Amazon Global Network経由でのVPN接続!AWS Accelerated Site to site VPN Connections の効果を試してみた #reinvent

2019.12.18

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちは、菊池です。

re:Invent 2019 で発表された、Transit Gateway に関する4大アップデートの1つ、AWS Accelerated Site to site VPN Connectionsをようやく試してみることができました。

[速報] AWS Accelerated Site to site VPN Connectionsがリリースされました! #reinvent

このサービスは、Transit GatewayにアタッチするVPN接続においてAmazon Global Networkを利用することで、低遅延で安定したSite to Site VPN接続が利用できるというものです。

検証

今回はAccelerated Site to site VPN Connectionsの有効/無効の効果を判定したかったので、日本(埼玉)からバージニアリージョンにVPN接続してみました。

接続手順

Transit GatewayへのVPN接続は、こちらで紹介していますので、設定手順の違いはアクセラレーションの有無だけです。Transit Gateway、カスタマーゲートウェイはあらかじめ作成しておき、VPN接続を新規に作成します。

Transit GatewayへのVPN接続を選ぶと、オプションに [Enable Acceleration] という項目が追加されていますので、こちらにチェックを入れます。

あとは通常のVPN接続と同様です。ダウンロードできる設定ファイルにも接続先パラメータ以外の差異はありませんでしたので、カスタマーゲートウェイは特に意識することなく利用できます。作成してからVPN接続が有効になるまでの時間が、アクセラレーション無しに比べて長くかかりました(通常5分程度に対し、15分程度かかりました)。おそらく、Global Acceleratorをプロビジョニングするために時間がかかるものと思われます。

カスタマーゲートウェイを設定し、しばらく待つと、VPN・BGPがアップしました。

効果測定

VPNは問題なく接続できましたので、バージニアリージョンのVPC内に起動したEC2インスタンスに対し、Pingを1000回実行してレイテンシを確認しました。

アクセラレーション min avg max mdev
有効 151.769 ms 156.551 ms 193.065 ms 6.434 ms
無効 172.253 ms 173.566 ms 189.431 ms 1.074 ms

結果、min/avgはアクセラレーションを有効化した方がレイテンシが小さくなりました。max、mdevはアクセラレーションなしの方が小さいですが、インターネット接続環境の影響もあるかもしれません。平均として、アクセラレーション有効化に一定の効果があると言えるでしょう。

まとめ

Accelerated Site to site VPN Connectionsを使ったVPN接続と効果を試してみました。

今回の検証のように、VPN接続元とTransit Gatewayのリージョンが大きく離れているような場合には、一定の効果が見込めるかと思います。通常のVPNと比較し追加のコストも発生しますので、実環境で既存のVPNでの問題の有無や導入効果を検証の上、導入を検討しましょう。