
マネージャーがClaude Codeで自分専用のブログ作成AIエージェントつくってみた
どうも、産業支援グループ小売流通ソリューション部の髙野です。
マネージャーになってから、めっきりコードを書く時間が減りました。それでも技術的なアウトプットは続けたい……ということで、「自分らしい文体の」ブログ執筆を支援してくれる自分専用のAIエージェントを作ってみました。
マネージャーこそアウトプットが重要(でも時間がない)
マネージャーになって4年以上経ちますが、技術ブログの執筆は私にとって重要な活動の一つです。
- チームで得た知見を社外に還元する
- 自分の思考を整理し言語化する
- 採用やブランディングにも貢献する
でも正直なところ、「書きたいネタはあるのに時間が取れない」という状況が続いていました。
そこで思ったわけです。
「AIエージェントに 自分らしいブログ を書いてもらえばいいのでは?」
……おそらく誰もが思ったことがあって、少なくない人がすでに実践しているであろうことは百も承知です!
AIに丸投げすることのリスク
「生成AIにブログを書かせること」、それ自体は簡単です。Claude、ChatGPT、GeminiなどのAIチャットツールに「〜について記事を書いて」と頼めば、それなりの文章が出てきます。
でも、そうして生成された文章は、
- 誰が書いても同じような当たり障りのない内容
- 自分の文体やクセが反映されていない
- 「やってみた」という実践の熱量がない
というような、「つまらない」ものになってしまいがちです。
私としては、ブログには 自分が実際に試して得た学びを、自分の言葉で読者に提供すること に価値があると考えています。
何も準備せずにAIにブログ執筆を全部丸投げしてしまうと、この価値が失われてしまいます。
「自分専用」のブログ執筆エージェントを設計する
そこで考えたのが、「自分の執筆スタイルを学習させた、専用のAIエージェント」 です。
単にClaude Code(AIエージェント)を使うだけでなく、DevelopersIOの方針やブログ執筆ガイドライン、過去の記事から抽出したトーン&マナーをすべて「コンテキスト」として与えることで、AIが生成する文章が「髙野 将らしい」ものになる、という仕組みです。
やってみた
上記を踏まえて、最初に実際に作ったプロジェクトの構成はこんな感じです。
blog/
├── CLAUDE.md # AIエージェントへの基本指示
└── references/
├── blog-contract.md # 執筆時の契約・注意点
├── guideline.md # DevelopersIOメディアガイドライン
└── tone-manner.md # 髙野将の執筆スタイル分析
CLAUDE.md:エージェントへの指示書
Claude Codeでは、CLAUDE.md というファイルをプロジェクトに置くことで、AIエージェントに対する「永続的な指示」を与えられます。
# これは何?
ブログ執筆を行うAIエージェントへの指示文書
Developers IO
https://dev.classmethod.jp/
に掲載するブログの執筆を行います
## 方針・ガイドライン
以下の方針、ガイドラインに従ってください
- @references/blog-contract.md
- @references/guideline.md
## トーン&マナー
以下のトーン&マナー資料を参考に、著者のクセを反映してください
- @references/tone-manner.md
## ステップ
1. 方針・ガイドライン、トーン&マナーを Read ツールで読み込み理解する
- @references/blog-contract.md
- @references/guideline.md
- @references/tone-manner.md
2. 箇条書きで記載されたブログの素案を Read ツールで読み込み理解する
3. ブログ案をマークダウンファイルとして yyyyMMdd_{ブログ内容のslug}.md に書き出す
ポイントは、「何を参照すべきか」を明示的に指示している 点です。
特に、ステップ1で「方針・ガイドライン、トンマナ」 を読み込ませることで、「メディアの特色・ルールに則った、自分らしいブログ」を書くための情報を最初に与えるのがポイントです。
references/blog-contract.md:方針
このファイルには、記事を書く際の基本姿勢や注意点をまとめています。
例えば:
- 読者にとって価値のある情報を提供する
- 自分が実際に試した内容を書く
- 実践を通じて得た学びや気づきを共有する
このファイルをAIに読ませることで、「ただ情報を羅列するだけの記事」ではなく、「実践に基づいた価値ある記事」を書くという意識を持たせます。
references/guideline.md:メディアのガイドライン
