
ClaudeのProjectsがCoworkに入りました。
こんにちは、せーのです。先日、Claude Desktop の Cowork に Projects が入ったので、これから色々試していきたいと思います。
Projects といえば、もともと Claude Desktop の Chat にあった機能で、資料やテンプレートなどをアップロードしておくことで、簡易的な RAG に近いことができる、というイメージです。それが ローカルのファイル操作が得意な Cowork に入ったことで、PC 上のフォルダを前提にしたナレッジ参照が、よりやりやすくなったのでは、と期待しています。
一方で、Chat にあった Projects は Claude のクラウド側にデータをアップロードする前提でした。Cowork は製品としてローカル寄りの思想ですが、資料はローカルのままなのか、推論のためにどこまでクラウドに乗るのか、ここがいちばん気になるところです。
そこで本記事では、公式の説明を読みながら 「結局、永続データはローカルとクラウドのどちら主体なのか」 を整理してみました。
ただ、「プロジェクトはデスクトップ上にローカル」「会話履歴もローカル」と書いてある一方で、タスク実行は仮想マシン上、しかもモデルはクラウドの Claude です。なんとなくモヤッとしやすいので、公式ドキュメントに沿って表にまとめます。
注意: 本記事は公開時点の Claude Help Center の記述に基づいています。プレビュー機能のため、将来アップデートで変わる可能性があります。
Cowork と Projects の違い(おさらい)
Cowork 自体は、Claude Desktop 上でエージェント的に複数ステップの作業を任せるモードです。ここに Projects が加わると、関連タスクを「専用ワークスペース」にまとめ、ファイル・コンテキスト・指示・メモリをプロジェクト単位で持ち回せるようになります。
公式では、Claude(Web)側のプロジェクトと「よく似ているが、Cowork のプロジェクトはデスクトップ上にローカルで置かれ、Cowork で走らせるタスクを中心に作られている」と説明されています。
ざっくり対比すると次のようなイメージです。
| 観点 | Cowork(単体のタスク) | Cowork Projects |
|---|---|---|
| コンテキストの持ち越し | スタンドアロン Cowork セッション間ではメモリは基本リセット(※プロジェクト外) | プロジェクト内のタスク間で文脈を継続 |
| 整理 | タスク単位 | プロジェクト=恒久的なワークスペース |
| 指示(Instructions) | グローバル/フォルダ単位など | プロジェクトごとに永続 |
| ファイル | タスクで選ぶフォルダ | プロジェクトに紐づけて保持 |
※ Help Center の制限事項では、メモリはプロジェクト内でのみ有効で、スタンドアロンの Cowork セッション(プロジェクト外)ではセッションをまたいで保持されない、とされています。
違いを整理すると、単発 Cowork は「その場のタスク」、Projects は「長めの仕事を束ねる器」、というイメージです。
やってみた
公式の表だけだとピンと来ない部分もあるので、実際の Claude Desktop 上で触ったみました。検証したのは Claude for Mac バージョン 1.1.7714 です(機能はアップデートで変わるので、あくまでこの時点の話です)。

左ナビの Projects から「新しいプロジェクトを作成」を開くと、冒頭で 「継続的な作業のための専用スペース」「ファイルと指示はコンピューター上のフォルダに保存」 と説明が出ます。作成の入口は大きく分けて3つです。

新規作成は手順とファイルを含むフォルダを新しく切るパターン、既存のフォルダを使用はもう作業しているディレクトリをそのまま足すパターンです。
今回いちばん試したかったのは プロジェクトをインポート です。説明文に 「Chat でつくったプロジェクトを Cowork に移行できる」「Cowork での変更は Chat のプロジェクトには影響しない」 とあり、コピーして別物として育てるイメージがはっきり書かれていました。

検索欄ではチャット側のプロジェクト一覧が出ます。ここで 1 つ選ぶと(一括ではなく 1 件ずつ)、Cowork 側の名前と PC 上の保存先を指定して作成、という流れです。作成画面の下には 「メモリがオンになっています」 と出ており、チャットの Projects ではあまり意識しなかった メモリが UI 上で明示されるのをここで初めて実感しました。

ゼロから新規プロジェクトを開始する画面でも、同様に 手順(Instructions)・ファイル追加・プロジェクトの場所があり、やはり メモリがオン の表示があります。フォルダはデフォルトで ~/Documents/Claude/Projects 系のパスが提案されるので、「結局どこに置かれるのか」が画面だけでも追いやすいです。

