
ブラウザを自然言語で操作する Claude in Chrome を使ってみた
こんにちは。CX 事業本部製造ビジネステクノロジー部所属の hongkii です。
去年の 12 月に Claude in Chrome が公開されました。
公開直後はセキュリティ面の検証が十分でないと感じて様子見をしていましたが、その後プロンプトインジェクション対策や高リスクサイトのブロックなどセキュリティ面での改善が進んだと聞き、早速使ってみました。
Claude in Chrome とは?
Claude in Chrome は、Anthropic が開発した AI アシスタント Claude を Chrome 拡張機能の形で提供するサービスです。
内部的には Anthropic の Computer Use 機能をベースにしており、スクリーンショットのキャプチャとマウス・キーボード操作によってブラウザを自動で操作します。
Chrome のサイドパネルから起動し、ユーザーが見ている画面を一緒に確認しながら指示された作業を実行します。
提供状況(2026年3月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース | 2025年8月リサーチプレビュー(Max 1,000名限定)→ 11月 Max 全員 → 12月 Pro/Team/Enterprise へ拡大 |
| 利用可能プラン | Pro / Max / Team / Enterprise(無料プランは不可) |
| 対応ブラウザ | Google Chrome のみ(他の Chromium 系ブラウザ・モバイルは非対応) |
| 使用モデル | Pro は Haiku 4.5 / Max・Team・Enterprise は Opus 4.6・Sonnet 4.6・Haiku 4.5 を選択可能 |
主な機能
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| ブラウザ自動化 | ユーザーの指示に従って Web ページを閲覧・クリック・情報収集 |
| 自然言語で指示 | 「この経路の改定前後の運賃を調べて」のように自然な言葉で依頼できる |
| マルチタブ対応 | 複数のタブをまたいで連続的に作業を進められる |
| ワークフロー録画 | 作業の流れを録画し、Claude に手順を学習させる機能 |
| スケジュール実行 | 設定した時間に自動で作業を実行するタスクスケジュール機能 |
| Claude Code 連携 | ターミナルで開発しながらブラウザで動作確認まで連続して処理可能 |
| セキュリティ優先設計 | 高リスクカテゴリサイトへのアクセスをブロック(詳細は後述) |
従来の RPA(Robotic Process Automation)との違いは、事前にスクリプトを書く必要がなく、自然言語で指示するだけで Claude が状況を判断してブラウザを操作してくれる点です。
たとえば毎月の交通費精算のように繰り返す作業は、ワークフロー録画で手順を学習させておけば、スケジュール実行で自動化することも可能です。
今回のお題
2026年3月14日、JR東日本をはじめとする複数の交通機関の運賃が一斉に改定されました。
JR と東京メトロを乗り継ぐ通勤経路は、JR 区間が今回の運賃改定の対象に含まれているため、通勤手当の再申請が必要なケースです。
会社から通勤手当の変更申請が必要との案内があり、改定後の片道運賃を調べて入力する必要がありました。
この作業を Claude in Chrome に任せてみました。
やってみた
作業の流れ
Claude in Chrome に次のように指示しました。
Yahoo!路線情報を利用して、横浜から虎ノ門までの運賃改定について調べて
運賃については、改定前後の料金についてスクショして保存して
すると Claude は以下を自動で実行しました。
- Yahoo! 路線情報を開く
- 横浜 → 虎ノ門 のルートを 3月13日(改定前) の日付で検索 → IC 運賃を確認 (スクショ)
- 同じルートを 3月14日(改定後) の日付で検索 → IC 運賃を確認 (スクショ)
- 結果を比較表にまとめて報告
一度の指示だけで、調査から比較結果の報告まで完了しました。
実行画面
下は Claude in Chrome が改定前後の運賃を自動で調査している実際の画面です。

約 2 分で改定前後の運賃を自動で調べ、比較結果をまとめてくれました。
使用に適したケース / 適さないケース
| 向いている作業 | 向いていない作業 |
|---|---|
| 複数サイトの情報収集・比較 | 一回きりの簡単な検索(セットアップコストが見合わない) |
| 毎週・毎月繰り返すレポート業務 | ネットバンキング・決済・証券口座 |
| Claude Code と連携したブラウザ動作確認 | 個人情報を含むフォームの入力・送信 |
情報収集は Claude、判断と送信は自分がする。 この使い分けを意識するだけで安全に活用できると思います。
リスクと注意事項
Claude in Chrome は便利なツールですが、Anthropic の公式ブログでは実際の危険性とその対策が詳しく公開されています。
1. プロンプトインジェクション
悪意ある Web ページやメールに埋め込まれた指示文が Claude を操作し、意図しない動作を引き起こす可能性があります。
Anthropic の検証では、メール内の指示で Claude がユーザーの確認なしにメールを削除した事例が確認されています。

Anthropic が公開した実際の検証結果
現在はサイト別の権限設定、高リスク操作前の確認要求、金融系サイトのブロックなどの対策が導入されています。
2. 機密情報の流出リスク
Claude はスクリーンショットで画面内容を把握するため、表示中の個人情報やパスワードが意図せず送信される可能性があります。
3. 使用量の消費が速い
ブラウザ自動化は操作のたびにスクリーンショットを撮影・解析するため、通常のチャットより多くのトークンを消費します。
最後に
ブラウザ上の手作業を自然言語の指示だけで代替でき、検索から結果の整理まで一気に完了してくれるのは想像以上に実用的でした。
中でも「調べて比較する」という作業には全般に応用できる印象でした。
毎回繰り返される作業に、この記事がお役に立てれば幸いです。








