[アップデート]Systems Manager 高速セットアップでは、組織内の全アカウントのEC2インスタンスに対してSSM機能を有効にしてくれるDHMCがサポートされました

AWS Organizationsを利用、かつ、SSMを利用する環境であれば、ぜひ利用を検討しましょう。
2023.10.14

はじめに

AWS Systems Manager Quick Setup(以降、SSM高速セットアップ)では、組織内の全アカウントの全リージョン内のEC2インスタンスに対し、デフォルトでSSMを有効にするDefault Host Management Configuration(以降、DHMC)がサポートされました。

DHMC(日本語では、デフォルトのホスト管理設定)では、SSMのフリートマネージャーで下記の通りIAMロールを指定します。

DHMCを有効化することで、EC2インスタンスに直接IAMロールをアタッチせずに、DHMCで指定したIAMロールによって、セッションマネージャーやパッチマネージャーなどのSSM機能が利用できるようになります。

以前は、全てのアカウントと全リージョンに適用する場合、アカウントやリージョンごとに、DHMCを手動で有効化するか、CloudFormation テンプレートを作成してStackSetsを利用する必要がありました。

今回のアップデートによって、SSM高速セットアップでは、組織内の全てのアカウントと全てのリージョンに対してDHMCを一括で有効化し、全てのEC2インスタンスに対してSSM機能を有効にすることができます。

また、組織内に新規アカウントが作成された場合も自動でDHMCが有効化されます。

前提条件として、DHMCでSSM機能が利用できるEC2インスタンスは、以下を満たす必要があります。

  •  SSM Agentバージョン3.2.582.0 以降がインストールされている
  • Instance Metadata Service Version 2 (IMDSv2) のみサポート

DHMCの詳細は、下記の記事をご参考ください。

やってみた

まず、メンバーアカウント側でEC2インスタンスを起動します。

AMIは、Amazon Linux 2023 AMI 2023.2.20231011.0 x86_64 HVM kernel-6.1にしました。

IAMロールは、選択しないまま起動します。

高速セットアップ

続いて、管理アカウント側で、アップデート内容であるSSM高速セットアップから、DHMCを有効化します。

検索欄にDefault Host Management Configurationと入力します。

設定オプションでは、SSMエージェントの自動更新を2週間ごとに有効にする (推奨)がありましたので、チェックしておきましょう。

[概要]欄から、有効化することで、以下の3つが実行されると確認できます。

  • 組織内の全アカウントとリージョンでDHMCを有効化する
  • SSM エージェントは、2週間ごとにアップデートする
  • 今後、組織に加わる新しいアカウントにも自動的に適用される

設定が完了しました。

設定詳細をみると、インスタンスを定義(=関連付け)した状態に保つステートマネージャーで、3つ関連づけされていることが確認できました。

  • 2週間に1回SSMAgentの更新
  • DHMCの有効化
  • Systems Manager Explorer の有効化

メンバーアカウントで確認

メンバーアカウントでIAMロールを確認します。

リージョン名ごとにIAMロールが作成されていました。

フリートマネージャーを確認すると、IAMロールをアタッチしていない先程起動したEC2インスタンスがマネージドノードとして認識されていました。

私の場合、高速セットアップが完了してから、マネージドノードと認識されるまでに、1時間弱かかりました。個々で異なりますが、参考目安としてご認識ください。

[デフォルトのホスト管理設定を設定する]では、高速セットアップ前は無効でしたが、自動作成されたIAMロールが指定されており、有効化されていることが確認できます。

マネージドノードなので、もちろんセッションマネージャーで接続できました。

最後に

今回のアップデートでは、SSM 高速セットアップにおって、組織内の全アカウントと全リージョンに対して、DHMCを有効化できるようになりました。

DHMCを有効化することで、1台ずつEC2インスタンスにSSM権限のIAMロールをアタッチする必要がなくなります。

「特定のEC2インスタンスは、SSM機能を利用させたくない」などの要件がない限り、SSM機能を利用する組織であれば、ぜひ有効化を検討しましょう!

参考