DevRev の Issues と Agent と OLA でタスク進捗と期限超過を管理してみた

DevRev の Issues と Agent と OLA でタスク進捗と期限超過を管理してみた

DevRev の Issues をガントチャート表示してタスクの進捗を俯瞰し、 Agent から自然言語で状況を問い合わせる方法を試しました。さらに OLA Metrics On Issues と OLA 設定を組み合わせて、作業期間のルールを定義し、期限超過時に Warning を出す仕組みを構成します。
2025.12.12

はじめに

本記事では DevRev における、Issues のガントチャート表示を使った進捗管理の基本的な使い方を確認します。次に、 Agent を使って自然言語で Issue の状況を問い合わせる方法を説明し、最後に OLA Metrics On Issues の snap-in と OLA 設定を使って、作業期間の超過を検知する仕組みを構成します。

DevRev とは

DevRev は、外部サービスと Trigger/Action をつないで業務フローを自動化できるプラットフォームです。複数のチャネルから取得したコンテンツを、同一の人物に紐づくプロファイルとして統合できるため、接点が分散しても文脈を保持した自動化ができます。

対象読者

  • DevRev の導入を検討しており、具体的なタスク管理のユースケースを知りたい方
  • AI のサポートを受けながら Issues ベースでタスクの進捗を管理したい方
  • タスクの作業期間にルールを設けて、逸脱した場合に自動で警告を出す仕組みを導入したい方

参考

Issues 概要

DevRev では Issue の単位でタスクを管理できます。 Issues の一覧は、左側ナビゲーションの Work > Issues から表示します。

Issue

試しにいくつか Issue を作成してみます。

sample issues

View type を Gantt view に切り替えると、 Issues をガントチャート形式で表示できます。

Gantt view

ガントチャート上では、各 Issue の開始日と終了日に基づいてバーが表示されます。開始日または終了日が設定されていない Issue には「!」マークが表示されるため、日付設定が漏れている Issue を簡単に見つけることができます。

issue warning

Agent 連携

Issues の状況を自然言語で問い合わせられるようにするため、 Agent を設定します。 Agent は、 DevRev 上のオブジェクトにアクセスしながら、チャット形式で質問に回答してくれる Bot です。

Agent の作成と概要

Settings > Agents から新しく Agent を作成し、 Issues に関する質問に回答できるよう設定しました。後述の設定で Issue や Task などのコンテキストを取得できるよう権限を与えています。これにより、ブラウザ上のチャットから「現在担当している Issue を教えてほしい」といった質問を投げるだけで、一覧を返してもらえるようになります。

devrev-issues-chatbot

各種設定値

Instructions

Adhere strictly to the following guidelines:
- Provide only factual, evidence-based information
- Never fabricate, guess, or hallucinate information
- If uncertain or lacking knowledge, explicitly state "I don't know" or "I don't have enough information"
- Cite uncertainty when information may be incomplete or outdated
- Prioritize accuracy over completeness

Skills & Tools

FetchObjectContext (Object ID: auto)

Knowledge

DevUser
Issue
Product
Tag
Task
Workspace
Account
Contact
Dashboard

動作確認

今回は次のような日本語の質問を送信しました。

私の現在の Issue の状況を教えて

Agent からは、次のような回答が返ってきました。

現在、あなたが所有している Issue の状況は以下の通りです。

1. データインポートツールの本番リリース
   - 状態: Open
   - ステージ: Triage
   - 作成日: 2025-12-11
   - 最終更新日: 2025-12-11

2. データインポートツールの開発
   - 状態: In Progress
   - ステージ: In Development
   - 作成日: 2025-12-11
   - 最終更新日: 2025-12-11
   - 目標終了日: 2025-12-17

3. Python スクリプトの不具合修正
   - 状態: In Progress
   - ステージ: In Development
   - 作成日: 2025-12-11
   - 最終更新日: 2025-12-11
   - 目標終了日: 2025-12-12

4. データインポートツールの動作検証
   - 状態: Open
   - ステージ: Triage
   - 作成日: 2025-12-11
   - 最終更新日: 2025-12-11
   - 目標終了日: 2025-12-24

5. データインポートツールの受け入れ試験
   - 状態: Open
   - ステージ: Triage
   - 作成日: 2025-12-11
   - 最終更新日: 2025-12-11
   - 目標終了日: 2026-01-08

6. 社内ドキュメント整備
   - 状態: In Progress
   - ステージ: In Development
   - 作成日: 2025-12-11
   - 最終更新日: 2025-12-11
   - 目標終了日: 2025-12-24

これらの Issue の中で、特に詳細が必要なものがあれば教えてください。

OLA 設定

Issues の作業期間に対して OLA を設定し、期間を超過した場合に Warning を出す方法を説明します。

DevRev の OLA は、対象オブジェクトに対して「いつまでに対応したいか」という内部的な目標時間を定義する機能です。 OLA Metrics On Issues の snap-in を有効化すると、この OLA の対象として Issues を扱えるようになります。

大まかな流れは次の通りです。

  1. OLA Metrics On Issues snap-in を有効化する
  2. Issues 向けの OLA を作成し、 Breach Target と Warning time を設定する
  3. OLA を Publish して有効化する

OLA Metrics On Issues 有効化

Issues を OLA の対象にできるよう、 OLA Metrics On Issues snap-in を有効化します。Settings > Integrations > Snap-ins を開き、一覧から OLA Metrics On Issues を選択します。

snap-ins

詳細画面で Add ボタンをクリックし、 Workspace に追加します。

add ola metrics

その後、どの Subtype や Status を対象とするかを設定します。

snap-in config

設定が完了すると、一覧画面で OLA Metrics On Issues が Activate と表示されます。

snap-in activated

OLA 作成

OLA を作成し、 Issues に対する目標時間と警告時間を設定します。

Settings > Support > OLAs を開き、新しい OLA を作成します。そのうえで、 Issues 向けのポリシーを定義するため + Issue Policy をクリックします。

create ola

ポリシーの詳細画面で + Add Metric をクリックし、 Issues に対して適用するメトリクスを追加します。

add metric

メトリクスの設定画面で、 Breach Target (違反とみなすまでの期間) と Warning time (警告を出すタイミング) を指定します。

ola config

例えば、作成から 3 日以内に対応したい Issue に対して、 Breach Target を 3 日、 Warning time を 2 日に設定すると、作成から 2 日経過した時点で Warning が表示され、 3 日を超えると Breach として扱われます。

設定が完了したら、Publish ボタンを押して OLA を有効化します。

publish ola

まとめ

本記事では、 DevRev の Issues 機能と Agent、 OLA Metrics On Issues を組み合わせて、タスク管理を効率化する方法を説明しました。自組織の運用に合わせて、対象とする Issue の Subtype や Status、 Breach Target の値を調整していくとよいでしょう。

この記事をシェアする

FacebookHatena blogX

関連記事