Q Developer CLIで Haiku 4.5とSonnet 4.5/4 のコード生成性能を比較してみた
2025年11月、Kiro および Q Developer CLI で、Anthropic社 の最新AIモデル、Claude Sonnet 4.5、および Haiku 4.5 が利用可能になりました。
今回、これらの新モデルと、従来のSonnet 4 を Q Developer CLI (Proライセンス) で利用して、同一のプロンプトでJavaScriptコードの生成を試し、モデル毎の生成速度と、コードの特性を比較する機会がありましたので、紹介します。
検証方法
「AWSをテーマにしたテトリスゲーム」の作成をタスクとして設定し、各モデルに同一のプロンプトでコード生成を指示しました。
コード生成プロンプト
次のプロンプトでモデル毎にコード生成を試みました。
AWSをテーマにしたテトリスゲームを作りたいです。HTML/CSS/JavaScript(ライブラリ不使用)で開発してください。
テーマの詳細:
ブロック(テトリミノ)は、EC2やS3などAWSサービスのイメージカラーを使ってください。
背景はAWSコンソールのようなデザインにしてください。
ゲームの仕様:
スコア、レベル、次のブロックを表示するUIをください。
操作はキーボードの矢印キー(左右移動、回転)、スペースバー(ハードドロップ)で行えるようにしてください。
ゲームオーバーの表示も実装してください。
コードの形式:
index.html, style.css, script.js の3つのファイルに分けてコードを生成してください。
テトリスゲームのコード生成の所要時間を測定し、コード生成が完了した後、最後に報告してください。
(注: 検証にあたり、Q CLIの execute_bash や fs_write などのツール使用確認は、セッション中 t (trust) を指定し、自動承認する設定で実行しています。)
結果
デザインに差異はありますが、ブラウザ上で操作可能なゲーム画面が表示できました。

生成速度
コード3ファイル(HTML/CSS/JS)をすべて生成完了するまでの所要時間は、モデル間で明確な差が現れました。
- Haiku 4.5 : 25.56秒
- Sonnet 4.5 : 65.73秒
- Sonnet 4 : 60.43秒
Haiku 4.5は、Sonnet 4および4.5と比較して2倍以上高速な応答速度でした。
特性比較
各モデルが生成したコード(合計行数、UI、実装アプローチ)を分析したところ、単なる速度差だけでなく、実装にも差異が確認されました。
7% > haiku45 sonnet45 sonnet4 3つのディレクトリ配下に作成されたファイルについて解析。実装の違いについて完結に解説して
> ## 3つのTetris実装の違い(簡潔版)
### コード量
• **haiku45**: 514行(最大)- HTML 52行、CSS 206行、JS 256行
• **sonnet45**: 410行(最小)- HTML 37行、CSS 111行、JS 262行
• **sonnet4**: 408行 - HTML 44行、CSS 121行、JS 243行
### 主な実装の違い
haiku45
• 日本語UI、詳細な操作説明
• 配列で色管理、動的回転計算
• Date.now()でタイミング管理
• レスポンシブデザイン対応
• 最も視覚的に洗練
sonnet45
• 英語UI、シンプル構造
• 配列で色管理、動的回転計算
• ArrowDown対応(高速落下)
• 最小限のコード
• 効率重視
sonnet4
• 日本語UI、セマンティックHTML
• オブジェクトで色管理(テトロミノ種別ごと)
• 事前定義された回転状態(最も正確)
• restartGame()関数でリセット
• kebab-case命名規則
### 技術的特徴
| 項目 | haiku45 | sonnet45 | sonnet4 |
|------|---------|----------|---------|
| 色管理 | 配列 | 配列 | オブジェクト |
| 回転 | 動的計算 | 動的計算 | 事前定義 |
| UI複雑度 | 高 | 低 | 中 |
| コード品質 | 詳細 | 効率的 | 洗練 |
### 結論
• **haiku45**: UI/UX重視、初心者向け
• **sonnet45**: 効率重視、プロトタイプ向け
• **sonnet4**: 技術重視、プロダクション向け
まとめ
今回の検証から、プロンプトの指示が同一であっても、使用するモデルによって「速度」と「成果物の特性」が大きく異なることが明らかになりました。
今回のプロンプトでは「AWSサービスのイメージカラー」と抽象的な指示にしたため、各モデルが独自に解釈し、実装にバラツキが生じたものと考えられます。
Haiku 4.5の速度と、Sonnet系の洗練度を踏まえると、プロトタイピング「叩き台」の迅速な作成に、応答速度に優れた Haiku 4.5 を活用。
Haiku 4.5の生成内容が物足りない、別のアプローチを試したい場合に、Sonnet 4.5を「セカンドオピニオン」として併用する事で、効率の良い利用が実現できると考えられます。






