【小売業界のシステム部門必見】キャッシュレスでウォークスルー「Developers.IO CAFE」〜小売の最新型をAWSで構築〜 #AWSSummit
弊社は自社開発のレジレス、キャッシュレス、ウォークスルー決済が可能なカフェを経営する AWS 専業プレミアコンサルティングパートナーです。何を言ってるんだ!とお叱りをいただくかもしれませんが、これは事実であり世界で唯一と言っても過言ではない変わった会社です。
本日(2019年 6月 27日)、グランフロント大阪で開催されております AWS Summit Osaka 2019 にて弊社代表(横田)の講演「キャッシュレスでウォークスルー「Developers.IO CAFE」〜小売の最新型をAWSで構築〜」を聴講しました。
過去に飲食店(大手居酒屋チェーン)店舗責任者を経験したことのある筆者の一風変わった(元小売業者)目線や感覚で、皆様にレポートをお届けしたいと思います。 なお、2019年 6月 27日時点で筆者も自社のカフェを体験していないため、関西在住の多くの読者の皆様方と同じ感覚で講演を聴講していることを合わせて補足しておきます。
冒頭最後になりますが、今月の初旬(2019年 6月 12日 ~ 14日)に開催されておりました AWS Summit Tokyo 2019 や デジタルサイネージ ジャパン(DSJ) 2019 で既に講演済みのため、以前の弊社ブログを合わせてご紹介しておきます。
スピーカー:クラスメソッド株式会社 代表取締役 横田聡
レポートの前に
僭越ながら、弊社の Developers.IO CAFE(デベロッパーズ・アイオー・カフェ)について少しご紹介しておきます。
- Developers.IO CAFE | クラスメソッド
- Developers.IO CAFE | UX MOVIE - YouTube
- レジレス、完全キャッシュレス店舗「Developers.IO CAFE」技術紹介 - YouTube
Developers.IO CAFE は、2019年2月に「新しい店舗体験ができるカフェ」としてオープンしました。この新しい店舗体験が多くの話題を呼び、様々なメディア等で取り上げていただいております。
- 顧客体験にこだわった「Developers.IO CAFE」が生まれるまで - 週刊アスキー
- 100万円で開発した「現金NGのカフェ」が、数年後に増えそうなワケ (1/6) - ITmedia ビジネスオンライン
- NHK『首都圏ネットワーク』でDevelopers.IO CAFEが紹介されました|お知らせ|クラスメソッド
- 完全キャッシュレス、レジレス、ウォークスルー体験可能。『Developers.IO Cafe』に関するつぶやき&ブログまとめ - Togetter
また、過去には Developers Summit 2019 や JP_Stripes Connect 2019 等のイベントにて弊社代表(横田)よりご紹介を差し上げております。
- Amazonの文化をハックせよ。AWSをフル活用して無人レジの仕組みを作ってみた~横田deGoプロジェクト~ - Developers Summit 2019
- レジレス、キャッシュレス、ウォークスルーカフェを支える決済テクノロジーの裏側 - JP_Stripes Connect 2019
Developers Summit 2019 のレポートは、下記を御覧ください。
新章シーズン3は「実店舗カフェ”Developers.IO Cafe”のオープン」。『横田deGoプロジェクト』最新レポート in デブサミ2019 #devsumi
レポート
はじめに
クラスメソッドの企業理念
オープンな発想と高い技術力によってすべての人々の創造活動に貢献し続ける
最近では、事業会社から IT企業へトランスフォームしようという流れになっています。 また海外では、IT企業から事業会社へのトランスフォームも進んでいるような流れもあります。
プロジェクトX
閑話休題、Developers.IO CAFE の起源を遡ると行き着く先は弊社代表(横田)と Amazon Go との出合いから始まります。有志メンバーと共に渡米、衝撃的な体験による結果と言っても良いのではないでしょうか。日本へ帰国後、「やってみなきゃ分からない」という精神で Try することを決意し、プロジェクトX がスタートします。
そこで、まずは AWS のマネージド・サービスを積極的に活用することを前提として下記のような沢山の疑問点と戦っていくことになりました。
- ユーザー認証基盤
- IoT デバイス管理
- 人物の検出と追跡
- 商品画像の学習
- データの保存と分析
- 1クリックのボタン
- 社内システムと連携
- セキュリティ
- 商品の全文検索
- チャットボット
