FirebaseMCPを活用したCrashlytics解析
はじめに
Crashlytics は、アプリで起きたクラッシュや致命的なエラーを集めて「どの不具合がどれくらいのユーザーに影響しているか」を見える化できる便利なサービスです。
ただ、実務でネックになりやすいのは “見えてからの次の一手” と “定期的な解析と対応を回し続けること” です。
たとえば下記のような悩みが出がちです。
- Issue(問題)が多くて、どれから直すべきか迷う
- Android と iOS で似たエラーが出ていて、同じ原因か別物か判断しづらい
- 端末/OS/アプリバージョンなど、どの条件で偏っているかを調べるのが大変
そこで Firebase MCP + Crashlytics の AI アシスタンスを使うことで、
会話しながら「上位の Issue を列挙する → 共通/片側でグルーピングする → 偏り(バージョン/OS/端末)を見て当たりを付ける」までをテンポよく進められます。
結果として、調査〜改善までの速度が上がり、Crashlytics を 定期的に解析して対応する運用 にも乗せやすくなります。
参考: MCP を介した Crashlytics の AI アシスタンス
ざっくり何ができる?
Crashlytics のデータを API 経由で取得し、AI が “分析の枠組み” を作ってくれます。
- 上位 Issue の列挙(致命的/FATAL などで絞る)
- バリアント/バージョン/デバイス/OS 別の偏りの把握
- Android と iOS の共通グループ/片側グループの整理
- 修正方針の提案(再現仮説、観測ポイント、追加ログ、テスト観点)
セットアップ/接続
1. 事前準備
MCP クライアントで Firebase MCP サーバー を使用できるように設定します。
参考: Firebase MCP サーバーをセットアップする
2. MCP 側で Crashlytics に接続する
crashlytics:connect を実行します。
- MCP から Firebase CLI の認証が必要になるので、未ログインの場合は指示に従ってログインします
- 接続後、直近のイベント/Issue を拾って「状況の要約」や「次の提案」を返してくれます
※Crashlytics ツールが読み込まれないとき
Firebase MCP サーバーは依存関係を見て Crashlytics 利用を自動判定しますが、環境や依存関係管理の都合で Crashlytics MCP ツール/プロンプトが読み込まれないことがあります。
その場合は 回避策として --only crashlytics で Crashlytics 関連のみを手動読み込みします。
参考: Crashlytics MCP ツールとプロンプトが読み込まれない
活用例
ステップ1: “上位 Issue” を全部出す(=入口を作る)
最初のゴールは「いま何が痛いか」を一覧化して優先度付けの材料を揃えることです。
crashlytics_get_top_issuesで、指定したフィルタ(例: issue_type=FATAL)に一致する Issue を「イベント数」と「影響ユーザー数」で集計し、イベント数が多い順に並べて確認する- Android / iOS でアプリ ID(パッケージ名/Bundle ID)を指定して混線しないようにする
- 可能なら アプリバージョン/期間で絞る(リリース直後の急増を見つけやすい)
ステップ2: “共通/片側” でグルーピング(=修正の当たりを付ける)
Android と iOS で同名っぽい Issue が出ることがありますが、実装/依存/OS差異で根が違うケースもあります。
ここは AI に 共通グループ / iOSのみ / Androidのみ を整理してもらうと、その後の調査・修正の順番が決めやすくなります。
ステップ3: 偏りを確認(=再現条件のヒントを拾う)
次の観点で “偏り” を見て、再現条件の仮説を強くします。
- バリアント別:
crashlytics_get_top_variants - バージョン別:
crashlytics_get_top_versions - デバイス別:
crashlytics_get_top_android_devices/crashlytics_get_top_apple_devices - OS別:
crashlytics_get_top_operating_systems
(どれも “イベント数/影響ユーザー数” を軸に上位を出せるので、優先度付けにそのまま使えます)
プロンプト例
Firebase MCP で Crashlytics [YOUR_PROJECT_ID] のエラー改善をしたいです。
- crashlytics_get_top_issues を使って Android `[ANDROID_APP_ID]` と iOS `[IOS_APP_ID]` で発生している上位の issue_type FATAL を列挙する
- Android と iOS で 共通の問題、片方だけの問題 を 適切にグルーピングする
- グルーピングした問題毎に、再現条件の仮説と修正方針(観測ポイント/テスト観点)を提案する
# より細かく絞り込みを行いたい場合は以下のような文を追加
- アプリバージョン `w.x.y (z)` で発生している Issue のみに絞り込む
まとめ
Firebase MCP を Crashlytics 解析に使うと、次の一手がとにかく速くなります。
- 入口(上位 Issue の列挙)
- 整理(共通/片側のグルーピング)
- 当たり付け(バージョン/デバイス/OS の偏りで仮説を強める)
また、解析だけでなく 修正→コミット→PR作成 までを一気に進める運用をしている記事を見かけるので、チームの開発フローに合わせて自動化の範囲を広げるのも良さそうです。
個人的には、プロジェクト全体の品質(テストや CI/CD)が整っているほど「提案 → 修正 → 検証」が回しやすくなるので、AI の対応精度もかなり上がっていきそうだと感じています。






