
Claude in Excel でExcel方眼紙とMarkdownを相互に変換してみた
こんにちは、なおにしです。
Claude in Excel を使用してExcel ファイルの読み書きを検証する機会がありましたのでご紹介します。
はじめに
2026年2月5日 Claude Opus 4.6 が利用可能になりました。
記載のとおり、同時に「Claude in PowerPoint」がプレビューとして公開され、弊社でも早速やってみたブログが公開されています。PowerPoint 内のアドインとしてClaude を実行することで、スライドを生成・編集することが可能です。
スライド生成もすごいですが、 個人的に気になったのはOpus 4.6 で「Claude in Excel」にも大幅なアップグレードが施されているという記載でした。
We’ve made substantial upgrades to Claude in Excel, and we’re releasing Claude in PowerPoint in a research preview.
これまでの業務経歴においては、あらゆる文書をExcel で表現する伝統的な文化、その最たる象徴ともいえるExcel 方眼紙を実務でリアルに経験している私ですが、弊社に入社以降は幸いなことに(?)文書といえば基本的にマークダウンで事足りる状況が続いていました。
しかし、直近の業務では数年ぶりに再度 Excel にお世話になる可能性が高くなっており、納品物としてExcel 方眼紙を作成しないといけない事態も視野に入れていました。また、既存の設計書( = Excel方眼紙)を読み解く必要もありました。
膨大な設計書を要約し、理解を早めるためにはAI ツールを活用したいところです。ですが、AI ツールを活用するのであれば可能ならMarkdown 形式にしたいため、例えば以下のようなアプローチも模索されています。
そこで今回は、上記とは別のアプローチとして「Claude in Excel」を用いてExcel 方眼紙と Markdown 形式を相互に変換してみます。
やってみた
事前準備
「Claude in Excel (Microsoft Marketplace での名称はClaude by Anthropic in Excel)」はExcel のアドインとして提供されるため、Excel とClaude(Pro/Max/Team/Enterprise プランのいずれか)が手元にある方であれば、以下サイトのGet it nowボタンから簡単に追加可能です。

念のため、公式サイトに記載の注意事項や制限の和訳も以下に引用しておきます。
- 知っておくべきセキュリティリスクは何ですか?
- Excel の Claude は既存のセキュリティフレームワーク内で動作します。Claude はミスをする可能性があるので、特にクライアント向けの成果物の場合は、最終決定前に必ず変更内容を確認してください。
- どのようなファイル形式がサポートされていますか?
- 現在、.xlsx および .xlsm ファイルをサポートしています。ファイルサイズの制限は、Claude プランによって異なります。
ケース1:Excel 設計書のMarkdown 化
例として、以下のように特定のデーモンに関する設計書があるとします。内容は適当です。純粋なExcel 方眼紙ではありませんが、多少は行/列の幅を変えつつ記載しているパターンも多いかと思います。

注目箇所は以下のとおり、いくつかあります。なぜこんな書き方になっているのか、Excel で設計書を書いたことがある方ならお察しだと思います。
-
セル内の値が数式かつ表示形式がユーザー定義になっている

-
日付が関数になっている

-
列番号が数式になっている

今回は以下のプロンプトを単純に実行してみました。
現在のシートに記載の内容をマークダウン形式でコードブロックに出力してください。正確なレイアウトを保つ必要はありません。マークダウン形式として読みやすいレイアウトでお願いします。