- 音声対応
- コールセンター
要件定義
プロジェクトを進めるにあたり、要件を定義する必要があるのですが正解の無い手探りの技術検証に対して正確な要件を定義することはできません。そこでプロジェクトメンバーに対して雰囲気を共有するために下記を行いました。
重要ポイントその1: 技術や機能よりも先に体験を設計すること
- 1つの妄想動画(要件定義風の体験動画)
- 1枚の妄想図(要件定義風のポンチ絵)
詳細な要件が定義されていなくても、目指すべきゴール(体験)を予め共有しておくことによりプロジェクトメンバーひとりひとりが各々の感覚に従って必要とされる機能開発(技術検証)を進めることができたのではないかと感じました。
技術検証
- モバイルアプリのアーキテクチャ検討
- Amazon Rekognition Video
- オブジェクト検出
- シーンの推定
- リアルタイム顔認識
- 人物の追跡
- 人物追跡(Multi Person Tracking)
- Amazon SageMaker
- 開発:Jupiter Notebook
- 学習:Deep Learning AMI
- 推論:API Endpoint
- 画像分類(ImageClassfication)
- おにぎり画像の分類
- AWS IoT Core
- 機器のモニタリング
- データ連携のゲートウェイ
- 遠隔制御
- 認証と認可
- マルチプロトコル(MQTT等)
- ルールエンジン
- SDK提供
- 3D LiDAR ToFセンサー
- 赤外線の反射から距離を測る技術
- 自動運転車によく搭載されている注目の技術
- 全体のシステムアーキテクチャーの仮説
- ハードウェア(マイコンや重量センサー)
- ESP32
- ひずみセンサーロードセル
- 優秀なソフトウェアエンジニア達が、秋月電気で大量に購入したハードウェア部品を利用してハンダ付けや木工工作を行う風景の紹介
- その結果、重量変化の検知とクラウド連携が可能になりました。
だんだん楽しくなってきた
- クレジットカード決済機能を付けてみた
- IoT通信にソラコム使ってみた
- Rekognitionで顔認識して入店
- OpenPoseによる骨格検知して手伸ばしを把握
- 顧客体験の確認を繰り返す
何度も何度も作り直した結果、ついに完成(シーズン1) 小売の勉強会でお披露目したところ、翌週には日本経済新聞の電子版(日経MJ)に掲載されました。
課題
- いたずらに対する耐性
- 複数人が同じ棚の前にいるときの正確性
- QRコード以外の認証でもっとスムーズに入店
- サーバー側のロジックが複雑
- 総合的にみてスムーズさに欠ける
より良い体験を求めシーズン2が始動します。
2018年 9月にシーズン1に参加したメンバーがほぼ入れ替わるかたちで新チームが結成されました。
技術検証
- AWS Step Functions による状態管理
- 全てのセンサーは独立動作
- ステートマシンを活用してロジックがシンプルに
- Amazon SageMaker オブジェクト検出のモデル作成
- 機械学習における社内の会話例
- 画像の辺の長さ: 512、エポック数:20
- データ情報:学習+検証6000枚(元画像60枚)
- 検出対象:'カロリーメイト', 'のど飴', 'お茶', ‘スニッカーズミニ', 'ソイジョイ', 'うまい棒'
- 見積もり時間 : 30分、見積もり費用 : $9
- インスタンスタイプ : ml.p3.8xlarge x 1台
- Amazon Greengrass によるエッジコンピューティング
- SageMaker で作成された学習モデルをエッジ側 Jetson 内の Greengrass にデプロイ
- 裏返した商品の認識もエッジ GPU でサクサク動きました
- 測距センサーをマイコンとつなげる
- 100円ショップで結束バンドや組み立てラックを調達
- 複数センサーによる協調動作の確認(LEDで死活確認)
生産体制を整える
- 大量にパーツを購入し、はんだ付けしたものをオシロスコープとテスターを用いて電圧チェックします
- また木工工作し繰り返しの体験テストにより精度を高めていきます
- 動作モニタリング用のWebアプリ開発
何度も何度も作り直した結果、ついに完成(シーズン2)
課題
- 手組みによる壊れやすさ
- ネットワークの接続性
- より精度の高い推定
2018年 10月さらなる体験を求めシーズン3が始動します。 2018年 11月にシーズン2に参加したメンバーの約半数が入れ替わるかたちで新チームが結成されました。(一部専任メンバーがアサインされました)
技術検証
- 基盤の固定
- ネットワークの安定性、電源の確保、高速応答
- WiFiかBLE(Bluetooth)か?
