DeworkでDAOのプロジェクトを立ち上げてみた
はじめに
ご無沙汰しております。わたくしクラスメソッドでLINE事業推進をやっております安東です。固いな。
最近、Web3分野の楽しさに目覚めまして、久しぶりに筆を取った次第です。中でもDAO(分散型自律組織)の領域に興味があり、世の中のDAOを渡り歩いたり、ティール組織について勉強したりしています。まだまだ分からないことが多く勉強・勉強の日々ですが、クラスメソッド社員ならやってみなきゃダメでしょ〜ということで、DAOの立ち上げをやり始めてみました。
今回はDeworkというサービスについて簡単な解説と立ち上げ方法を共有したいと思います。
Deworkとは
カンバンでのプロジェクト管理機能をWeb3-nativeで提供しているサービスです。Web3-nativeのサービスとして以下の機能を有しています。
- MetaMask等のイーサリアムウォレットでの認証
- タスク完了時にトークンでの報酬支払い
- タスクに報酬を設定し、オープンな呼びかけをすることが可能。貢献者はイーサリアムウォレットと連携したプロフィールを作成し、タスクを実行することで報酬を得ることができる。
- 勝手にバウンティハンター機能と呼んでます。貢献者はオープンに呼びかけられたタスクの中から、自身が達成可能かつ報酬の良いタスクを選んで実施することが可能です。
Deworkを利用することにより、DAOでの決議に基づいてガバナンストークンを報酬としたタスクを作成する事が可能です。報酬をガバナンストークンとすることで、ガバナンストークンを中心としたシームレスな運営が可能となります。
Deworkでプロジェクトを立ち上げてみた
それではDeworkでプロジェクトを立ち上げてみます。
- DeworkにアクセスしてCreate Projectをクリック
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Deworkのアカウントを作成する手段を選択
私が構築するDAOはDiscordでコミュニケーションを取るので、ここではDiscordを選択しました。Discordにサインインを要求されますので、アカウントを用意しましょう。
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ウォレットと接続
保持しているイーサリアムウォレットを選択しましょう。MetaMaskであればGoogle Chrome拡張をインストールしておくと少ない手順で接続できて便利です。手順はこちらのブログをご参照ください。
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Skillを選択
Skill(≒ロール)を選択しましょう。私は管理権限が必要なのでAdminを選択しました。選択したSkillでマッチングされるタスクが変わります。
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Organizationを作成
ここまででアカウントが作成されました。次はOrganizationを作成していきましょう。と言っても「Setup your first DAO」を選択して、Organization名を入力するだけです。次の画面が出れば成功です。
DeworkのTips
Tips1. Discordとの連携
ちょっと手順が複雑です。自分はだいぶハマりましたw
- Discordサーバとの接続
「Connetct to Discord」でDiscordのサーバーと接続することが出来ます。DeworkのBotがサーバーに参加します。
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Discord側でBotにアクセス権を付与
Discord側でボットを選択し、サーバーに追加をクリックすることでBotにアクセス権を付与します。
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Dework側での活動を通知するチャンネルを選択
DeworkのSpaceごとに通知先のチャンネルを設定可能です。Spaceを選択してSpace名の右側にある設定ボタン(歯車)を押下し、Discord Integrationを設定しましょう。
Tips2. 投票機能
「Community Suggestions」機能を利用することで、参加者に投票をしてもらうことが可能です。投票した結果、作成者にAcceptされるとOpen Taskが作成されます。投票からTask作成をシームレスにすることが可能ですが、2022年7月4日時点で、誰でも1票投票ができるだけの機能なので、ガバナンストークンの保有量によって発言権が変化するような使い方は出来ないです。
Tips3. 報酬支払いに利用するウォレットとネットワークの設定
DeworkのSpaceごとに報酬支払いに利用するウォレットとネットワークを設定可能です。Spaceを選択してSpace名の右側にある設定ボタン(歯車)を押下し、Paymentsを設定しましょう。
Tips4. 報酬トークンの指定
タスク作成時にTokenを指定することが可能です。ガバナンストークンを付与する場合はERC20を指定しましょう。ガバナンストークンのContract AddressはMetaMaskのGoogle Chrome拡張で取得することが可能です。画像の通り、ガバナンストークンを選択してトークンの詳細を選択すると表示されます。
まとめ
DeworkだけではDAOを実現することはできません。DAOの目的に向かってメンバーが議論し、投票や構築・改善などの活動を自律的に行うためには、議論の場であるフォーラム、ガバナンストークンと連動した投票機能、ガバナンストークンの発行・管理などが必要になります。いくつかのDAOを渡り歩きましたが、オールインワンのサービスは無く、どのDAOも複数のサービスを採用してDAOを実現していました。
ちょっと偉そうなことを書きましたが、私もまだまだ理解が浅いDAO初学者なので、DAOの運営をやってみてたくさん学んでいきたいと思います。DAOの設計・運用についてはDevelopersIO 2022で発表予定です。ご参加お待ちしております。