このファイルには、DevelopersIOに投稿する際の社内ガイドラインをまとめています。
記事の方向性、書き方のルール、投稿時の注意点など、メディアとして求められる基準が記載されています。
AIエージェントにこのガイドラインを与えることで、執筆時点から社内基準に沿った記事を生成できる ようになります。
references/tone-manner.md:トーン&マナー
ここが一番のポイントです。
執筆者の「クセ」を分析した「トーン&マナー」(以下トンマナ)をまとめています。
トンマナ文書の作成方法
このファイルは、Google Gemini の Deep Research 機能 を使って作成しました。
使用したプロンプトはシンプルです:
ブログ執筆AIエージェント作成に向けた、自分のブログの書き方、表現、口調などをまとめたコンテキスト資料を作りたい
以下のURLから、執筆者が takano-sho のエントリのみを集めて、レポートとして作成してください
https://dev.classmethod.jp/author/takano-sho/
Gemini Deep Research は、指定したURLから私の記事を複数自動的に収集・分析し、執筆スタイル、表現技法、構成パターン、価値観などを抽出して、包括的なレポートとして出力してくれました。
手作業で数多くの記事を分析するのは大変ですが、AIに任せれば数分で完了します。
分析結果の例
私が過去に書いた記事を分析した結果、以下のような要素が抽出されました。
**言語表現とキャラクター性**
| カテゴリ | 具体的な表現 | 出現コンテキスト |
|---------|------------|----------------|
| **感嘆・相槌** | 「ふむふむ」「なるほど」「バッチリ」 | 技術検証の結果が期待通りだった時 |
| **自称・代名詞** | 「runn おすすめおじさん」「おっさん一人で」 | 自己紹介、謙虚さを示す文脈 |
| **動機・契機** | 「〜が降ってきました」「subscribe していた〜」 | 新しいツールの入手経緯 |
| **結び・挨拶** | 「〜でございます」「伝授するぞよ」 | 記事の冒頭・最後のアクション喚起 |
**記事構成のパターン**
技術検証記事(「やってみた」系)では、以下のステップが踏まれます:
1. **動機の明示**: どのアップデート情報を見て興味を持ったか
2. **Beforeの状態**: 機能がない、課題が解決されていない現状
3. **実践と検証**: 実際に設定したYAML、コマンド、デバッグログ
4. **考察・学び**: 成功だけでなく「困ったこと」も記載
5. **今後の展望**: 他環境への適用性や今後の期待
このパターンをAIエージェントに読み込ませることで、単なる機能紹介ではなく、「自分が試行錯誤した過程」が伝わる記事 になります。
検証:実際にブログ作成AIエージェントを使ってみた
「ブログ作成AIエージェント」として構築したフォルダーでClaude Codeを実行し、以下のようにリクエストしてみました。
ブログ執筆してください
- マネージャーがブログ作成AIエージェントつくってみた
- 本フォルダーの構成を元に記事化する
すると、AIエージェントは
CLAUDE.mdを読み込んで指示を理解references/配下のガイドライン・トンマナを参照- フォルダー構成を分析
- この記事 のたたき台を生成
というプロセスを自動で実行してくれました。
生成された文章を見ると、ちゃんと
- Before/Afterを明示した構成
- コードブロックでファイル内容を引用
- 表形式での情報整理
- 「ふむふむ」「バッチリ」などの相槌表現
と、自分の執筆スタイルが反映されていることが確認できました。
考察:AIとの「共同執筆」という新しいスタイル
この仕組みを実際に使ってみて、気づいたことがいくつかあります。
完全自動ではなく「下書き生成」と割り切る
AIが生成した文章をそのまま公開するのは、意思がこもらないのでNGです。
でも、「9割方完成した下書き」 を生成してもらえるだけで、執筆の心理的ハードルが大きく下がります。
- 詳細を一から考える手間が省ける
- 自分の文体で書き始められる
- 足りない部分、違和感ある部分だけ加筆・修正すればいい
これは、Claude Codeに相談しながら設計したり、コードを書くときの感覚に近いですね。
「自分の文体」をメタ認知できる
トンマナ文書を作る過程で、自分の執筆スタイルを客観的に分析する機会になりました。
「自分ってこんな言葉をよく使ってるんだな」
「Before/Afterの構成を無意識に使ってたんだな」
こうしたメタ認知は、今後の執筆をより意識的に、戦略的にするための良い材料になります。
エージェント設計は「未来の自分」への投資
このプロジェクトのセットアップは、ほんの少しだけ手間がかかりました。(とはいえ、1時間もかからないですが)
