[GA] Amazon DocumentDB Serverless が使えるようになりました

[GA] Amazon DocumentDB Serverless が使えるようになりました

2025.08.01

いわさです。

Amazon DocumentDB は MongoDB 互換のフルマネージドデータベースです。
インスタンスの管理を行う「インスタンスベースクラスター」と、インスタンスの管理が不要な「Elastic クラスター」があります。

インスタンスベースクラスターの場合はインスタンスの選択から行うのですが、これまではメモリ最適化インスタンス、NVMe-backed インスタンスなどの中からインスタンスクラス(db.r6g.xlargeなど)を選択・管理する必要がありました。
今朝のアップデートで新たにインスタンスクラスとして「サーバーレス」を選択することができるようになりました。

https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2025/07/amazon-documentdb-serverless/

イメージとしては Aurora Serverless v2 と同じで、キャパシティユニットの最小と最大だけ指定し、後はクラスター側にコントロールを任せる形となります。
キャパシティユニットの単位は DCU (DocumentDB Capacity Unit) となっており、 1 DCU あたり 2 GiB のメモリや対応する CPU などで構成されており、Aurora Serverless v2 と同じ概念になっています。

公式ドキュメントでは以下になりますが、Aurora Serverless v2 のページがほぼ踏襲されていますね。

https://docs.aws.amazon.com/documentdb/latest/developerguide/docdb-serverless-how-it-works.html

https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/AuroraUserGuide/aurora-serverless-v2.how-it-works.html

以下東京リージョンで試してみましたので紹介します。

作成してみる

作成方法ですが、DocumentDB インスタンスベースクラスターのインスタンス構成でサーバーレスを選択できるようになっています。
インスタンス管理を行わない Elastic クラスターでは指定できません。

5AF3D79C-C5A7-4F41-93A9-FF69FC3DE58A.png

サーバーレスインスタンスを選択すると、従来どおりインスタンス数を選択しつつ、新たに DCU の上限と下限のレンジ指定することができるようになっています。
冒頭少し触れましたが、1 DCU は 2 GiB に相当し、0.5 DCU 単位で指定が可能です。

0A186428-169B-45DB-9007-173EAE05DC9E.png

上記以外のストレージ構成や接続・認証設定は従来どおりで同じものを使うことが出来ます。イメージとしては Aurora と同じで、コンピューティングだけ DCU 指定して後はお任せで管理してもらう感じですね。

3C9BC446-D4F0-4D9C-92F3-4EB9928D4225.png

新規クラスター作成時に指定した場合はすべてのインスタンスがサーバーレスで構成されました。
以下は接続してみた様子です。従来どおりですね。

FABBBC09-8EE2-42E5-8E28-E96322F518C2.png

既存のプロビジョンドインスタンスで構成されたクラスターにサーバーレスインスタンスを追加

上記は新規クラスターでサーバーレスインスタンスを指定しましたが、従来から使っていたプロビジョンドインスタンスのみで構成されたクラスターに対してもサーバーレスインスタンスの追加は可能です。

先ほどはクラスター作成時に DCU のレンジを指定しましたが、既存クラスターに追加する場合は新規サーバーレスインスタンスを追加する初回に次のように DCU レンジを指定することができます。

image.png

エンジンバージョン 5.0.0 以上

使用にあたって前提条件がありまして、サーバーレスインスタンスを使う場合はエンジンバージョンは 5.0.0 以上を指定する必要があります。
4.0.0 以下の場合だと次のように指定が出来ませんでした。

182E11F0-63F2-470C-A55F-E4C640F02663.png

既存インスタンスに採用する場合はまずエンジンバージョンのバージョンアップが先に必要になる場合がありますので注意してください。

ゼロスケールは不可

少し前に Aurora Serverless は DCU を 0 まで下げるゼロスケーリングがサポートされていますが[1]、DocumentDB Serverless では本日時点ではサポートされていません。最小 DCU は 0.5 になります。

image.png

クラスター内にサーバーレスとプロビジョンドを混在させる

Aurora Serverless クラスターと同様に、クラスター内に従来のプロビジョンドインスタンスとサーバーレスインスタンスを混在させることができます。
以下はサーバーレスクラスター作成後に、レプリカインスタンスをプロビジョンドに変更しました。

image.png

プライマリだけサーバーレスにするとか、そういったユースケースにも対応可能ですね。

料金

DocumentDB の料金ページにサーバーレス料金も追加されています。

https://aws.amazon.com/documentdb/pricing/

東京リージョンでは従来のインスタンスが最小でdb.t4g.mediumの 0.115 ドル/時間だったと思います。
サーバーレスは 1 DCU あたり 0.0992 ドル/時間からになっており、0.5 DCU だと 0.0496 ドル/時間です。

ざっくりプロビジョンドであれば83ドル/月からだったのが、36ドル/月から使えるようになった感じですかね。
従来よりもさらに小さく安い料金で利用が出来そうなのは開発環境などに良さそうです。

さいごに

本日は Amazon DocumentDB Serverless が使えるようになったので実際に作成してみたり、既存クラスターへの追加をしてみたり、料金試算をしてみました。

Aurora Serverless v2 と使用イメージは同じで、需要が予測できないワークロードやスケールアップ/ダウンの際に停止が許容されない場合に採用するのが良さそうです。

脚注
  1. Amazon Aurora Serverless v2が最小キャパシティ0に対応し、自動停止・再開が可能になりました | DevelopersIO ↩︎

この記事をシェアする

facebookのロゴhatenaのロゴtwitterのロゴ

© Classmethod, Inc. All rights reserved.