごそう!
  • STEP1 メタファーでつかむ
  • STEP2 聖域を作る
  • STEP3 調教師を切り離す

【第6章 諦めて、休む】~疲労とストレスを癒すリセット法~

  • 集中力は「あまのじゃく」
  • ネガティブな思考をカチッと切り替えるセルフ・アクセプタンス
  • セルフ・イメージング
  • レスト・オブ・ライフ
  • 2分コミットメント
  • ポジティブリソース法
  • 疲労とストレスを科学的にリセットする方法
  • 長時間労働で失われた集中力を、少しでも取り戻そう
  • レベル1 マイクロブレイク
  • レベル2 タスクブレイク
  • レベル3 アクティブレスト
  • レベル4 ハイパー・アクティブブレイク
  • レベル5 米軍式快眠エクササイズ

4.集中力をイメージしやすくする「獣と調教師」

本書の特徴の1つとして、よく分からない集中力というものを、「獣=本能」「調教師=理性」を使いイメージしやすくしています。

「獣と調教師」とは、「人間の心は2つに分かれている」という事実を比喩(メタファー)で表現したものです

自分の中にいる「獣と調教師」にはそれぞれ特徴があります。

  • 獣(本能)
  • 難しいものを嫌う
  • あらゆる刺激に反応する
  • パワーが強い

獣のイメージがなんとなくつきますよね。

  • 調教師(理性)
  • 論理性を武器に使う
  • エネルギー消費量が多い
  • パワーが弱い

調教師のイメージも想像できます。 そして、そんな両者の関係性やこれらを扱う際の教訓が以下です。

  • 3つの教訓
  • 調教師は獣に勝てない
  • 集中力が得意な人など存在しない
  • 獣を導けば莫大なパワーが得られる

残念ながら、完全に調教師が獣を制圧することはできません。目に浮かびますね。なので最適な方法としては、いかにこの世話の焼けるパワフルな獣を、調教師が上手にコントロールし最大化できるか、というのが肝要です。

5.目標は具体的にイメージできる内容に

とても多くのテクニックが紹介されていますが、その中でも驚いたのは目標を立てる時に使える言葉のマジックです。 本の中では「具象イメージング」と呼ばれているテクニックで、目標はできるだけ頭の中で映像として浮かべやすい内容の方が、達成率が上がるとのことです。

「具象イメージング」の効果を示した例としては、カリフォルニアの病院を対象にした研究が有名です。この中で研究チームは、病院の目標設定を2つのグループに分けました。

①「すべての患者に最高の処置を行う」という抽象的な目標を設定 ②「『あの病院は最高だった』と、すべての患者が友人に言いたくなるような処置を行う」のようなイメージしやすい目標を設定

そこから病院の業績を調べたところ、結果は予想通りでした。イメージしやすい目標を立てた病院のほうが職員の集中力が高まり。あきらかに患者の満足度も高くなったのです。

すごい事実ですよね。言い方一つで変わってしまうもんなんだと思います。頭の中でイメージできるか否かって重要ですね。

これには2点注意点があります。

  • 専門用語NG:「持続可能性の高い社会を作る」→「ハイブリットカーが増えた社会を作る」
  • 数字NG:「1年で体重を10キロ落とす」→「20代の頃に買ったジーンズをはけるようにする」

後者の方は意外ですが、具象イメージングという手法においては、とにかく脳内にどれだけ鮮明に絵が浮かぶかが鍵となるようです。

終わりに

このブログでは書かれていることの1%も紹介できてないくらい本は濃厚です。(ほぼ導入のところしか触れてません) ピンと来た方はぜひ実際に書店で手に取ってみてください。 私もできそうなものから実践してその効果を検証してみたいと思います。

それでは今日はこの辺で。また見てね!