AWS Fargateで32vCPUが利用可能になったので、裏側のインスタンス世代を覗いてみた

AWS Fargateで32vCPUが利用可能になったので、裏側のインスタンス世代を覗いてみた

AWS Fargateで32vCPUタスクが利用可能になったため、ECS Execでタスク内部からDMI/CPU情報を取得し、東京リージョン各AZで裏側のインスタンス世代の確認をこころみました。x86_64とARM64それぞれの観測結果と注意点を紹介します。
2026.06.15

はじめに

2026年6月5日、AWS Fargateで32vCPUタスクがサポートされました。2022年9月の16vCPU対応以来、約4年ぶりのスペック拡張です。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2026/06/amazon-ecs-fargate-32vcpu/

旧(〜2026年6月) 新(2026年6月〜)
最大 vCPU 16 32
最大メモリ 120GB 244GB
32vCPU 時のメモリ構成 60GB / 120GB / 244GB

Fargateでは利用者がインスタンスタイプを指定できず、裏側のインフラはAWSが管理します。32vCPUタスクの裏側では実際にどのインスタンス世代が使われているのか、ECS Execでタスク内部からDMI / CPU情報を取得して確認してみました。

検証環境

  • リージョン: ap-northeast-1(東京)
  • ECSクラスター: Fargateのみ
  • プラットフォームバージョン: Linux 1.4.0
  • コンテナイメージ: amazonlinux:2023sleep infinity で待機)
  • ECS Exec: 有効
  • タスク定義: 32vCPU / 60GB(cpu=32768, memory=61440
  • 測定AZ: ap-northeast-1a(apne1-az4)、ap-northeast-1c(apne1-az1)、ap-northeast-1d(apne1-az2)
  • 各AZ・各アーキテクチャにつき1回(n=1)

検証手順

各AZで32vCPUタスクを起動し、ECS Execで接続して以下の情報を取得しました。

# コンテナ内から見える DMI product_name
cat /sys/class/dmi/id/product_name

# CPU 情報
cat /proc/cpuinfo

# メモリ情報
cat /proc/meminfo | head -5

# カーネル情報
uname -a

検証結果

x86_64(32vCPU / 60GB)

AZ (AZ ID) product_name CPU processors MemTotal
ap-northeast-1a (apne1-az4) c5.9xlarge Intel Xeon Platinum 8223CL @3.0GHz 36 約72.5GiB
ap-northeast-1c (apne1-az1) c6i.8xlarge Intel Xeon Platinum 8375C @2.9GHz 32
ap-northeast-1d (apne1-az2) c7i.8xlarge Intel Xeon Platinum 8488C 32

3つのAZすべてで異なるインスタンス世代が観測されました。c5(第5世代)、c6i(第6世代)、c7i(第7世代)と、3世代にわたるホストが混在しています。

ap-northeast-1aのc5.9xlargeではprocessorsが36で、タスク定義の32vCPUより多い値が見えています。c5.9xlargeは36vCPUのインスタンスタイプであるため、タスクに割り当てられていないCPUも /proc/cpuinfo に見えている可能性があります。一方、c6i.8xlargeとc7i.8xlargeはいずれも32vCPUのインスタンスタイプであり、processorsもちょうど32でした。

ARM64(32vCPU / 60GB)

AZ (AZ ID) product_name CPU Graviton 世代 BogoMIPS
ap-northeast-1a (apne1-az4) c6g.8xlarge Neoverse N1 Graviton2 243.75
ap-northeast-1c (apne1-az1) c8g.8xlarge Neoverse V2 Graviton4 2000.00
ap-northeast-1d (apne1-az2) c8g.8xlarge Neoverse V2 Graviton4 2000.00

ARM64でも複数世代が混在しています。ap-northeast-1aではGraviton2、他の2 AZではGraviton4が観測されました。

※ ARMのBogoMIPSはCPU性能を表す指標ではなく、世代判別の参考値として記載しています

参考: 2vCPU タスク

同環境で2vCPU / 4GBタスク(x86_64)を起動した際には、以下が観測されました。

AZ (AZ ID) product_name CPU
ap-northeast-1a (apne1-az4) m7a.large AMD EPYC 9R14 @3.7GHz

今回の検証では2vCPUタスクにm7a(第7世代)、32vCPUタスクにはそれより古い世代のホストが使われていましたが、n=1の観測であり、一般的な傾向を示すものではありません。

注意事項

  • /sys/class/dmi/id/product_name はコンテナ内から観測できたDMI情報であり、AWSが公式に公開・保証している情報ではありません。検証時に観測された値として扱ってください
  • /proc/cpuinfo のprocessor数はコンテナから見える論理CPU数であり、タスクに割り当てられたvCPU数そのものとは限りません。c5.9xlargeで36 processorsが観測されましたが、タスク定義は32vCPUです
  • /proc/meminfo のMemTotalはタスク定義のmemory値や課金対象メモリとは一致しません。タスクに割り当てられた値より大きな値が観測されており、ホスト/VMレベルのメモリ情報が見えていると考えられます
  • 本記事の結果は各条件につき1回のみの測定(n=1)です。再現性は未検証です
  • ホスト世代の観測は32vCPU / 60GB構成に限ります。120GB / 244GB構成のホスト世代は未検証です

コスト

32vCPUタスクのFargate料金です(東京リージョン、オンデマンド、2026年6月時点)。

単価

Linux/x86 Linux/ARM
vCPU あたり $0.05056/時間 $0.04045/時間
GB あたり $0.00553/時間 $0.00442/時間

ARMはx86比で約20% 安い料金設定です。

時間単価

構成 Linux/x86 Linux/ARM
32vCPU / 60GB $1.950/h $1.560/h
32vCPU / 120GB $2.282/h $1.825/h
32vCPU / 244GB $2.967/h $2.373/h

月額目安(720時間稼働)

構成 Linux/x86 Linux/ARM
32vCPU / 60GB $1,404/月 $1,123/月
32vCPU / 120GB $1,643/月 $1,314/月
32vCPU / 244GB $2,136/月 $1,709/月

まとめ

Fargate 32vCPUタスクの内部情報を確認したところ、x86_64ではc5 / c6i / c7i、ARM64ではGraviton2 / Graviton4が観測されました。Fargateでは利用者がホスト世代を制御できないため、同一タスク定義でも常に同じ世代で動作するとは限りません。

CPU命令セットやNitro世代への依存が大きいワークロードでは、ECS on EC2でインスタンスタイプを固定する方が確実です。一方、CPU世代への依存が小さいワークロードでは、Fargateの運用負荷軽減メリットをそのまま活かせます。

同一タスク定義のFargateタスク間で性能差が気になる場合は、配置先ホスト世代も確認観点の一つになります。

参考リンク

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