Cowork のホームでは、タスク入力の近くで 作業フォルダ を選び、別枠で プロジェクト に入っていく導線もあります。単発タスクと「長く育てる器」の距離感が UI で分かれている感じです。

インポート後、プロジェクトを開くと中央は 「このプロジェクトで何に取り組みたいですか?」 のタスク入力、右側に 手順・予定済み・コンテキスト(コンピューター上のフォルダ)・メモリー・チャットからのプロジェクト といったブロックが並びます。
公式で言っていた4コンポーネントに加えて、チャットから取り込んだ元プロジェクトがコンテキストとして見えるのが分かりやすいですね。

違いを整理すると、**チャットの Projects は「会話とナレッジの束」、Cowork に取り込むと「ローカルフォルダ+右パネルで部品が見えるワークスペース」**に変わる、という触り心地でした。
Chat の「議事録作成」を Cowork に取り込んで試した
UI の説明だけだと「取り込んだあと、何が嬉しいのか」がまだ抽象的なので、Chat 側の Projects にあった 議事録作成 を Import from a Claude project で Cowork にインポートし、同じプロジェクトの手順どおりに回してみました。
手元の サンプル書き起こし(社内向けのダミー会話)をタスクに添付し、モデルに出力形式を聞かれたので 議事録(Markdown) を選びます。左ペインではフォーマット確認から生成までの流れが追え、右ペインのプレビューに 表でメタデータ(会議名・日時・参加者など)が並んだ議事録 が出てくる、という体験でした。

