ECS FireLensを使ってコンテナログをS3に転送する方法
はじめに
かつまたです。
今回はECSでFluent Bitを使用してコンテナログをS3に転送する方法について紹介します。ECSのFireLens機能を使うことで、コンテナログを様々な宛先に転送できますが、今回はS3をターゲットにしてみます。
マネジメントコンソールでの設定説明となっておりますが、最後にタスク定義のJSONも記載しています。
Fluent Bit とは
Fluent Bitは様々なソースからログを収集し、異なる宛先に転送することができるオープンソースのツールです。軽量で高性能なため、コンテナ環境やクラウド環境での利用に適しています。
やってみた
前提
- ログ配信用S3バケット作成済み
- ECSタスクロール作成済み
IAMロール例
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Allow",
"Action": [
"s3:PutObject"
],
"Resource": [
"arn:aws:s3:::バケット名",
"arn:aws:s3:::バケット名/*"
]
}
]
}
タスク定義作成
-
「ECS」→「タスク定義」からタスク定義を作成します。ECSのタスク定義でアプリケーションコンテナを設定します。コンテナ名を「app」とし、イメージには「nginx:latest」を指定します。ポートマッピングでは80番ポートを公開します。
-
次に、アプリケーションコンテナのログ設定を行います。ログ収集で「Amazon Firelens経由でS3にログをエクスポートする」を選択し、以下のオプションを設定します:
- bucket: ログを保存するS3バケット名
- total_file_size: ログファイルの最大サイズ(例:1M)
- s3_key_format: S3に保存する際のパス形式(例:/logs/year=%Y/month=%m/day=%d/hour=%H/%Y-%m-%d-%H-%M-%S)
- use_put_object: S3へのアップロード方法(On)
- upload_timeout: アップロードのタイムアウト時間(例:30s)
- region: S3バケットのリージョン
- Match: ログのフィルタリングパターン(例:*)
- Name: 出力先の指定(例:s3)
ECSにおけるFluent Bitのログ設定の推奨は以下リファレンスから確認可能です。
-
ログルーターコンテナ(FireLens)を設定します。コンテナ名を「log_router」とし、イメージには「public.ecr.aws/aws-observability/aws-for-fluent-bit:stable」を指定します(ログ収集で「Amazon Firelens経由でS3にログをエクスポートする」が選択されていると自動で設定されます)。
-
ログルーターコンテナ自体のログ設定も行います。ログ収集で「Amazon Cloudwatch」を選択し、以下のオプションを設定します:
- awslogs-group: CloudWatchロググループ名
- awslogs-region: CloudWatchのリージョン
- awslogs-stream-prefix: ログストリームのプレフィックス
ECSクラスターとサービス作成
-
ECSクラスターを作成します。クラスター名を記入し、Fargateを使用するサーバーレスクラスターとして設定します。
-
作成したタスク定義を使用してサービスを起動します。作成したタスク定義を選択し、必要なタスク数を設定します。起動タイプは「FARGATE」を選択します。VPCやサブネット、セキュリティグループについても設定します。
確認
- サービスが正常に起動すると、Nginxのデフォルトページにアクセスできるようになります。起動した「サービス」→「タスク」の詳細画面からパブリックIPアドレスを確認し、Webブラウザで検索することで正常起動できているか確認できます。
開いたWebページでリロードなどの操作を行い、S3バケットに配信する用のログを発生させます。
- S3バケットを確認すると、設定したパス形式に従ってログファイルが保存されていることが確認できます。ログファイルには、Nginxのアクセスログやエラーログが含まれます。
タスク定義(JSON)
上記で作成したタスク定義はJSONで表記すると以下のようになります。
タスク定義例
{
"taskDefinitionArn": "arn:aws:ecs:us-east-1:XXXXXXXXXXXX:task-definition/firelens-fluentbit-s3:7",
"containerDefinitions": [
{
"name": "app",
"image": "nginx:latest",
"cpu": 0,
"portMappings": [
{
"name": "app-80-tcp",
"containerPort": 80,
"hostPort": 80,
"protocol": "tcp"
}
],
"essential": true,
"environment": [],
"mountPoints": [],
"volumesFrom": [],
"logConfiguration": {
"logDriver": "awsfirelens",
"options": {
"bucket": "ecs-fluentbit-log-XXXXX",
"total_file_size": "1M",
"s3_key_format": "/logs/year=%Y/month=%m/day=%d/hour=%H/%Y-%m-%d-%H-%M-%S",
"use_put_object": "On",
"upload_timeout": "30s",
"region": "us-east-1",
"Match": "*",
"Name": "s3"
}
},
"systemControls": []
},
{
"name": "log_router",
"image": "public.ecr.aws/aws-observability/aws-for-fluent-bit:stable",
"cpu": 0,
"memoryReservation": 50,
"portMappings": [],
"essential": true,
"environment": [],
"mountPoints": [],
"volumesFrom": [],
"user": "0",
"logConfiguration": {
"logDriver": "awslogs",
"options": {
"awslogs-group": "/aws/ecs/firelens-fluentbit-s3",
"awslogs-region": "us-east-1",
"awslogs-stream-prefix": "firelens"
}
},
"systemControls": [],
"firelensConfiguration": {
"type": "fluentbit",
"options": {
"enable-ecs-log-metadata": "true"
}
}
}
],
"family": "firelens-fluentbit-s3",
"taskRoleArn": "arn:aws:iam::XXXXXXXXXXXX:role/ecs-fluentbit-s3-put-logs",
"executionRoleArn": "arn:aws:iam::XXXXXXXXXXXX:role/ecsTaskExecutionRole",
"networkMode": "awsvpc",
"revision": 7,
"volumes": [],
"status": "ACTIVE",
"requiresAttributes": [
// 属性情報(省略)
],
"placementConstraints": [],
"compatibilities": [
"EC2",
"FARGATE"
],
"requiresCompatibilities": [
"FARGATE"
],
"cpu": "1024",
"memory": "3072",
"registeredAt": "2025-07-11T08:14:34.907Z",
"registeredBy": "arn:aws:sts::XXXXXXXXXXXX:assumed-role/cm-XXXXX/cm-XXXXX",
"tags": []
}
おわりに
今回はECSのFireLens機能を使ってFluent BitでコンテナログをS3に転送する方法を紹介しました。
この方法で、コンテナログを長期保存したり、後から分析したりすることが可能になります。
また、Fluent Bitの設定を変更し、S3以外にもKinesis Data Firehose、CloudWatch Logsなど様々な宛先にログを配信できるようになります。
ご覧いただきありがとうございました。
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