Amazon EC2 の各インスタンスの物理コア数と 1 コアあたりの単価を一覧で確認する方法

Amazon EC2 の各インスタンスの物理コア数と 1 コアあたりの単価を一覧で確認する方法

2025.10.22

はじめに

AWS ParallelCluster や AWS Batch で HPC ワークロードで要求される大量の物理コア。各インスタンスタイプの物理コア数を確認してコストパフォーマンス良いものを探したいときが年 1、2 回あります。

本記事では、すべての EC2 インスタンスタイプの物理コア数をマネージメントコンソールから確認する簡単な方法を紹介します。

この記事でわかること

  • マネジメントコンソールから物理コア数を確認する方法
  • ダウンロードしたデータからコア単価を計算する方法
  • 物理コア 1 つあたりのコストパフォーマンスに優れたインスタンスタイプの見つけ方

AWS CLI から確認方法

AWS CLI を使って各インスタンスタイプを調べていけば物理コア数の取得はできます。スクリプトを用意しておけば全数チェックできるのですが時間がかかります。

https://dev.classmethod.jp/articles/tsnote-ec2-how-to-verification-number-of-physical-cores/

マネージメントコンソールから確認できる手軽な方法を紹介します。マネージメントコンソールから取得できる情報で不足があれば、AWS CLI で確認してください。

マネジメントコンソールから確認

EC2 マネジメントコンソールの左側メニューから「インスタンスタイプ」を選択します。

InstanceTypes___EC2___ap-northeast-1-2.png

インスタンスタイプの一覧が表示されます。画面右上の設定アイコンから列の表示設定を変更できます。「コア」 にチェックを入れてください。

Cursor_と_InstanceTypes___EC2___ap-northeast-1.png

確認例

第 7 世代の Intel と AMD のインスタンスタイプで比較した例です。新たに追加された「コア」列が物理コア数を示しています。なかななか確認しやすくないでしょうか。

InstanceTypes___EC2___ap-northeast-1-3.png

物理コアあたりのオンデマンド料金を比較する方法

私が年 1、2 回確認したいときは、大量のコア数を要求されてかつ、スポットインスタンスは提案できない状況にあるときです。「hpc6a.48xlarge より 1 コアあたりの単価が安いインスタンスタイプ増えていないよな?」「同じくらいの価格帯で最新の CPU ないか?」という確認です。

さきほどのマネジメントコンソールの表示だけでは、物理コアあたりのオンデマンド料金の比較できません。ここでは CSV データをダウンロードして、スプレッドシートで分析する方法を紹介します。

CSV ダウンロード

同じく EC2 マネジメントコンソールの「インスタンスタイプ」画面から CSV をダウンロードします。マネージメントコンソールのリージョンを切り替えることで、他のリージョンの情報も同様に取得できます。

InstanceTypes___EC2___ap-northeast-1-4.png

ダウンロードした CSV には、マネージメントコンソールで表示可能なすべてのプロパティ情報が含まれています。

物理コア調査_-_Google_スプレッドシート.png

スプレッドシートで編集

CSV を Google スプレッドシートで開き、物理コアあたりの単価を計算するための列を追加します。下記のスクリーンショットの青字の列が追加した列です。ノイズとなる列は非表示にしてあります。

物理コア調査_-_Google_スプレッドシート_🔊.png

計算式を載せておきます。

Linux 料金の抽出

オンデマンド Linux 料金から数値のみを抽出します。
以下の式を使用して、料金文字列から数値部分のみを取り出します。

# AY2 はオンデマンド Linux 料金のセル
=INDEX(SPLIT(AY2," "),1)

物理コアあたりの単価計算

Linux 料金を物理コア数で割ることで、物理コア 1 つあたりの単価を算出します。

# BE2 は Linux 料金のセル、K2 はコア数のセル
=BE2/K2

使い方

物理コアあたりの単価列を昇順でソートするか、アーキテクチャでフィルタリングすることで、コストパフォーマンスに優れたインスタンスタイプを発見できます。

確認例

オハイオリージョンから取得した CSV を分析した結果です。Graviton や T 系シリーズと同等の低コストで、hpc6a.48xlarge が物理コアあたりの単価が非常に安価であることがわかります。

物理コア調査_-_Google_スプレッドシート_🔊-2.png

物理 128 コア以上で x86_64 ならどのあたりが良いかと調べたりできます。

物理コア調査_-_Google_スプレッドシート-2.png

最近の世代は物理コアあたりの単価は高くなっていますが、性能が良いためコストパフォーマンスは高かったりします。一概にコアあたりの単価で判断できないのですが、HPC 系インスタンス様に軍を抜いて安価だと話変わってきます。本当にコスパが良いのかは PoC するなどして実際のワークロードで確認してみないとわからないところです。

https://dev.classmethod.jp/articles/ec2-m7i-m7iflex-tokyo/

まとめ

本記事では、EC2 インスタンスの物理コア数を確認し、コストパフォーマンスを比較する 2 つの方法を紹介しました。

  • マネジメントコンソールでの確認方法
  • マネージメントコンソールからダウンロードした CSV ファイルを加工する方法

おわりに

久々に確認しようと思ったら確認方法をド忘れてして思い出せなく困りました。後日、思い出したので備忘録としてブログにアップしました。

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