はじめに
こんにちは。大阪オフィスの林です。
「Google Workspace(旧 G Suite)」「Chrome Enterprise」「Chromebook」を使って色々と機能の検証をしています。Chromebookを初期化する操作で「ワイプ」「Powerwash」「リセット」「デプロビジョニング」という操作があるのですが、それぞれどのような特徴があってどのような流れでChromebookの初期化が行われるのかがイマイチ分からなかったので実際に検証してみました!
やってみた
さっそくやっていきます!
ワイプ
まずは「ワイプ」です。こちらの手順に従ってワイプします。
- Chromebook の電源をオフにします。
- 「Esc キー」 + 「更新ボタン」 + 「電源ボタン」を同時に押してChromebookを起動します。
- 下記画面で「ctrl」 + 「D」を押します。
-
「Enter キー」を押します。

-
「Space キー」を押します。

-
「Enter キー」を押します。

-
下記画面で数秒待機します。※自動で画面が切り替わります。

-
下記画面で数秒待機します。※自動で画面が切り替わります。

-
ようこそ画面で「続行」を選択します。

-
ネットワークの設定を行います。

-
利用規約で「同意して続行」を選択します。

-
企業登録します。(デバイスポリシーにて自動化しているため本手順では入力不要となっています。)

-
登録できました。「完了」を選択します。

-
メールアドレスを入力し「次へ」を選択します。

-
パスワードを入力し「次へ」を選択します。

-
「同意して続行」を選択します。

-
「利用を開始」を選択します。

Powerwash
- Chromebook からログアウトします。
- Ctrl+Alt+Shift+R キーを押します。
- 「再起動」を選択します。

リセット(ユーザープロファイルをクリア)
-
Google管理コンソールにて対象のデバイスを選択し「リセット」を選択します。

-
「ユーザープロファイルをクリア」を選択し、チェックボックスにチェックを入れ、「リセット」を選択します。リセットして数秒でChromebookが再起動します。

-
Chromebook側の操作に移ります。メールアドレスを入力し「次へ」を選択します。

-
パスワードを入力し「次へ」を選択します。

-
「同意して続行」を選択します。

-
「利用を開始」を選択します。

リセット(初期状態にリセット)
-
Google管理コンソールにて対象のデバイスを選択し「リセット」を選択します。

-
「初期状態にリセット」を選択し、チェックボックスにチェックを入れ、「リセット」を選択します。リセットして数秒でChromebookが再起動します。

-
Chromebook側の操作に移ります。下記画面で数秒待機します。※自動で画面が切り替わります。

-
ようこそ画面で「続行」を選択します。

-
ネットワークの設定を行います。

-
利用規約で「同意して続行」を選択します。

-
企業登録します。(デバイスポリシーにて自動化しているため本手順では入力不要となっています。)

-
登録できました。「完了」を選択します。

-
メールアドレスを入力し「次へ」を選択します。

-
パスワードを入力し「次へ」を選択します。

-
「同意して続行」を選択します。

-
「利用を開始」を選択します。

デプロビジョニング(初期状態にリセットする)
-
Google管理コンソールにて対象のデバイスを選択し「デプロビジョニング」を選択します。

-
「はい。初期状態にリセット…」を選択します。プロビジョニング解除の理由に任意の理由を選択し、チェックボックスにチェックを入れ、「デプロビジョニング」を選択します。デプロビジョニングして数秒でChromebookが再起動します。

-
デバイスが削除されました。

-
Chromebook側の操作に移ります。下記画面で数秒待機します。※自動で画面が切り替わります。

-
ようこそ画面で「続行」を選択します。

-
ネットワークの設定を行います。

-
利用規約で「同意して続行」を選択します。

-
「その他の設定」から「企業の登録」を選択します。

-
予め登録されているユーザーのメールアドレスを入力し「次へ」を選択します。

-
パスワードを入力し「次へ」を選択します。

-
登録できました。「完了」を選択します。

-
メールアドレスを入力し「次へ」を選択します。

-
パスワードを入力し「次へ」を選択します。

-
「同意して続行」を選択します。

-
「利用を開始」を選択します。

デプロビジョニング(初期状態にリセットしない)
-
Google管理コンソールにて対象のデバイスを選択し「デプロビジョニング」を選択します。

-
「いいえ。既存のデータとユーザープロファイルを維持する。」を選択します。プロビジョニング解除の理由に任意の理由を選択し、チェックボックスにチェックを入れ、「デプロビジョニング」を選択します。デプロビジョニングして数秒でChromebookが再起動します。

-
デバイスが削除されました。

-
Chromebook側には特に変化はありません。再度デバイスの登録およびデバイスポリシーを適用する場合は、ワイプします。
まとめ
正直微妙な違いなので、データの削除や初期化に何を使っていいのか迷う部分もありますが、ひと通り触ってドキュメントを読んでみて、初期化の強さ(?)と内容を下記のように整理しました。

- ワイプ
- 利用者側で実施できるシンプルなChromebookのローカルデータ削除。
- Chromebookのローカルに保存されたユーザーデータを、デベロッパー モードに切り替えてから通常モードに戻すことで、Chromebookのローカルデータをすべて消去する機能。
- Chrome デバイス内にある、Google Chrome Sync で同期されていないアカウント情報や保存データ(写真、ダウンロード ファイル、保存されたネットワークなど)は、ワイプ処理ですべて削除される。
- Powerwash/リセット
- 利用者および管理コンソールからプッシュで操作できるChromebookのローカルデータ削除。
- 利用者側で操作するPowerwashと管理コンソールからプッシュで操作するリセットは同等の機能。
- 工場出荷時に戻すような初期化のイメージ。
- デプロビジョニング
- Chromebookを組織から完全に削除する場合に使用する。
- 管理コンソールからプッシュで操作できるChromebookのローカルデータ削除。
- 組織の管理対象からChromebookを外す場合に使用する。
操作 |
操作方法 |
ローカルデータ |
ポリシー |
備考 |
ワイプ |
利用者で実施可能
管理コンソールからプッシュ操作不可
|
消える |
ユーザーポリシーはリセットされる
デバイスポリシーはリセットされない
|
起動時に操作 |
Powerwash |
利用者で実施可能
管理コンソールからプッシュ操作不可
|
消える |
ユーザーポリシーはリセットされる
デバイスポリシーはリセットされない
|
ログアウト状態で操作 |
リセット(初期状態にリセット) |
利用者で実施不可
管理コンソールからプッシュ操作可能
|
消える |
ユーザーポリシーはリセットされる
デバイスポリシーはリセットされない
|
企業の再登録はデバイスポリシーに依存 |
リセット(ユーザープロファイルをクリア) |
利用者で実施不可
管理コンソールからプッシュ操作可能
|
消える |
ユーザーポリシーはリセットされる
デバイスポリシーはリセットされる
|
企業の再登録はデバイスポリシーに依存 |
デプロビジョニング(初期状態にリセットする) |
利用者で実施不可
管理コンソールからプッシュ操作可能
|
消える |
ユーザーポリシーはリセットされる
デバイスポリシーはリセットされる
|
企業の再登録必須 |
デプロビジョニング(初期状態にリセットしない) |
利用者で実施不可
管理コンソールからプッシュ操作可能
|
消えない |
ユーザーポリシーはリセットされない
デバイスポリシーはリセットされる
|
企業の再登録必須 |
以上、大阪オフィスの林がお送りしました!