#cmdevio2016 (レポート: D-2) AWSにおけるエンタープライズシステムの理想と現実についてお話しました。

2016.02.22

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こんにちは、城内です。
先日開催したDevelopers.IO 2016D-2セッションにて、「AWSで生まれ変わる新しいエンタープライズシステムの理想と現実」というタイトルでお話しさせて頂きました。
当日は悪天候の中大変多くの方にご来場頂き、改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!

少し時間が経ってしまいましたが、当日お話ししたスライドを公開しましたので、ぜひご覧ください。

概要

クラウドファーストの流れでエンタープライズシステムにも浸透してきたAWS。いまやサーバ数百台のシステムも安定稼働させることができるプラットフォームとなり、次々とエンタープライズシステムがAWSへの移行を進めているが、そんな中でもAWSの進化と革新は止まらない。
安定稼働を重視するエンタープライズシステムが、進化と革新を続けるAWS上で新しいシステムの形を模索する。そんなAWSコンサルティングの現場に渦巻く理想と現実を、元エンプラSEが熱く語ります。

といった感じの前振りで、弊社にしては全然テクニカルな内容ではなかったため、正直ご来場頂く方々にとってどうなんだろうと不安でしたが、多くの方にご参加頂けてとても嬉しかったです。

スライド

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質疑応答

当日は、少なめのスライドにしたもののついつい話が長くなってしまい、質疑応答の時間がとれず大変申し訳ありませんでした。
私としては皆さまの声も伺いたかったので、本当に無念です。。

ですが、終了後に個別で頂いたご質問がありまして、その回答で皆さまにもお伝えしたい内容がありましたので、補足しておきます。

ご質問

ご質問としては、「お客様のAWS移行を進めているのだけれど、なかなかスムーズにいかず苦労している。クラスメソッドは具体的にどういった方法でアプローチしているのか?」といったような内容でした。
これに対しては、あくまで弊社での実績ベースになるので、汎用的に有効であるのかは分かりませんが、ご参考として以下のようなアプローチをご紹介しました。

ご回答

AWSへのシステム移行の位置付けを、それ自体が目的になってしまうような進め方をするのではなく、あくまでもビジネスの目的達成のためのプロセスの一部として捉えるように進める、というアプローチがあります。
お客様がシステム部門のご担当様の場合、どうしてもシステムの話に終始してしまいがちなのですが、そこはセッションでもお話しさせて頂いたように、あくまでもシステム要件はビジネスオリエンテッドであるという点を忘れずに、視点を根本にあるビジネスの方に向けることによって、話がスムーズに進むことが多々あります。

弊社の事例で言えば、データ分析を行いたいというお客様の要望に応える過程でシステムをAWS上に構築すると、お客様の要望はあくまでデータ分析にあるため、自然とAWSに対する不安感や抵抗感が二の次になり、プロジェクトが推進しやすくなります。
また、その期間もなるべく短期間でなければならないと思います。なぜなら、そこで時間をかけてしまうと、なかなか出来上がらないシステムに対して目が向くようになってしまい、細かな指摘が入るようになってしまうからです。

AWSの導入に関しては、とにかくAWSを利用して実績を積むことが有効だと考えます。
セッションの中ではいろいろな教訓を挙げましたが、それらが走り出しの勢いを妨げるようなことになっては本末転倒ですので、そこはミニマムで始めて後からブラッシュアップしていく方法で、まずはビジネスの成長を少しでも支援するようなシステムを目指してみてください。
もし可能であれば、そこでAWS専業ベンダー、またはAWS専門の技術者がプロジェクトに参画できていれば、その後もうまくいくことと思います。

さいごに

今回のセッションでは、理想と現実という観点でAWSマイグレーションにおけるハマりポイント(ギャップ)を少しだけご紹介し、私なりの教訓をまとめてみました。ぜひ、エンジニアの方にも、情報システム部の方にも、事業企画部の方にも見てもらえたら幸いです。