[アップデート] 新規アカウントの Cost Explorer 有効時に AWS Cost Anomaly Detection(コスト異常検出)のアラートが自動作成されるようになりました

2023.03.28

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いわさです。

AWS Cost Anomaly Detection(コスト異常検出)を使うと機械学習モデルを利用して 異常なAWSコストの発生を検出することが出来ます。

本日のアップデートで Cost Explorer を有効化したタイミングで、Cost Anomaly Detection のコストモニターとアラートサブスクリプションが自動で作成されるようになりました。

新しい AWS アカウントを用意してこちらの挙動を確認してみましたので紹介します。

コストモニターとアラートサブスクリプション

自動で作成される Cost Anomaly Detection のコストモニターとアラートサブスクリプションについて軽くおさらいしておきます。

コストモニターは異常検出の対象を指定します。
AWS の全サービスを対象とすることが多いですが、管理アカウント上で特定の連結アカウントをモニターしたり、あるいはコスト配分タグなどを対象に構成することも出来ます。

アラートサブスクリプションは対象のコストモニターがどういう条件の時にアラートをどこに送信するのかを定義します。
どういう条件で異常と判断するかどうかは機械学習モデルに基づいて Cost Anomaly Detection が自動で行う形となり、ユーザーの介入は出来ません。

ただし、異常が検出された際に、アラートを送信する閾値については設定することが出来ます。
異常が検出されても、「○ドル以上を超えた時のみアラートを送信する」などアラートコントロールが出来ます。

閾値設定については以前紹介したことがあります。

従来は Cost Anomaly Detection を使用したい全ユーザーはコストモニターとアラートサブスクリプションを手動で作成する必要がありました。

新規スタンドアロンアカウントで自動構成される

組織に紐付かない新規 AWS アカウントを作成しました。

Cost Explorer の有効化後に、Cost Anomaly Detection が構成されたことを説明する E メールがルートユーザー宛に送信されていました。

Cost Anomaly Detection コンソールを確認してみると、自動でコストモニターが 1 件作成されています。
モニタータイプは全 AWS サービスです。ちなみに 1 つのアカウントでモニタータイプが AWS サービスのコストモニターは 1 件までしか作成出来ません。

アラートサブスクリプションも自動で 1 件作成されています。

閾値は 100 ドルかつ 40 % 以上となっていました。
アラートの送信先はルートユーザーメールアドレスとなっています。

なお、このアラートサブスクリプションは編集可能なので、閾値やアラート送信先をカスタマイズ出来ます。
AWS アカウントの使用状況に応じてカスタマイズしておくと良さそうです。
ちなみに私は 0.1 % 以上とかで異常検出時には即通知するようにしてます。

新規メンバーアカウントでは自動構成されない

先程は新規スタンドアロンアカウントでしたがメンバーアカウントでも試してみます。
おそらくこちらの挙動のほうが気になっている方は多いのでは無いでしょうか。

Organizations のメニューからアカウントを追加します。

アカウント追加後に確認するだけなのですが、確認してみたところ新規メンバーアカウントでは自動での作成はされませんでした。

アップデートアナウンスにも記載のとおり新規に Cost Explorer を有効化した管理アカウント/スタンドアロンアカウントで自動構成されるようです。

... will be created for new Cost Explorer users (enabled on and after March 27, 2023) with a regular standalone account or a management account.

個別のメンバーアカウントで構成したい場合は従来どおり手動でコストモニターとアラートサブスクリプションを構成しましょう。

さいごに

本日は新規アカウントの Cost Explorer 有効時に AWS Cost Anomaly Detection(コスト異常検出)のアラートが自動作成されるようになったので確認してみました。

Cost Explorer 有効化済みの既存アカウントと、メンバーアカウントについては今回のアップデートの影響は無さそうですね。
新規スタンドアロンアカウント作成時に自動で作成されるようになったのが従来と異なる点なので覚えておきましょう。

また、Cost Anomaly Detection は追加料金が発生せずに利用出来る機能となっていますので、Cost Anomaly Detection 自体はそのまま使って頂いて問題ないと思います。