結果が出力されました。コピーボタンが欲しいところです。

出力されたマークダウンは以下のとおりです。
# testservice設計書
本設計書はtestserviceに関するパラメータを記載したものである。
---
## (1) パッケージ情報
| No. | パッケージ | バージョン | 補足 |
|-----|----------------|-----------|-------------------|
| 1 | testservice | 17.14.2 | testservice本体 |
---
## (2) サイジング
| No. | 基本サイズ | 必要ノード数 | 必要サイズ | 補足 |
|-----|-----------|------------|-----------|------|
| 1 | 100 | 3 | 0.293 | |
---
## (3) 基本設定
※ 設定変更箇所および重要箇所のみ記載。未記載のパラメータはデフォルト値とする。
### ・自動起動設定
| No. | サービス名 | デフォルト値 | 設定値 | 補足 |
|-----|------------------------|------------|---------|------|
| 1 | testservice.service | disabled | enabled | |
### ・サービス設定(/usr/lib/systemd/system/testservice.service)
| No. | 設定内容 | 補足 |
|-----|----------------------------|-----------------------------------------|
| 1 | [Unit] | |
| 2 | … | |
| 3 | | |
| 4 | [Service] | |
| 5 | … | |
| 6 | # Maximum locked memory size | |
| 7 | LimitMEMLOCK=infinity | JVMがメモリを確保可能にするために設定 |
| 8 | | |
| 9 | [Install] | |
| 10 | … | |
| 11 | | |
### ・基本設定(/etc/testservice/testservice.yml)
| No. | 設定内容 | デフォルト値 | 設定値 | 説明 | 設定諸元 |
|-----|------------------------|-----------------------|-------------------------------|--------------------------------|----------------------------------------------------------------------|
| 1 | cluster.name | testservice | 【ホスト名】 ※末尾の数字無し | クラスタ名 | クラスタ構成としないため、個別の名称とする。 |
| 2 | node.name | (設定無し) | 【ホスト名】 | ノード名 | デフォルトでは動的にノード名が決まるため、個別の名称を指定する。 |
| 3 | path.data | /var/lib/testservice | /var/hoge/testservice | インデックスデータの格納先 | データの格納先は"/var/hoge/testservice"とする。 |
| 4 | path.logs | /var/log/testservice | (デフォルト値) | ログの格納先 | ログの格納先は"/var/log/testservice"とする。 |
| 5 | http.port | 1234 | (デフォルト値) | http通信のポート設定 | 特段の理由はないため、デフォルト値のままとする。 |
| 6 | fuga.security.enabled | (設定無し) | true | testserviceのセキュリティ設定 | HogeAppでBasic認証を有効にするために必要な設定のため、有効化する。 |
| 7 | path.repo | (設定無し) | /var/hoge/testservice/backup | バックアップ先のディレクトリパス | 容量が大きいパーティションとする。 |
### ・JVM設定(/etc/testservice/jvm.options)
| No. | 設定内容 | デフォルト値 | 設定値 | 説明 | 設定諸元 |
|-----|-------------------------------|------------|-------|---------------------|---------------------------------------|
| 1 | -Dlog4j2.formatFooBarkups | (設定無し) | true | ログ出力に関する設定 | 脆弱性の対象となる機能を無効化する。 |
Typora にコピペした結果は以下のとおりです。


事前に記載していた注目箇所については以下のとおりでした。
- セルの書式設定で定義した単位(MB、GB)が記載されていなかった
- TODAY()関数で定義した日付が記載されていなかった
- 列番号の数式については拾うことができた
その後プロンプトを工夫してみましたが、[セルの書式設定]の[表示形式]に関する部分は取得が難しいようです。日付についても同様の理由で脈略の無いただの数値として認識されたため、誤記としてマークダウンには出力されなかったと考えられます。
とはいえ、個人的には感動するくらいの精度でマークダウン化できていると思います。今回は割愛しますが、純粋なExcel方眼紙(セル結合が駆使されているもの)についても試してみたところ、良い感じにマークダウン化できましたのでぜひお試しください。
ケース2:Markdown 資料のExcel 方眼紙化
AI ツールへの読み込みを目的とした Excel のテキスト化は、前述の方法以外にも色々あるかと思います。
先ほどのパターンで難しかった[セルの書式設定]の[表示形式]に関する部分についても、例えばExcel をPDF 出力した後にAI ツールに読み込ませれば解決できる可能性はあります。
問題はMarkdown で記載された内容をExcel 設計書としてまとめる必要があるパターンです。当然ですが(?)、Markdown 形式のままExcel にコピペして納品物としてお客様に提出することはできません。
というわけで、Markdown 形式で記載された資料を「Claude in Excel」を用いてExcel 方眼紙に転記してみます。
事前にExcel 方眼紙テンプレートを準備します。最初はテンプレートを準備せずにプロンプトを試したのですが、印刷範囲やセルの幅などの指示が難しく、実際の利用でも何らかのテンプレートに転記するパターンの方が多いかと思い、簡単なテンプレートについては手動で準備することにしました。
まず、左上端を押下してシートのセル全体が選択された状態にした上で列の幅を行の幅のピクセルと合わせましょう。

