[アップデート] AWS Local Zonesがユーザー自身で有効化可能になりました

[アップデート] AWS Local Zonesがユーザー自身で有効化可能になりました

Clock Icon2020.03.10

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こんにちは、菊池です。

本日紹介するアップデートはこちら!

昨年末のAWS re:Invent 2019で登場した新サービス、AWS Local Zonesがユーザー自身で有効化可能になりました。

AWS Local Zonesとは

AWS Local ZonesはAWS re:Invent 2019 にて発表されたサービスで、同じく発表されたOutposts、Wavelengthとともに、AWSリージョンのサービスをエッジに近いロケーションで実行するためのサービスです。

AWSのリージョンが近くにないエンドユーザーにサービスを提供するにあたり、Local Zoneというより近い場所でのサービスの展開が可能になります。Outpostsのように、自前でリソースの設置場所を用意する必要がなく、AWSが提供する場所で利用が可能です。

[速報] AWS Local Zones が発表されました! #reinvent

現在、最初のロケーションとして、オレゴンリージョン(us-west-2)にてロサンゼルスのLocal Zoneが利用可能です。(北カリフォルニアリージョンではないことに注意)

発表当初は、利用のためにはAWSへのリクエストが必要でしたが、今回のアップデートにてユーザー自身でLocal Zonesの有効化が可能になりました。

AWS Local Zonesの有効化

早速試してみます。

オレゴンリージョン(us-west-2)のEC2のコンソールに移動し、ダッシュボードの一番下に有効なアベイラビリティゾーンの表示があります。こちらから[Enable additional Local Zones]に進みます。

Local Zoneである、us-west-2-lax-1を有効化します。実際はLocal Zone Group:us-west-2-lax-1の中に、Local Zone:us-west-2-lax-1aがあるようです。

確認画面が出ます。有効化後、無効に戻す場合にはサポートへの依頼が必要なようです。

実行しました。

画面をリロードすると、Local Zonesが有効になっていました!

AWS Local Zonesの利用

有効化したLocal Zone、us-west-2-lax-1aを使ってみます。有効化直後は、デフォルトVPCにもサブネットがない状態なので、まずはサブネットを作成します。

作成するAZとして、us-west-2-lax-1aが選択可能になっています。

サブネットが作成できました。

作成したus-west-2-lax-1aのサブネットにEC2を起動して、既存のAZや他リージョンとの通信レイテンシを測定しました。

リージョン内のAZ間通信

  • OS:Amazon Linux 2
  • インスタンスタイプ:m5.large
  • 利用AZ:
    • us-west-2a(usw2-az2)
    • us-west-2b(usw2-az1)
    • us-west-2-lax-1a(usw2-lax1-az1)

上記のそれぞれで、Ping100回の結果です。

AZ min avg max mdev
us-west-2a - us-west-2-lax-1a間 27.574 ms 27.592 ms 27.618 ms 0.112 ms
us-west-2b - us-west-2-lax-1a間 25.940 ms 25.951 ms 26.009 ms 0.201 ms
us-west-2a - us-west-2b間 0.598 ms 0.614 ms 0.675 ms 0.036 ms

既存のAZ間は1ms以下で安定しているのに対し、Local Zoneとは20ms以上となっています。ロサンゼルスにあると言われているLocal Zoneは、既存のAZとはかなり距離がありそうです。

北カリフォルニアリージョン(us-west-1)からの通信

us-west-2-lax-1aがあるロサンゼルスはカリフォルニア州ですので、同じ州内である北カリフォルニアリージョン(us-west-1)からはどうだろうということで、試してみました。今回は、VPC内ではなくパブリックネットワーク(インターネット)経由での確認です。

us-west-1に起動したEC2から、us-west-2-lax-1a、us-west-2aのEC2インスタンスに対してそれぞれ同様に測定しました。

AZ min avg max mdev
us-west-1 - us-west-2-lax-1a間 9.932 ms 9.950 ms 10.024 ms 0.036 ms
us-west-1 - us-west-2a間 20.953 ms 20.976 ms 21.121 ms 0.151 ms

こちらはLocal Zoneの優位性が大きく出ました!同じカリフォルニア州内からの通信では、us-west-2-lax-1aへの通信が10ms程度となっています。

まとめ

新サービス、AWS Local Zonesを試してみました。

エンドユーザーに近いロケーションでサービスを実行することで、レイテンシにシビアなアプリケーションでは大きな恩恵が得られることでしょう。現状はロサンゼルスが対象ですが、多くの地域に展開されることを期待します!

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