- 電源確保か電池利用か?
- 有線LANかシリアルか?
- 機械学習か信号処理か?
- 動体検知1(腕と向きの検知)
- 動体検知2(棚に高速に腕を差し込む検知)
- 動体検知3(2人が同時に腕を差し込む検知)
重要ポイントその2: 実際のお客様からのフィードバックを得ること
店舗を借りてみよう
- 横田deGoのシーズンX始動
- 秋葉原発
- レジレス
- キャッシュレス
- ウォークスルー
- モバイルオーダー
- カフェ併設
- 社員食堂
- 店舗オープン予定
- スポンサー多数
- コンセプトを実現する店舗を見つける
- 秋葉原オフィス周辺の飲食店や物販店
- 100件以上確認して10件程度を内見
- 居抜き物件、契約書条件
- 実験店舗として営業できるのかどうかオーナー交渉
- 2018年12月1日に契約締結完了
- コンセプトを実現する店舗を見つける
- 店長やスタッフの採用
- 什器の用意(コーヒーマシン、冷蔵庫/冷凍庫)
- 保健所や消防署への届け出(給排水、給排気)
- 店舗設備の充実(切り文字看板、マイク、スクリーン)
- 営業時間、鍵管理、出退勤管理、メニュー作成、仕入れ
- 集客、総客、リピーター、キャンペーン
- 2018年12月にやったこと
- 店長を社員採用、スタッフ5名採用
- 保健所や消防署への立会い日程確定
- 設備工事(看板、マイク、スクリーン、ネットワーク、有線、電源、椅子、机、クリーニング、ゴミ廃棄)
- 本番アプリのモック
- 店舗オペレーション定義風動画
クラスメソッドは年末年始に16連休突入
- 年末年始に事業の数字を考える
- 初期費用(原価償却)
- 固定費(家賃、ネット、有線)
- 変動費(スタッフ、食材)
- 顧客単価(初回、リピーター、頻度)
- 損益(1時間あたり何杯のコーヒーを…)
- マーケティングを考える
- オンラインの体験をオフラインで
- 立地が不利(路地に入った目立たない店舗)
2019年1月中旬から全員が本気を出す
- 社内のスーパークリエイターが複数名アサインされる
- 顧客向けアプリ開発(iOS、Android)
- スタッフ向けオーダー管理アプリ(iPad)
- デジタルサイネージ(iPod Touch)
- 継続的デリバリー環境(CI/CD、Dev/Stg/Prd)
- ロゴやグッツのデザイン(ブランドロゴ)
- 社内にテスト配信(Test Flight等)
- 1ヶ月間で全部作り上げるために
- 標準化や正規化よりも顧客体験を重視
- お伺いを立てるクライアントは居ない
- 実現したい体験から各自議論して仕様に落とす
- 各自勝手にオンラインMTG、翌日には動作確認
- 社内リリースして全員でテストを繰り返す
- 監視システムや動作チェックツールを自作
2019年 2月 12日に実店舗をグランドオープン!!!
技術検証:6ヶ月 店舗とIT:2ヶ月
Developers.IO CAFE の裏側
- 開店初日の運営実績
- クレカ新規登録:113名
- 売上:2.5万円
- 客単価:400円
- 購入回数:122回
- 本番インフラ費用
- 一店舗あたり一日 $3
- 経験したトラブル
- 注文したけど取りに来ない
- 無銭
- PCメールをブロックしている
- 外国人観光客
- ネットワークが落ちる
- 各種 Pay サービス対応
- Apple Pay
- Google Pay
- Amazon Pay
- LINE Pay
- WeChat Pay
- Alipay
- etc ...
