2026 年 3 月 30 日で Amazon DocumentDB 3.6の標準サポートが終了して延長サポートが開始されます
いわさです。
先日 ElastiCache for Redis の v4/v5 の標準サポート終了日と延長サポートについてアナウンスされていました。
今朝 Amazon DocumentDB についても標準サポートの終了と延長サポートについてアナウンスされました。
DocumentDB の延長サポートは初ですね。対象はバージョン 3.6 です。
各種スケジュールと延長サポート
まず、2026 年 3 月 30 日にバージョン 3.6 の標準サポートが終了します。
終了後は 2026 年 3 月 31 日より最大 3 年間の延長サポートが開始されます。
バージョン 3.6 のクラスターは手続き不要で自動で延長サポートに登録されるので、自動でクラスターのバージョンがアップグレードされることはありません。
延長サポート注意も引き続きセキュリティアップデート・バグ修正・パッチなどが適用され、AWS サポートケースを使うことも可能です。
ただしバージョン 3.6 の延長サポートを利用している間は追加の料金が発生します。
2029 年 3 月 30 日に延長サポートも終了します。
延長サポート終了日までにクラスターを標準サポートバージョンにアップグレードしない場合、DocumentDB は自動でクラスターのアップグレードを行います。
料金
RDS や ElastiCache と同様に延長サポートを利用している間はインスタンスごとに追加の利用料金が発生します。
延長サポートは 1/2 年目の料金と 3 年目の料金で単価が変わります。3 年目は 2028 年 3 月 31 日から発生します。
詳細は上記料金ページをご確認いただきたいですが、インスタンスサイズによってサポート料金は異なっています。
例えば db.t3.medium (通常 $0.119/h)であれば 1/2 年目は $0.214/h、3 年目は $0.309/h が追加で発生します。
db.r5.4xlarge(通常 $2.672/h)であれば 1/2 年目は $4.810/h、3 年目は $6.947/h が追加で発生します。
ざっくり、1/2 年目の延長サポートに突入すると利用料金は 2.8 倍になり、3 年目に突入すると 3.6 倍の利用料金になります。
なかなか料金インパクトがありますね...!
標準サポート期間のバージョンにアップグレードする、あるいはクラスターを削除した日から延長サポート料金は発生しなくなります。
他のバージョンのサポート終了日
ElastiCache については複数バージョンで標準サポート終了日がアナウンスされていました。DocumentDB はどうでしょう。
本日時点で DocumentDB は 3.6 / 4.0 / 5.0 のバージョンを選択できます。
各バージョンのサポート終了日ページも今回以下へ追加されています。
本日時点では標準サポート終了日が案内されたのはバージョン 3.6 のみです。
バージョン 4.0 と バージョン 5.0 についてはまだサポート終了日が定義されていません。
また、公式ドキュメント中にもいくつか記載されていますが「DocumentDB は MongoDB と同じサポートライフサイクルには従わない」という記述があります。
クラスターのバージョンアップをしてみた
DocumentDB クラスターは本日時点ではブルー/グリーンはサポートしておらず、インプレースアップグレードのみサポートされています。
事前にクラスターを複製してテストを行った上でインプレースアップグレードを実施し、新しいバージョンでのテストを行った上でインプレースアップグレードを行うことがベストプラクティスとされています。
インプレースアップグレード中は DocumentDB を利用できなくなるので十分テストしてからアップグレードに臨みましょう。
知らなかったのですが、インプレースのメジャーバージョンアップグレードは 3.6 からは 5.0 へのみ移行できます。4.0 はサポートされていません。
手順としてはクラスター変更からエンジンバージョンの再選択を行います。
確認画面にも記載されていますが、アップグレード後は旧バージョンに戻すことは出来ません。
ダウンタイムが許容できるか、そしてアップグレード後のバージョンでワークロードが正常に動作するかを確認出来たあとに実行しましょう。
その後バージョンアップが開始されます。
最低限の手順としては上記だけなんですが、細かいところだと r4 インスタンスタイプを使っている場合は事前にインスタンスタイプの変更が必要だったり、保留中の OS パッチがないこと、4.0 以降互換性のないユーザー名などあるので、公式ドキュメントの諸注意事項を必ず読みましょう。結構いろいろあります。
なお、特に上記の考慮事項のない初期作成した t3.medium な環境で 15 分以内でバージョンアップが完了しました。
他のオプションとしては AWS Database Migration Service (DMS) を使ったアップグレード方法も案内されています。
さいごに
本日は 2026 年 3 月 30 日で Amazon DocumentDB 3.6の標準サポートが終了して延長サポートが開始されるので、スケジュールや料金、アップグレードの流れを整理しました。
まだ半年ちょっとあるので、バージョン 3.6 お使いの方は計画的にバージョンアップの準備を進めましょう。