[アップデート] Amazon DocumentDB で最新エンジンバージョンの 8.0 が使えるようになりました
いわさです。
昨日アナウンスされていましたが、Amazon DocumentDB の新しいバージョン 8.0 が追加されました。

これまでの最新版は 2023 年 3 月に登場した 5.0 で、本家の MongoDB のほうは 6.0, 7.0, 8.0 とリリースされていくなかで追従できていない状況だったのですが、一気に MongoDB 8.0 API(6.0 と 7.0 も)向けに作成されたアプリケーションがサポートされるようになりました。
先日 DocumentDB の一部バージョンで延長サポートが開始されたことを受けてバージョンアップ先のエンジンバージョンに最新のものがないことに気がついた方も多かったと思うのですが、ついに新しいバージョンが出ましたね。
構築して気付いた点
構築方法ですが、普通にクラスター構築時にエンジンバージョンを選択するだけです!
以下東京リージョンですが選択ができますね。

クラスターパラメータグループについても 8.0 のものが用意されています。

クラスターパラメータがアップデートされている
比較してみたところデフォルトの値や選択可能なものが一部 5.0 と異なっていることに気が付きました。

具体的には、まずdefault_collection_compressionが従来はenabledかdisabledを選択する形で、かつdisabledがデフォルトだったのですが、8.0 では有効化したい場合はenabledではなくlz4あるいはzstdを選択する必要があります。
5.0 ではenabledの時に LZ4 アルゴリズムが使われていましたが、zstd 圧縮[1]が選択できるようになっており、デフォルト選択になっています。
コレクションレベルでドキュメント圧縮することでストレージと IO コストを削減できるオプションですが、5.0 までのデフォルトと異なるという点を覚えておきましょう。
また、planner_versionについても従来の 1.0 と 2.0 に加えて 3.0 が追加され、それがデフォルトになっています。
ドキュメントによると v2.0 と比較して全体的なパフォーマンスが 2 倍向上しているとのこと。
なおエラスティッククラスターでは 2.0 と同様に 3.0 もサポートされていませんので注意しましょう。
あとはtlsのデフォルトがtls1.2+になっている点にも注意しましょう。
既存と同じ場合に接続に失敗するケースがあれば、8.0 でデフォルトが変更されているのでこのあたり気にしてみてください。
インスタンスクラスなど
本日時点の注意事項として R8g などの一部の最新インスタンスクラスがまだ 8.0 では利用できません。
Graviton がサポートされていないわけではなくて、R6g や T4g は選択できます。

また、先日突然追加された DocumentDB Serverless ですが、こちらも 8.0 ではまだ利用出来ません。

バージョンアップの制限事項
Amazon DocumentDB ではコンソールからメジャーバージョンを変更することでインプレースのメジャーバージョンアップグレードを行うことが出来ます。
ただし、本日時点では 8.0 ではサポートされていません。
Note: MVU is currently not supported for Amazon DocumentDB 8.0.
いずれサポートされてほしいところですが、それまでは AWS DMS を使った移行が必要になりそうです。
さいごに
本日は Amazon DocumentDB で最新エンジンバージョンの 8.0 が使えるようになったので色々確認してみました。
待望の最新バージョンではあるのですが、移行方法やインスタンスタイプ、パラメータのデフォルト値など注意点がいくつもあるので気を付けましょう。
新規クラスターを作成するのであれば、インスタンスタイプの制限が問題なければ 8.0 で良さそうですね。
API やコンソールから作成するときは 5.0 がまだデフォルトになっているので明示的に変更する必要があります。






