Amazon EC2のリザーブドインスタンス購入ガイド 2014年12月版
ども、大瀧です。
本日、Amazon EC2リザーブドインスタンス(RI)の価格体系が変更され、新価格体系になりました。
変更後、結局どのようにRI購入を判断すれば良いのか、まとめてみました。
リザーブドインスタンスのキホン
リザーブドインスタンス(RI)はAmazon EC2の料金プランの一つで、EC2インスタンスの実行権を予約することで割安な利用料金になるものです。"予約"ということなので、RI購入後は実際にEC2インスタンスを実行してもしなくても料金が発生する点が、通常料金プラン(オンデマンド)と最も異なります。
従って、ある程度連続して実行がことが決まっているインスタンスに向いていると言えます。
リザーブドとオンデマンドの分岐点
リザーブドインスタンスの価格はリージョン(AWSのデータセンターの地域)、OS、インスタンスタイプ、プランで異なるため、今回は東京リージョンのLinux、m3.largeタイプ、No Upfront 1年プランを例に挙げます。他の条件については、以下の価格ページで参照ください。
- AWS | Amazon EC2 | Pricing → 本日現在は日本語ページに反映されていないため、右上の[日本語]をクリックし[English]に切り替えてください
単純な比較であれば、[Savings over On-Demand]の列が"オンデマンドと比較した割引率"を指すので、1年No Upfrontでは34%引きですね。
RIはプランの期間中利用率100%の場合の価格を想定しているので、100%から割引率を引いた66%で換算し以下の式とみなすこともできます。
オンデマンドの価格 = RIで利用率66%の価格
というわけで、66%がオンデマンドとリザーブドのどちらが安いかが分かれる分岐点です。66%よりも利用率が高くなれば、リザーブドインスタンスの方がお得です。諸々の条件で分岐点は前後しますが、概ね50%以上の利用率になりそうであれば、一度リザーブドインスタンスを検討するべきです。
利用率は、プランの期間中(1年or3年)の1時間単位で換算になるので、1日のうち何時から何時まで実行するスケジュール運用や、キャンペーンやイベントなど特定の日数だけ実行する一時運用でもこの利用率が適用できます。
プランについて
RIのプランは前払い金(Upfrontと呼ぶ)と従量金のバランスで3つあります。
- No Upfront: 前払金なし、従量金の小さな割引
- Partial Upfront: No UpfrontとAll Upfrontの中間の前払い金と従量金の大きな割引
- All Upfront: 前払金のみ、従量金なし
総計はAll Upfront < Partial Upfront < No Upfrontの順で、All Upfrontが最も安くなります。
こちらも実際の金額をベースに検討することになりますが、見方としてはNo Upfrontをスタートラインとするのが良いでしょう。AWSの利用料金は月額締めなので、初月にどれくらい前払い金が払えるのかで評価することになります。初月のリスクを最小化するNo Upfrontをベースにし、初月のリスクを積んでより高い割引率を見込むPartial Upfront、All Upfrontを検討するという順番です。
この辺りは、携帯電話/スマートフォンの一括払い、分割払いに近いモデルと捉えるとわかりやすいと思います。国内スマートフォンの場合、分割払いに利子がつかないことが多いですが、割引率が低いというのを分割払いの利子と読み替えると比較しやすいと思います。
プラン間の比較は、大栗のブログエントリーが詳しいです。
条件や変更をチェックしましょう
リザーブドインスタンスのよくある誤解として、実際のEC2インスタンスのインスタンスID指定で買うものではない点があります。また、購入後にある程度条件を変更することもできますので、リザーブドインスタンスの適用条件、変更条件をよく理解するようにしましょう。
適用条件は、以下のスライド資料が詳しいです。
まとめ
うまく利用すれば、EC2の利用料金が3割〜4割引きになるお得なプラン、リザーブドインスタンスを積極的に活用していきましょう!