FirebaseMCPを活用したCrashlytics解析

FirebaseMCPを活用したCrashlytics解析

2025.12.20

はじめに

Crashlytics は、アプリで起きたクラッシュや致命的なエラーを集めて「どの不具合がどれくらいのユーザーに影響しているか」を見える化できる便利なサービスです。

ただ、実務でネックになりやすいのは “見えてからの次の一手”“定期的な解析と対応を回し続けること” です。
たとえば下記のような悩みが出がちです。

  • Issue(問題)が多くて、どれから直すべきか迷う
  • Android と iOS で似たエラーが出ていて、同じ原因か別物か判断しづらい
  • 端末/OS/アプリバージョンなど、どの条件で偏っているかを調べるのが大変

そこで Firebase MCP + Crashlytics の AI アシスタンスを使うことで、
会話しながら「上位の Issue を列挙する → 共通/片側でグルーピングする → 偏り(バージョン/OS/端末)を見て当たりを付ける」までをテンポよく進められます。
結果として、調査〜改善までの速度が上がり、Crashlytics を 定期的に解析して対応する運用 にも乗せやすくなります。

参考: MCP を介した Crashlytics の AI アシスタンス

ざっくり何ができる?

Crashlytics のデータを API 経由で取得し、AI が “分析の枠組み” を作ってくれます。

  • 上位 Issue の列挙(致命的/FATAL などで絞る)
  • バリアント/バージョン/デバイス/OS 別の偏りの把握
  • Android と iOS の共通グループ/片側グループの整理
  • 修正方針の提案(再現仮説、観測ポイント、追加ログ、テスト観点)

セットアップ/接続

1. 事前準備

MCP クライアントで Firebase MCP サーバー を使用できるように設定します。

参考: Firebase MCP サーバーをセットアップする

2. MCP 側で Crashlytics に接続する

crashlytics:connect を実行します。

  • MCP から Firebase CLI の認証が必要になるので、未ログインの場合は指示に従ってログインします
  • 接続後、直近のイベント/Issue を拾って「状況の要約」や「次の提案」を返してくれます

※Crashlytics ツールが読み込まれないとき

Firebase MCP サーバーは依存関係を見て Crashlytics 利用を自動判定しますが、環境や依存関係管理の都合で Crashlytics MCP ツール/プロンプトが読み込まれないことがあります。

その場合は 回避策として --only crashlytics で Crashlytics 関連のみを手動読み込みします。

参考: Crashlytics MCP ツールとプロンプトが読み込まれない

活用例

ステップ1: “上位 Issue” を全部出す(=入口を作る)

最初のゴールは「いま何が痛いか」を一覧化して優先度付けの材料を揃えることです。

  • crashlytics_get_top_issues で、指定したフィルタ(例: issue_type=FATAL)に一致する Issue を「イベント数」と「影響ユーザー数」で集計し、イベント数が多い順に並べて確認する
  • Android / iOS でアプリ ID(パッケージ名/Bundle ID)を指定して混線しないようにする
  • 可能なら アプリバージョン/期間で絞る(リリース直後の急増を見つけやすい)

ステップ2: “共通/片側” でグルーピング(=修正の当たりを付ける)

Android と iOS で同名っぽい Issue が出ることがありますが、実装/依存/OS差異で根が違うケースもあります。

ここは AI に 共通グループ / iOSのみ / Androidのみ を整理してもらうと、その後の調査・修正の順番が決めやすくなります。

ステップ3: 偏りを確認(=再現条件のヒントを拾う)

次の観点で “偏り” を見て、再現条件の仮説を強くします。

  • バリアント別: crashlytics_get_top_variants
  • バージョン別: crashlytics_get_top_versions
  • デバイス別: crashlytics_get_top_android_devices / crashlytics_get_top_apple_devices
  • OS別: crashlytics_get_top_operating_systems

(どれも “イベント数/影響ユーザー数” を軸に上位を出せるので、優先度付けにそのまま使えます)

プロンプト例

Firebase MCP で Crashlytics [YOUR_PROJECT_ID] のエラー改善をしたいです。
- crashlytics_get_top_issues を使って Android `[ANDROID_APP_ID]` と iOS `[IOS_APP_ID]` で発生している上位の issue_type FATAL を列挙する
- Android と iOS で 共通の問題、片方だけの問題 を 適切にグルーピングする
- グルーピングした問題毎に、再現条件の仮説と修正方針(観測ポイント/テスト観点)を提案する

# より細かく絞り込みを行いたい場合は以下のような文を追加
- アプリバージョン `w.x.y (z)` で発生している Issue のみに絞り込む

まとめ

Firebase MCP を Crashlytics 解析に使うと、次の一手がとにかく速くなります。

  • 入口(上位 Issue の列挙)
  • 整理(共通/片側のグルーピング)
  • 当たり付け(バージョン/デバイス/OS の偏りで仮説を強める)

また、解析だけでなく 修正→コミット→PR作成 までを一気に進める運用をしている記事を見かけるので、チームの開発フローに合わせて自動化の範囲を広げるのも良さそうです。

個人的には、プロジェクト全体の品質(テストや CI/CD)が整っているほど「提案 → 修正 → 検証」が回しやすくなるので、AI の対応精度もかなり上がっていきそうだと感じています。

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