PLATEAUのオープンデータセット(.obj)をダウンロードしてMac上でプレビューしてみた

2022.01.01

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こんにちは、CX事業本部 IoT事業部の若槻です。

前回のエントリでは、Project PLATEAUの3D都市モデルを公式Webアプリ「PLATEAU VIEW」で見てみました。

今回は、Project PLATEAUのオープンデータセット(.obj)をダウンロードしてMacBook端末上でプレビューしてみました。

やってみた

G空間情報センターにアクセスする

PLATEAUのデータセットが公開されているのはG空間情報センターというサイトです。

G空間情報センターは、産官学の様々な機関が保有する地理空間情報を円滑に流通し、社会的な価値を生み出すことを支援する機関です。平成24年3月に政府で閣議決定された地理空間情報活用推進基本計画に基づき、設立され、一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会が運用を行っているものです。

2022/1時点で、500以上の産学官の組織により、7500以上のデータセットがすでに公開されています。運用開始は2016年です。

同サイトのトップにある「人気のデータセット」一覧を見ると、PLATEAUのデータはやはり人気なようですね。この中から今回の目的のデータがありそうな3D都市モデル(Project PLATEAU)ポータルサイトを開いてみます。

データを探す、ダウンロードする

「3D都市モデル(Project PLATEAU)ポータルサイト」では、各都市の3D都市モデルのデータが取り揃えられています。現在は北海道から沖縄まで全国56都市のデータが公開されているようです。公開開始されたのは2021/3/25、作成とメンテナンスは国土交通省都市局都市政策課が行っています。

このうち「東京都23区」のページを開いてみます。

「3D都市モデル(Project PLATEAU)東京都23区」では利用したいデータ形式を選ぶことができます。今回はOBJ形式のデータを選択します。いくつか試してみたのですが、ちゃんとMacのプレビューで見ることができたのがこれでした。(多分わたしが分かっていないだけで方法はありそうです)

ちなみに3次メッシュは1辺の長さが約1km、4次メッシュは約500mのデータとなります。ここでは3次メッシュを選んでみます。

ここでOBJという形式について補足すると、そもそもOBJ形式(.obj)とは、Wavefront Technology社が開発したジオメトリ定義ファイル形式で、当初自社のソフトウェア向けに開発したものでしがたが、その後他のソフトウェアでも広く使われるようになりました。MIMEタイプはtext/plainのためテキストエディターでも編集することができます。Plateauでは始めCityGML形式(.gml)で3D都市モデルデータを作り、OBJ形式に変換した上でG空間情報センターで提供しているようです。

やっと実際のデータセットがダウンロードできるページまでたどり着けました。

東京23区全域はLOD1、そのうち主要地域ではLOD2が提供されているようですね。このLOD(Level of Detail)とは、CityGMLが持つ概念で、これにより詳細度の異なるデータを統合的に管理できるようになります。

https://www.mlit.go.jp/plateau/learning/

さてこのOBJ形式のデータですが「533925」「533926」…のような番号で表されているため、どれがどの構築範囲のデータなのか分かりづらいです。なので「東京都23区構築範囲図PNG」をプレビューで見て番号と構築範囲の対応を確認してみます。

すると範囲図をPNGで開けます。今回は東京駅周辺のデータを見てみようと思うので533946のデータを取得すれば良さそうです。

範囲をさらに絞り込んでみます。[東京都23区構築範囲拡大図2/4]を開くと、第一象限の拡大図が見れました。このうち53394611あたりが良さそうでしょうか。

[533946]を選んでダウンロードします。

3Dモデルをプレビューする

ダウンロードされたZIPファイルを解凍し、[LOD2 > 53394611 > 53394611_bldg_6677.obj]と開くと、Finder上ですでに3Dモデルのプレビューが見えていますね!東京駅っぽい姿形も見えています。というかテクスチャもちゃんと貼り付けられています。

この「53394611_bldg_6677.obj」ファイルを[プレビュー.app]で開いてみます。

すると3Dモデルを開くことができました!

さすがLOD2データなだけあり、拡大すると構造物の詳細な形状まで確認できます。

ただしFinder上で見れたテクスチャの貼られた3Dモデルは、プレビュー.appでは見れないようです。ちょっと納得いかない…。

ちなみに「materials_textures」ディレクトリにはテクスチャの画像データがjpg形式で格納されています。

また「dem」は地形、「brid」は個別の構造物の3Dモデルとなっています。

実際の利用では、これらのデータをすべて統合して3D都市モデルをレンダリングすることになります。

LOD1のデータの場合

同時にダウンロードされたLOD1のデータを見てみると、同じ53394611のデータであっても構造物の大まかな形状までしかないデータとなっています。

VScode上でもプレビューしてみる

次のプラグインを使えばVSCode上でもOBJ形式のファイルをプレビューすることができます。

謎背景ですが、プレビューできています。

Microsoft Officeでも開けるらしい

Microsoft Word、PowerPoint、ExcelでもOBJやFBX形式のファイルを開けるらしいです。

Azulを使えばCityGMLも開けるらしい

らしいです!これは次回以降試してみたいと思います。

おわりに

Project PLATEAUのオープンデータセット(.obj)をダウンロードしてMacBook端末上でプレビューしてみました。

今回はOBJファイル単体のデータしかレンダリングできなかったので、次回はテクスチャと合わせてレンダリングする方法を模索してみます。

以上