生成結果は Markdown として保存でき、見出し・表・アクションアイテムまで一通り揃いました。出力例では 社内ポータル改善の定例 を題材に、ダッシュボード速度・検索要望・MFA 周知などの議題が整理されています。「チャットで育てた指示つきプロジェクトを、Cowork のタスク実行に載せ替える」感覚をつかみやすかったです。
実際動かしてみた感想としては、ChatでのProjectsもCoworkでのProjectsも成果物には大きな違いはありませんでした。ただやはり大きいのは、Coworkの方は成果物がそのままローカルに出力されている、というところです。「サービスを使っている」というより「手元のファイルをAIで操作している」という感覚ですね。
Chat(Claude)の Projects から取り込む
Cowork Projects はいつも新規フォルダから、というわけではなく、Claude のチャット側で作った Project を起点にできる公式の作り方があります。
左ナビの Projects から「+」を押すと作成方法が 3 つ並び、そのひとつが Import from a Claude project(画面の言語によって表記は変わります)です。Organize your tasks with projects in Cowork では、だいたい次の流れと説明されています。
- 「Search projects in Chat…」 で、チャット上のプロジェクトを検索して選ぶ(最近使ったもののほか、検索で全部から探せる)
- 一括インポートはできない(bulk upload is not supported)— 1 件ずつ選ぶ
- 選んだあと、新しい Cowork プロジェクト名と PC 上の保存先を指定する
- 「Create」で、元の Claude プロジェクトにあるファイルと Instructions(指示)が転送され、Cowork 用のローカルプロジェクトとして作られる
つまり「チャットの Projects で育てたナレッジや指示を、Cowork のローカルワークスペースに持ち込んで使い始める」ための橋渡しになっています。取り込んだあとは、この記事で書いているとおり Cowork 側のローカル保存・クラウド同期なしの前提がそのまま乗る、という理解でよさそうです。
ではデータはどこにあるのか
結論から言うと、永続的に残るプロジェクトの実体(ファイルやプロジェクト周りの情報)はローカル寄りです。一方で Claude による推論そのものは、通常の Claude 利用と同様にクラウド上のモデルに依頼するため、そこは「ローカルだけで完結している」とは言い切れません。
公式の説明を踏まえて、ざっくり次のように整理しました。
| 種別 | 置き場所のイメージ | メモ |
|---|---|---|
| ユーザーが選んだファイル・フォルダ | 自分の PC 上 | Cowork は共有したローカルへ読み書き。タスクは VM 上で実行されるが、成果物はファイルシステムへ |
| 会話履歴(Cowork) | ローカル | 「Cowork は会話履歴をコンピュータ上に保存するため、Anthropic のデータ保持期間の対象外」と明記 |
| プロジェクトデータ | ローカル(デスクトップ) | 「クラウド同期は現時点ではない」「デスクトップのみ」 |
| アーカイブしたプロジェクト | ディスク上には残る | UI からメタデータは消えるが、ローカルから消えない旨が記載 |
| モデル推論(プロンプト処理) | クラウド側のモデル | Help Center では「セッション中はインターネット接続が必要」との記載。通常のクラウド推論と同様の理解でよい |
| Cowork のアクティビティの記録 | 組織向けの監査ログ等には載らない | Audit Logs / Compliance API / Data Exports の対象外と記載 |
「ファイルもメタデータも全部ローカルで、クラウドには何も行かない」という意味ではなく、永続ストレージとして Anthropic 側にプロジェクトが丸ごと保存される、という整理ではない、と読むのが自然です。推論のためのリクエストはクラウドに送られる一方、**Cowork の会話履歴の扱いは「ローカル保存で、会社のデータ保持ポリシーの枠の外」**と説明されている、という点がポイントです。
VM(仮想マシン)で動く、とは
Cowork のヘルプ では、タスクの流れの中に次のように書かれています。
- 作業は 仮想マシン(VM)環境 で実行される
- Cowork は あなたのコンピュータ上の VM で動く
- VM により 制御された環境・メイン OS からの分離 が得られる
つまり「エージェントの実行空間」は VM 側にあり、OS 本体の隔離という意味ではローカルマシン上のサンドボックスです。一方で 許可したローカルファイルへはアクセスするので、機密ファイルを開いているときは、普段の Cowork と同様にプレビューと許可の判断が必要です。
Projects に含まれるもの
各プロジェクトには、公式に次の 4 つが含まれます。
- Instructions — トーンやフォーマット、ルールなど、プロジェクト内のタスク全体に効く指示
- Scheduled tasks — そのプロジェクトに紐づく定期タスク
- Context — ローカルフォルダ、チャットプロジェクトのリンク、URL など
- Memory — 同一プロジェクト内の作業から学んだ文脈を保持(プロジェクト間では共有されない)
Memory については、別記事へのリンクもあり、チャットの検索・メモリとあわせて読むと理解が深まります。
押さえておきたい制約
Projects 周りの「落とし穴」は、技術というより 運用の前提 にあります。
- クラウド同期なし — プロジェクトデータはマシン間で同期されない
- デスクトップのみ — Web 版ではなく Claude Desktop 前提(Windows は x64 のみなど要件あり)
- Claude Code との関係 — 現時点では「Projects は Cowork にのみ。Claude Code 向けは将来予定」と記載
複数台の PC で同じプロジェクトを使い回したい場合は、同期機能に頼れないので、Git やクラウドドライブでフォルダを運用するなど、自分で運用を決める必要が出てきます。ローカル保存はプライバシー的には分かりやすい反面、マシンをまたぐときは手間、というトレードオフです。
Claude Code との違い
Claude Code はターミナル中心で、リポジトリや CLAUDE.md など ファイルとしてのコンテキストを Git で管理しやすい側にあります。
Cowork Projects は **Claude Desktop の GUI と Cowork タスクに統合された「ナレッジワーカー向けのワークスペース」**に寄っています。
違いを整理すると、Claude Code は開発者向けのコード・リポジトリ基盤、Cowork Projects はデスクトップ上のファイル中心の長期タスク用の器、というイメージです。いわゆる「エンジニア向け」のClaude Code、「非エンジニア向け」のCowork、という棲み分けかと思います。
まとめ
Cowork Projects を触ってみて、公式の説明を踏まえて感じたのは次のとおりです。
- プロジェクトの実体(ファイル・プロジェクトの設定・会話履歴の扱い)は「ローカル」前提で説明されている
- タスクの実行は VM 上で、モデル推論はクラウドの Claude — 「ローカルだけで完結」ではない
- クラウド同期なしなので、複数マシン利用は自分で運用設計が必要
- チャットの Claude Project は「Import from a Claude project」で Cowork に取り込める(1 件ずつ、ファイルと Instructions が転送される)
- Claude Code の Projects は将来予定 — 現時点では Cowork 側が主役
冒頭で書いた「Chat の Projects との違い」は、永続データの置き場所をローカルに寄せられるか、という点で整理しやすくなった、という印象です。引き続き Cowork と Claude Code の両方を触りながら、運用が固まったらまた記事にしたいと思います。
参考資料
- How long do you store my organization's data? | Claude Privacy(Cowork の会話履歴がデータ保持期間の対象外とされる文脈で Help Center から参照されているページ)
- Organize your tasks with projects in Cowork | Claude Help Center
- Get started with Cowork | Claude Help Center
- Cowork | Claude
- The Future of AI at Work: Introducing Cowork | Anthropic Webinar
- @claudeai on X(2026-03-20)







