
関数型まつり2025に参加してきました
2025年6月14日(土)に開催された関数型まつり2025に参加してきました!
2日間開催されますが、1日目だけ参加してきたのでレポートをまとめます。
関数型まつりについて
関数型プログラミングのカンファレンスです。去年までScalaMatsuriでしたが、今年から関数型まつりに変わったそうです。
参加したセッション
型システムを知りたい人のための型検査器作成入門 by 遠藤侑介
- TypeScriptで簡易的な型検査器を作るプロセスを紹介
- サポートする要素はリテラル・足し算・条件分岐
- AST(抽象構文木)と
switch
を使って型を判定 - 実装はわずか30行ほどで、最小構成でも動くものが作れる
- 型環境(map)を使って無名関数や関数呼び出しの型チェックも可能
感想
普段「型は便利なもの」として使っていたけど、その裏側の仕組みを知れるセッションで面白かったです。コードと図があったので視覚的にもわかりやすく、自分でも型検査器を作ってみたいと思いました!
Rust世界の二つのモナド──Rustでもdo式をしてプログラムを直感的に記述する件について by konn
- Haskellでのdo記法がRustでも使えるという紹介
qualified_do
クレートでand_then
連鎖をdo風に書ける?
ではできない異なる型のネストもdo記法で可能- Rustには2つのモナド的文脈
- Control Functor
- Data Functor
- ApplicativeやFunctorとの関係も整理されていた
感想
モナドという言葉すら知らなかったのですが、Rustで見かける and_then
の構造が実はモナドの一種だったと知って驚きました。難しい言葉も多かったけど、コード例が豊富でイメージしやすかったです!
AIと共に進化する開発手法:形式手法と関数型プログラミングの可能性 by いとひろ
- 形式手法はコードを書く前に仕様の正しさを検証する技術
- AIで自然言語からAlloy/TLA+を生成 → モデルチェックで矛盾や不足を検出 → 修正
- 型安全や要件の曖昧さを減らすサポートとして形式手法が効果的
- 全コードをAIで自動生成したデモあり
感想
形式手法という言葉は初めて知りましたが、AIが作るコードが本当に正しいのか不安だったので、事前にチェックできるのはいいなと思いました。普段からAIを使っているので、このやり方でなにか作ってみたくなりました!
高階関数を用いたI/O方法の公開 - DIコンテナから高階関数への更改 - by Kosuke Matsuura
- 関数型におけるDIの代替手段として高階関数を活用
- DIコンテナの代わりにComposition Rootで依存を解決・注入
- 「関数を引数で渡す」スタイルにすることで依存が明確でわかりやすくなる
- テストしやすく、柔軟に拡張・装飾(ラップ)できる
- classよりも関数のほうがシンプルで扱いやすいケースが多い
感想
Javaを書いていた頃は、アノテーションをつけて依存を渡すのが当たり前だったので、関数型でのやり方は新鮮でした。関数を引数で渡すとテストしやすくなったり、あとから機能を足しやすくなるのはいいなと思いました。今後は、設計を考えるときのヒントにしてみたいです!
What I have learned from 15 years of functional programming by Scott Wlaschin
- 関数型は「考え方を変える言語」であり、学ぶ価値がある
- 関数は第一級の値 / データは不変 / 小さな関数をcomposeして使う
- 型はクラスではなく集合として扱う(代数的データ型の考え方)
- オブジェクト指向プログラミングでの継承・interfaceではなく、関数を渡して挙動を切り替える
- パイプライン設計で一方向に流れるデータ処理がわかりやすい
感想
難しい言葉は使われていなかったし、具体的な例が多くてわかりやすかったです。クラスや継承を使わなくても、関数だけで同じことができるという話はびっくりしました。設計がシンプルになって、テストもしやすくなるのはすごくいいなと思いました。
なによりScottさんが書かれた「関数型ドメインモデリング」の本を読んでみたくなりました!(無事、積読に追加)
懇親会
懇親会も参加してきました。
Haskellを使ってる人が多いのかな、という印象でしたが、皆さんがどこで関数型プログラミングを通ることになったのか、とか、どの言語が好きかについて話せて楽しかったです!!
最後に
ほとんど知識なく参加したので、用語を調べつつ聞いたセッションが多かったのですが、どの方もサンプルコードや図があったので理解しながら聞くことができました。自分にとって新鮮な内容が多く、面白かったです!
求人情報
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