ページサイズがA4になっていることを確認し、幅を1ページで指定します。

ついでに見やすいように表示を[改ページ プレビュー]にしておきましょう。これで印刷の際のレイアウトもチェックできます。慣れたものです。

それでは本題に戻って、今回対象とするMarkdown 形式の資料は以下です。今度は設計書ではなく申請書というテイです。内容はもちろん適当です。
# IT資産管理システム 設定変更申請書
<p align="right">____年__月__日</p>
------
## ■ 基本情報
| 項目 | 内容 |
| :----------------- | :--------------------------------------------------------- |
| **申請部署** | |
| **対象システム名** | |
| **申請区分** | □ 新規登録 □ 設定変更※ □ 登録削除 |
| **希望適用日** | ____年__月__日 ( ) □ 以前 □ 以降 □ 当日 |
> ※原則、申請日の10営業日後以降の日付を記載すること
------
## ■ 対象環境
| 選択 | 環境名 |
| :--- | :------------------- |
| □ | 本番環境(東日本DC) |
| □ | 検証環境(西日本DC) |
------
## ■ 申請理由および詳細
| |
| :------------------------------------------------------------------------------------- |
| 【記入例】 |
| 新規構築した受注管理システム(srv-order-01~03)を監視対象として追加するため申請します。 |
| 対象ホスト:srv-order-01, srv-order-02, srv-order-03 |
| 監視項目:サービス稼働確認、リソース使用量、ログ収集ルール |
| 閾値設定:CPU 80%以上でWarning、90%以上でCritical |
| 通知先:infra-team@example.co.jp |
| |
| |
> ※ 申請区分で設定変更を選択した場合、変更前の設定内容を明記すること
------
## ■ 添付資料
| 選択 | 資料名 | | 選択 | 資料名 |
| :--- | :--------------------------------- | :--- | :--- | :------------------------------- |
| □ | 設定申請書(導入エージェント) | | □ | 設定申請書(バックアップ設定) |
| | ─────────────── | | □ | 設定申請書(パフォーマンス閾値) |
| □ | 設定申請書(ホスト基本情報) | | □ | 設定申請書(構成管理台帳) |
| □ | 設定申請書(サービス稼働確認) | | □ | 設定申請書(アラート分類定義) |
| □ | 設定申請書(リソース使用量) | | □ | 設定申請書(メール通知ルール) |
| □ | 設定申請書(ログ収集ルール) | | □ | 設定申請書(通知抑制ルール) |
| □ | 設定申請書(アラート通知/抑制) | | □ | 設定申請書(外部連携設定) |
| □ | 設定申請書(トラップ受信設定) | | □ | ネットワーク構成図(トポロジ) |
| □ | 設定申請書(ヘルスチェック) | | □ | その他( ) |
------
## ■ 連絡先
| | ベンダー連絡先 | 申請者 |
| :--------- | :------------- | :----- |
| 所属・氏名 | | |
| 連絡先 | | |
Typora にコピペした結果は以下のとおりです。

今回は対象がExcel 方眼紙であることを以下のプロンプトで先に確認してもらいます。
まず、現在のシート構成を読み取ってください。申請書を記載するためのExcel方眼紙です。この方眼紙に、マークダウン形式の資料を整形して記載していきます。
レイアウトを尋ねられたので、資料を見てから決めたいを選択してみます。

以下のプロンプトで作成を依頼します。
以下はシステムに関する申請書のフォーマットです。こちらを、A4一枚に収まるようにレイアウトを整えながら記載してください。必ずしもマークダウンのフォーマットを維持する必要はありません。Excel方眼紙に最適化してください。
(略)

作成が完了しました。さすがに読み取りであるMarkdown 化よりは時間がかかりましたが、それでも数分でした。

かなり良い感じに作成できているのではないでしょうか。見てのとおり、Excel 方眼紙上でセル結合を駆使して違和感のない申請書形式になっているかと思います。一方で、例えば【記入例】の内容が一部転記されていなかったりもするので、内容が転記元を網羅しているかどうかは確認が必要です。
まとめ
Excel 方眼紙で資料作成する将来に怯えていましたが、少しだけ希望が見えてきました。
今回は数式のレビューやデータの視覚化といった本来の(?)用途とは異なる検証しかしていないので、普段Excel を活用されている方はぜひお試しください。
本記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。