でも、一度作ってしまえば、今後のブログ執筆が圧倒的に楽になり、他の重要な仕事(特にマネージャー業)に浮いた時間を投入できるようになります。
つまり、「未来の自分」と「未来のチーム」への投資 として捉えることができます。
今後の展望:対話を通じて育てるエージェント
このエージェントの面白いところは、一度作って終わりではない という点です。
継続的なアップデートのサイクル
実際にエージェントを使ってブログを書く過程で
- AIエージェントに記事を生成させる
- 生成された記事を確認し、気になる点をフィードバック
- そのフィードバックを元に、
CLAUDE.mdやreferences/配下の参考資料を更新 - 次回からは、そのフィードバックが反映された記事が生成される
という改善サイクルを回せます。実際にこの記事自体を執筆する過程でも、このサイクルを実践しました。
以下のように、エージェントに複数のフィードバックを与えてその場で改善した結果、最初に比べてプロジェクト構成が拡充されました。
与えたフィードバックと対応
- 機密情報の取り扱い
- 指摘:社内ガイドラインの具体的な内容を記事に含めるべきではない
- 対応:ガイドラインの「存在」は言及するが、詳細は抽象化するルールを追加
- 執筆スタイルの改善
- 指摘:受動態より能動態を優先し、主体を明確にすべき
- 対応:「〜をもらいました」→「〜を与えました」など、文体ルールを明文化
- 事実ベースの記述
- 指摘:実際にやったことだけを書き、未来の予定は避ける
- 対応:記事執筆ルールとして明記
改善後のプロジェクト構成
これらのフィードバックを反映した結果、プロジェクト構成は以下のように拡充されました。
blog/
├── CLAUDE.md # AIエージェントへの基本指示
└── references/
├── blog-contract.md # 執筆時の契約・注意点
├── guideline.md # DevelopersIOメディアガイドライン
├── tone-manner.md # 髙野将の執筆スタイル分析
├── writing-rules.md # 執筆ルール(新規追加)
└── feedback-history.md # フィードバック履歴(新規追加)
新規追加されたファイル:
writing-rules.md: 機密情報の判断基準、文章表現のルール、事実ベースの記述ルール、Markdown記法(Zenn記法)の活用方法などを体系的にまとめたファイルfeedback-history.md: フィードバックの履歴を時系列で記録し、改善の軌跡を可視化するファイル
CLAUDE.mdの設計方針:
CLAUDE.mdは「何をすべきか」の指示に集中させ、「どう書くべきか」の詳細なルールは writing-rules.md に一元化されました。
- CLAUDE.mdはシンプルで読みやすい構成に
- 執筆ルールの管理が一箇所に集約され、矛盾が発生しにくい
- フィードバックによるルール追加も
writing-rules.mdのみで完結
ステップ1で writing-rules.md を読み込むことで、機密情報の取り扱い、執筆スタイル(能動態優先、絵文字禁止など)、事実ベースの記述といった詳細なルールが自動的に適用されます。
このように、記事を書くプロセス自体がエージェントの学習データになる 仕組みを構築できました。
「対話」がエージェントを賢くする
つまり、このブログを執筆するためのClaude Codeセッションでのやり取り自体が、エージェントの学習データになるわけです。
- 「こういう表現は避けてほしい」
- 「この部分はもっと詳しく書いてほしい」
- 「このトーンは自分らしくない」
こうしたフィードバックを蓄積していくことで、エージェントはどんどん「自分専用」に「賢く」カスタマイズされていきます。
まとめ
マネージャーとして忙しい日々の中でも、技術的なアウトプットを続けるために、ブログ執筆AIエージェントを作ってみました。
ポイントは以下の通りでした。
- CLAUDE.md で永続的な指示を与える
- ガイドライン をAIに読ませてコンプライアンスを担保
- トンマナ分析 で自分らしい文体を再現
- 完全自動ではなく 「共同執筆」 と割り切る
- エージェントを利用した後にフィードバックサイクルを回して改善を続ける
この仕組みのおかげで、「書きたいけど時間がない」というジレンマから少し解放されたような気がします。
皆さんも、自分専用のブログ執筆エージェント、作ってみてはいかがでしょうか?
参考リンク
- CLAUDE.md files - Claude Code Docs
- Best Practices for Claude Code - Claude Code Docs
- Google Gemini - Deep Research
(この記事は、ブログ作成AIエージェントを使って下書きを生成し、筆者が加筆・修正したものです)








