[レポート]ゲーム開発にも SRE が必要だよね!?ゲーム開発者のための SRE 組織を作った話 #CEDEC2024 #classmethod_game
こんにちは、ゲームソリューション部のsoraです。
今回は、CEDEC2024のセッションレポートを書いていきます。
セッション概要
受講スキル:
- 業務改善に取り組んでいる方
- SRE に興味のある方
- 多忙で改善がうまく回せていない方
得られる知見:
- SRE (Site Reliability Engineering) についてのざっくりとした情報
- SRE 実践の1事例
- 組織に定着させるための手段
セッション内容
SRE(Site Reliability Engineering)はゲーム業界以外では定着しつつあるワードだと思います。ゲーム業界でも SRE が全くいないわけではありませんが、まだ定着には程遠い印象です。 しかしながら、私が近年の CEDEC を拝聴しているときの口癖は「それ SRE っぽいね」です。SRE は新しい職種でも技術でもありません。実はすでにいたのです。
本セッションでは DeNA の「ゲーム開発者のための SRE」チームを事例に、まずは SRE のことを知っていただき、私達がなぜ SRE チームを必要とし、SRE チームを立ち上げたのかご紹介します。 本セッションが皆さまの改善活動をより良くするきっかけとなれば幸いです。
レポート
はじめに
アジェンダです。
SREとは
SREとは何かについては以下です。
Siteの部分が業界や会社、プロジェクトによって変わるため、業務内容が変わってくるとのことです。
ゲーム業界ではあまり聞きませんが、Web系企業ではよく耳にする職種だと感じています。
単にインフラエンジニアをSREと呼んでいたり、運用改善をメインとする意味でSREと呼んでいたり、企業によって業務内容が大きく異なりそうだなと感じています。
ゲーム開発者のためのSREチーム
ゲームの楽しさを追求するだけでなく、開発のしやすさやリリース後の運用・改善も重要です。
ゲーム開発はリリースに追われていることが多いと思うので、開発のしやすさや運用後の改善などは後回しになりがちなのかなと思っています。
通称SRE本のプラクティス
- エラーバジェット:サービスの信頼性がどの程度損なわれても許容できるかを示す指標
- 100%バグが発生しないゲームはないため、どの程度許容するかを決める
- トイル:サービスの提供に欠かせない作業で、かつ自動化が可能なのに手作業で行われていること
DevOpsは開発工程からの話で、SREは運用改善の部分だけかなと思っていましたが、考え方とその実装という違いがあるのは知りませんでした。
国内のIT業界におけるSREの普及
メルカリ社ではSRE本が出版される前からSREと命名していたとのことで、情報収集から実際に取り入れるまでのスピードが早いと感じました。
ゲームのSRE
ゲームのSREについては以下です。
同じ会社でもゲーム開発者もお客様という視点はなるほどと感じました。
私の所属しているゲームソリューション部でも、負荷対策に向けた負荷試験の支援やリリース支援、リリース後の改善などを提案して支援していくため、見方を変えればSREっぽいことをしているのかもと感じました。
開発環境にも運用が必要な事実は以下です。
リリースしたゲームに対して、運用していくという視点しかなかったのですが、確かに開発環境の運用改善も重要だと感じました。
運用コストが見積もられていなかったり、後回しにしてリリース直前やリリース後に考えるなんてケースは結構あるあるですよね。
後回しにすると改善するのが難しくなってそもそもやらないことにつながってしまうため、開発段階から運用を意識すべきという話がありました。
SREを実践するためにしたこと
SREを実践するためにしたことは以下です。
業務の50%を改善に充てて、主業務として取り組むようにしたとのことです。
SREの実践パターン
Embedded SREは、各プロジェクトにSREメンバが参加するやり方です。
プロジェクトメンバとしてSREメンバも入ることで、自分自身もお客様になることでより自分事にするのは良いと思いました。
Embedded SREで全プロジェクトにSREを入れたい場合に、SREメンバの人手不足で実現が難しくなります。
Enabling SREの場合は、プロジェクトメンバをSREにすることで、改善に対応するのはSREメンバだけでなく、みんなで改善を意識して、SREじゃなきゃできない環境を作らないようにするべきとの話がありました。
SREの組織やプロジェクトへの啓蒙
社内でSREを広めるために実施したことは以下です。
ネーミングで知ってもらい興味を持ってもらい、文章化した資料で理解してもらう流れで進めたとのことです。
SREという言葉を積極的に使っていき、1人SREから約5年でほぼすべてのプロジェクトに参加するようになったのは、行動力も実現力もすごいと思いました。
まとめ
以下まとめです。
感想
ゲームに限らず開発をして動くものが出来上がっていくのは楽しく感じる人が多いと思います。
運用や改善も重要だと思いつつも、楽しさを感じれない泥臭い部分だと感じる人が多く、完成を重視しすぎて後回しになりがちです。
ゲーム業界でSREというロールはあまり浸透していませんが、ゲーム業界でもSREのような役回りが必要だなと改めて感じました。