
Cloud SQL と AlloyDB のマネージドデータベースが Arm ベースの Axion に対応しました #GoogleCloudNext
ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。
現在 Google Cloud Next 2025 が開催されているラスベガスに来ています。続々と新しい発表がされていますが、まずは データベース関連のアップデートからご紹介します。
Google Axion processors boost AlloyDB, Cloud SQL, major customers, and ISVs
Axion プロセッサ対応
Axion は昨年の Google Cloud Next '24 で発表された Arm ベースの CPU です。同等の現世代の x86 ベースのインスタンスに比べて最大 65% 優れた価格性能比と最大 60% 優れたエネルギー効率を実現しています。Compute Engine では C4A として利用できます。
Google はブログ上で、トランザクションワークロードで N シリーズ VM よりも約 50% 優れたコストパフォーマンスを提供して、Amazon の同等の Graviton 4 製品よりも最大 2 倍優れたスループットを実現していると主張しています。
When running on C4A instances, AlloyDB and Cloud SQL provide nearly 50% better price-performance than N series VMs for transactional workloads, and up to 2x better throughput than Amazon’s equivalent Graviton 4 offerings.
現時点では、Cloud SQL と AlloyDB の Axion 対応は C4A マシンシリーズとしてプレビューになっています。
対応リージョン
現時点ではプレビューのため、一部のリージョンのみ対応しているようです。
- asia-east1 (台湾)
- asia-southeast1 (シンガポール)
- europe-west1 (ベルギー)
- europe-west2 (ロンドン)
- europe-west3 (フランクフルト)
- europe-west4 (オランダ)
- us-central1 (アイオワ)
- us-east1 (サウスカロライナ)
- us-east4 (北バージニア)
料金
現時点ではプレビューのため明示されていません。料金が判明後アップデートしたいと思います。
やってみる
AlloyDB で起動してみます。リージョンは us-east1 (サウスカロライナ) にしています。
クラスタの作成
AlloyDB のコンソールからクラスタを作成していきます。
任意のクラスタ名などを設定します。
マシンシリーズでC4A
を選択します。
AllouDB のマシンシリーズは以下のような選択肢になっています。
必要なネットワークなどの設定を行います
暫く待つと C4A のインスタンスができます。
読み取りプールの作成
読み取りプールも作成してみます。
読み取りプールで異なる CPU アーキテクチャの N2 も選択できるので、そちらも作成してみます。
この様にインスタンスができました。
psql コマンドでのアクセス
実際にアクセスしてみます。プライマリインスタンスにアクセスします。
$ psql -U postgres -h 10.34.83.2
Password for user postgres:
psql (10.23, server 16.3)
WARNING: psql major version 10, server major version 16.
Some psql features might not work.
SSL connection (protocol: TLSv1.3, cipher: TLS_AES_256_GCM_SHA384, bits: 256, compression: off)
Type "help" for help.
postgres=>
テーブルを作成して、レコードを挿入します。
postgres=> CREATE TABLE entries (guestName VARCHAR(255),
postgres(> content VARCHAR(255),
postgres(> entryID SERIAL PRIMARY KEY);
CREATE TABLE
postgres=> INSERT INTO entries (guestName, content) values ('Alex', 'I got here!');
INSERT 0 1
postgres=> INSERT INTO entries (guestName, content) values ('Kai', 'Me too!');
INSERT 0 1
postgres=> SELECT * FROM entries;
guestname | content | entryid
-----------+-------------+---------
Alex | I got here! | 1
Kai | Me too! | 2
(2 rows)
読み取りプール インスタンスにアクセスします。まずは Axion のインスタンスです。
$ psql -U postgres -h 10.34.83.5
Password for user postgres:
psql (10.23, server 16.3)
WARNING: psql major version 10, server major version 16.
Some psql features might not work.
SSL connection (protocol: TLSv1.3, cipher: TLS_AES_256_GCM_SHA384, bits: 256, compression: off)
Type "help" for help.
postgres=>
クエリも普通に実行できます。
postgres=> SELECT * FROM entries;
guestname | content | entryid
-----------+-------------+---------
Alex | I got here! | 1
Kai | Me too! | 2
(2 rows)
次に N2 のインスタンスへアクセスします。
$ psql -U postgres -h 10.34.83.7
Password for user postgres:
psql (10.23, server 16.3)
WARNING: psql major version 10, server major version 16.
Some psql features might not work.
SSL connection (protocol: TLSv1.3, cipher: TLS_AES_256_GCM_SHA384, bits: 256, compression: off)
Type "help" for help.
postgres=>
こちらも問題無くクエリを実行できました。
postgres=> SELECT * FROM entries;
guestname | content | entryid
-----------+-------------+---------
Alex | I got here! | 1
Kai | Me too! | 2
(2 rows)
CPU アーキテクチャが異なるインスタンス間でも特に問題なくレプリケーションができているようです。
さいごに
AlloyDB Omni は Arm プロセッサに対応済みで、昨年に Compute Engine に Axion が搭載されたのでいつかは来ると思っていましたが、Google Cloud Next に合わせてきました。既存の psql コマンドでも問題なくアクセスでき、既存の x86 アーキテクチャのインスタンスとも問題無くレプリケーションで来ているようです。そのためアプリケーション側の修正は必要ないので、コストパフォーマンスが良い C4A を優先的に使ったほうが良さそうです。現時点ではプレビューですが、GA されたタイミングで載せ替えられるように準備しておきましょう。