重要ポイントその3: 高速に改善を繰り返すこと
現場の声を反映
- 全員が店舗に集まって様々な意見を反映させる
- お客様
- エンジニア
- 店舗スタッフ
- 現金が使えない
- 開店後しばらくの間は、7割のお客様が直帰
- 「現金使えないなんて頭おかしいんじゃないの!?」と仰る心ない方も居た
- 店舗スタッフは「現金が必要ないって最高ですね!!」と称賛の嵐
- 開店後 1ヶ月経ち、事前にアプリを入れて来店されるお客様の割合が増え続ける(お客様も慣れてきた)
- お客様は慣れると戻れない
- リピーター増加
- カフェの商圏は 50m 程度
- リピーター大事
- モバイルオーダーに慣れると列に並ぶのが苦痛
- レジで現金を出すのが恥ずかしくなり始める(レジがつらい)
- モバイルオーダー
- アプリをインストールすることで、リモートから注文に対応
- 注文時に決済を確定(キャプチャ)
- 注文が入り次第、ドリンクを用意
- 取りに来ないお客様は、店長の気分で閉店後に返金(リファンド)
- プリペイドカードの残高が足りないと注文自体ができない。
- 予約注文機能を作ったらオーソリ後にキャプチャかな?
- 匿名でモバイルオーダーは実現できるのか?
- ウォークスルー
- QRコードを使ってウォークスルー開始
- エリアを出ると自動的に決済予約(オーソリ)
- 意図しない購入などがあった場合には、お客様が自分で返金(リファンド)
- 1時間後に確定処理(キャプチャ)
- 本当は入店時にオーソリしたいが、最近のクレカはオーソリ時に通知が飛ぶ
- そのため、体験として気持ち悪い。今後どうするか要検討。
- エリア出てすぐキャプチャするとリファンド時に手数料が掛かる
- お客様がカジュアルにリファンドできるような仕掛け
- 匿名でウォークスルーはあり得るのか。準匿名の線引きは?
- 電子マネー
- 交通系/流通系の電子マネーが日本国内で一定レベルのシェアがある
- しかし、非対面(レジ無し)で非同期(リモート)の決済には対応していない
- 新興勢力の QR コード決済でも非同期の決済には対応してないことが多い(現在、調査中)
- 電子マネーは対面が必須(ピッとやる)
- 非同期を実現したい(ポストペイ)
- 信用とは何か考えることが多くなった
2019年 5月もっと多くの方に使って頂くために、シーズン4が始動
- スケジュール(願望)
- 2019年 5月 ソフトウェアの横展開
- 2019年 6月 ハードウェアの横展開
- 2019年 7月以降にプラットフォーム化を進める
- 手作りから量産へ(生産委託)
- プリント基盤の設計と量産
- 人物の動きの検知をリアルタイムに
- 入場ゲートの制作
そして、2号店へ(Coming Soon)
考察
- Amazon Go は技術よりも体験がスゴかった
- 方針:Amazonになったつもりで考える
- 手段:
- Design Thinking(体験を考える)
- Experience First(動画で要件定義)
- 文化を考える(Our Leadership Principles)
- Fast Improvement Cycle(高速改善サイクル。完成は無い)
- Customer Feedback(実店舗での本物のお客様の声を重視する)
- Think Big, Fail First(より大きく遠くを見て、今失敗する)
- 技術を考える(with AWS)
- Digital Twin(リアル情報をネットに、ネット機能をリアルに)
- プロジェクト「横田deGo」の1年間
イベント | |
---|---|
2018年5月 | Amazon Go@シアトルに感動 |
2018年6月 | 社内有志でプロトタイプ作成(Season 1) |
2018年7月 | 小売業界関係者向けに発表 |
2018年10月 | 自社イベントで発表( Season 2) |
2018年11月 | 実店舗の契約 |
2019年1月 | アプリ開発と店舗開発 |
2019年2月 | 1号店オープン「Developers.IO CAFE」( Season 3) |
2019年3月 | 毎週機能追加、毎週体験の改善 |
2019年4月 | ソフト面のプラットフォーム化開始( Season 4) |
2019年5月 | ハード面のプラットフォーム化開始 |
- 事業会社なのか?IT企業なのか?もう境界は無い
- ハード開発
- 店舗運営
- 海外展開
- プリント基板
まとめ
最後に
- Amazon re:MARS にて Amazon Go の構成図が公開されました!
