AWSハードウェアVPNでトンネルCIDRと事前共有鍵が設定可能になりました
こんにちは、菊池です。
VPCへのハードウェアVPNでは、カスタマーゲートウェイ(オンプレミス側のルータ)のプライベートIPと、ルーティングプロトコル(BGP or Static)を設定することで、簡単に接続をすることが可能です。このVPN接続において、トンネル接続に使用するCIDRと事前共有鍵(Pre-Shared-Keys)を指定することが可能になりました。
- AWS VPN Update – Custom PSK, Inside Tunnel IP, and SDK update
- Configuring the VPN Tunnels for Your VPN Connection | Amazon Virtual Private Cloud ユーザガイド
これまで、トンネルのCIDRと事前共有鍵(Pre-Shared-Keys)は、ダウンロードできるサンプルコンフィグにて自動で割当されていました。今回のアップデートにより、この2つのパラメータが明示的に指定可能になります。
トンネルCIDR
以下のように、VGWとカスタマーゲートウェイの間に作成されるトンネルに割り当てるIPアドレスブロックです。
以下を除く、リンクローカルアドレス:169.254.0.0/16の範囲から、/30のサイズで指定できます。
利用できない範囲
- 169.254.0.0/30
- 169.254.1.0/30
- 169.254.2.0/30
- 169.254.3.0/30
- 169.254.4.0/30
- 169.254.5.0/30
- 169.254.169.252/30
事前共有鍵(Pre-Shared-Key)
IKEの認証に用いる文字列です。8〜64文字の範囲で、英数、ピリオド、アンダースコアが利用可能です。また、0で始まる文字列は利用できません。
指定しない場合、ランダムな32文字の文字列で設定されます。
やってみた
実際に試してみます。
マネジメントコンソールで、VPCのメニューから[VPN接続の作成]に進みます。Tunnel Optionsの項目に、CIDRとPre-Shared-Keyを設定する項目があります。
以下のように設定し、作成してみました。
サンプルコンフィグ(Cisco ISR)をダウンロードしてみました。
~~~~~~~~省略~~~~~~~~ crypto keyring keyring-vpn-55f1103c-0 local-address xxx.xxx.xxx.xxx pre-shared-key address xxx.xxx.xxx.xxx key ClassmethodTest exit ~~~~~~~~省略~~~~~~~~ interface Tunnel1 ip address 169.254.10.2 255.255.255.252 ip virtual-reassembly tunnel source xxx.xxx.xxx.xxx tunnel destination xxx.xxx.xxx.xxx tunnel mode ipsec ipv4 tunnel protection ipsec profile ipsec-vpn-55f1103c-0 ! This option causes the router to reduce the Maximum Segment Size of ! TCP packets to prevent packet fragmentation. ip tcp adjust-mss 1379 no shutdown exit ~~~~~~~~省略~~~~~~~~ crypto keyring keyring-vpn-55f1103c-1 local-address xxx.xxx.xxx.xxx pre-shared-key address xxx.xxx.xxx.xxx key ClassmethodTest exit ~~~~~~~~省略~~~~~~~~ interface Tunnel2 ip address 169.254.10.6 255.255.255.252 ip virtual-reassembly tunnel source xxx.xxx.xxx.xxx tunnel destination xxx.xxx.xxx.xxx tunnel mode ipsec ipv4 tunnel protection ipsec profile ipsec-vpn-55f1103c-1 ! This option causes the router to reduce the Maximum Segment Size of ! TCP packets to prevent packet fragmentation. ip tcp adjust-mss 1379 no shutdown exit ~~~~~~~~省略~~~~~~~~
2つのトンネルに割り当てるIPアドレスと、事前共有鍵が反映されています。
まとめ
以上です。
細かいアップデートですが、これまでの完全なランダムな適用に対し、複数のVPN接続をする際の管理や、社内のポリシーに従った設定ができるようになりました。もちろん、指定が不要な場合には、これまで通り特に意識することなく設定することも可能です。