- Amazon Go “Very Simple” Architecture
- Amazon executives' re:MARS keynote - YouTube
弊社代表(横田)曰く
後出しで評価することは重要じゃない。実際にやってみる体験が大事なんだよ
まさに、そのとおりだと思います。
感想
講演を聴講して一番強く感じたこと
何よりも凄いと感じたのは、店舗のサービスが顧客参加型モデルであることだと思いました。
つまり、この店舗(カフェ)で提供しているサービスの改善を早いサイクルで回すことが当たり前になることにより、利用者の参加を促すことが可能であること(顧客を巻き込むことが可能なこと)なのかなと
個人的な意見ですが、世の中では下記のような想いが必ず生まれると思っています。
- サービス提供側(店舗):もっと良いサービスを提供したい
- サービスを受ける側(顧客):もっと良いサービスを提供して欲しい
顧客側は改善されないのであれば意見を出す(声を挙げる)ことを諦め、利用することをやめてしまいます。逆に早いサイクルでサービスが改善されることが当たり前になるならば、店舗/顧客側など立場関係なく、自分が感じた課題や問題点を改善して欲しいと意見を出したくなりますよね。 感覚的な話になるかもしれませんが、より良い体験(未来的なサービス)の構築に自分が関わることができるなら意見を出したくなるという人間的な本質をついた良いモデルなんじゃないかと思いました。
元小売業(責任者)の視点で感じたこと
顧客から注文を受け付ける方法を取り上げますと、時代の流れと共に以下のように変化しました。
- 現在:各テーブルに設置された注文用のタブレット端末を利用して顧客からの注文を受付ける
- 過去:店舗のホールスタッフがハンディ端末を持ってお客様の近くにいき注文を受け付ける
タブレット端末の導入当時、現場では注文を受け付ける専任スタッフが不要になるという変化だけではなくボトルネックとなっていたハンディ端末の数(もしくはホールスタッフの人数)が解消され、商品注文数のスループットが向上するという変化が起こりました。その結果、店舗を運営する際のオペレーションに変化が求められました。
店舗運営に限らず(何事においても)何かを改善すると、また新しい何らかの課題が見つかるというのは常かと思います。レジレス、キャッシュレス、ウォークスルー決済という新しい変化を恐れずに受け入れ、生まれくる新しい課題に対応していく体制や仕組みをチーム(や組織)として求められる時代に変化していくのではないかと思いました。
キャッシュレス社会は、割と身近に感じることができる程度に世の中が変化してきていると思います。 しかしながら、レジレスはそこまで身近なものではないという印象です。 個人的な意見ではありますが、レジ(レジスター)が存在することによるデメリットを述べてみます。
- レジのお金を管理する責任が発生(非営業時間帯に誰がどこで管理するかという問題)
- レジのお金を管理する労力が発生(小銭が少なくなった際、定期的に銀行に足を運び両替するタスク)
- 決済時の受け渡しミス等による、貰い過ぎ/払い過ぎのリスク(信用問題に関わる)
- 物理的なレジ(レジスター)のメンテナンスコスト
逆にレジ(レジスター)が存在しないことによるデメリットを挙げてみます。
- 現金以外の決済手段を持たない潜在顧客の機会損失
- 災害時/停電時/通信障害等のオンライン決済が提供できない状況下でのサービス低下および機会損失
これ以外のデメリットも存在すると思われます。 もし、キャッシュレスによる災害時等のオフライン決済手段が確立され キャッシュレス社会に突入(普及)したタイミングで物理的なレジが淘汰される可能性は否定できないものと感じています。
キャッシュレス/レジレスが当たり前の世界になると、その次の体験が非常に重要になってくるのではないかと思っています。 例えば、日本人特有と言われることも多い人気店の行列文化があると思います。美味しい食べ物や楽しいアミューズメントパーク等の人気店につきものである長蛇の列も新しい体験によって解決することができるのではないかと期待してしまいます。
つい先日も、かの有名なコーヒーチェーン店であるスターバックスでモバイルオーダー&ペイサービスが開始されました。
並ぶ価値のあるお店を並ばずに利用できるのであれば、もっとより便利な世の中で生活できるようになるものと思われます。(弊社の大阪オフィス近くにある美味しくて有名なラーメン屋さんもモバイルオーダー&ペイを導入して欲しい)
最後に
小売業界の皆さん、キャッシュレス化(クレジットカードや、非接触IC/QR コード決済等)が進んでいく昨今の流れにおいてキャッシュレス社会に突入(普及)する準備は整っていますか? また、その次の変化を受け入れる余裕はありますか?
クラスメソッドでは、成功を保証せず大胆に挑戦し多数の実験と失敗から多くを学ぶ文化があります。 AWS に関することであれば、皆様のお手伝いをさせていただくことも可能であるため是非お声掛けください。弊社と共に大胆に挑戦してみませんか?
このレポートは、大阪オフィスの下田がお届けしました。ではでは