ゲーム業界の裏側で活躍するSaaSたちをまとめてみた 2025

ゲーム業界の裏側で活躍するSaaSたちをまとめてみた 2025

ゲーム業界の裏側で活躍するSaaSたちをまとめてみました。
2025.12.01

こんにちは。クラスメソッド株式会社 ゲームソリューション部の多田です。

本日2025年12月1日より、クラスメソッドの「業務効率化ソリューション部(ギョーソル)」と「ゲームソリューション部(ゲーソル)」がお届けする Advent Calendar 2025 をスタートします!

今年のテーマは「SaaSで加速するゲーム開発」

近年のゲーム開発は、
・開発体制の多様化(内製・外部協力・海外連携など)
・求められる品質やセキュリティ基準の上昇
といった環境変化が進んでおり、従来の“すべてを自前で作り込む”やり方だけでは、スピードやコストの面で負荷が高まりやすくなっているという話を昨今よく聞きます。

そのため、必要な機能を外部サービスに任せたり、複数のSaaSを組み合わせたりして、開発・運用の効率を高める取り組みが広がっています。

私たちが実際に現場でやってみた事例をもとに、25日間にわたってヒントをお届けします!

本記事の目的

この記事では、以下の3つをお伝えすることを目的としています。

「こんなSaaSがあるのか」と、新たな選択肢に出会ってもらうこと
世の中には、ゲーム開発・運用を支えるSaaSが数多く存在します。
まだ知られていないけれど、現場の課題に刺さる製品を知っていただけたらと思います。

SaaSを「組み合わせて使う」ことで広がる可能性を感じてもらうこと
単体ではなく複数のSaaSを連携・補完し合うことで、開発・運用環境の可能性が広がります。

クラスメソッドなら、複数製品を導入から技術支援・運用連携までまとめて支援できることを知ってもらうこと
私たちは、SaaSの導入だけでなく、AWSとの連携、認証・監視・データ分析・カスタマーサポートまで、一気通貫でサポートしています。

改めてギョーソル/ゲーソルとは?

ゲームソリューション部には、SaaSやクラウドを活用して企業のIT環境を支援する「業務効率化ソリューション部」という名前もあります。
これは、対応するお客様や案件の性質に応じて、2つの呼び名を使い分けています。

業務効率化ソリューション部(通称:ギョーソル)

SaaSやクラウドを活用し、社内IT・情報システム部門・バックオフィスの業務効率化を支援するチームです。
SaaS導入をはじめ、セキュリティ設計や認証基盤の整備、コンテンツ配信環境の最適化など、企業のIT基盤を幅広く支援しています。

ゲームソリューション部(通称:ゲーソル)

ゲーム開発・運用に特化した技術支援チームです。
AWSを活用したインフラ構成の最適化や、CI/CD環境の整備、セキュリティ対策、運用監視など、ゲームの開発環境をトータルで支援しています。

私たちは、SaaSを単なるツールとしてではなく、「限られたリソースでも、より良いゲームを届けるための選択肢」として提案しています。

この記事ではゲーソルにフォーカスを当てて書きます!

SaaSで加速するゲーム開発〜カテゴリ別にユースケースをご紹介〜

ここからは、ゲーム開発・運用の現場で導入が進んでいる代表的なSaaSと、それぞれのゲーム業界向けユースケースをカテゴリ別に簡単にご紹介します。

【1. 認証・セキュリティ・ID管理】

ゲームの信頼性と継続率を支える「土台」

  • Auth0(Customer Identity Cloud)
    用途:ID統合・外部IDとの連携
    ユースケース:
    ・ブランドIDの構築: SteamやAppleなどのプラットフォームIDと、Web側の「ブランドID」を統合、複数のゲームタイトルやグッズ・イベントのIDを共通化し、顧客データを一元管理
    ・Webショップの実現: ゲームアカウントとWeb IDを紐付けることで、アプリ外課金(Webストア)を可能にし、プラットフォーム側の手数料を適正化
    https://classmethod.jp/partner/auth0/

  • Snyk
    用途:脆弱性スキャン(コード・OSS・コンテナ・IaC)
    ユースケース:
    ・プロジェクト内 OSS の脆弱性混入を自動検知
    ・CI/CD に組み込み Pull Request 時に自動スキャン
    https://classmethod.jp/partner/snyk/

【2. 通信・通知・カスタマー接点】

ユーザー接点を安定して保つ「コミュニケーション基盤」

  • Twilio
    用途:通信API(SMS・音声・チャット)
    ユースケース:
    ・アカウント登録/復帰時のSMS認証を安定運用
    ・カスタマーサポート向けIVR
    ・BAN通知など「重要通知」をSMSで即時送信
    https://classmethod.jp/partner/twilio/

  • SendGrid
    用途:メール配信API
    ユースケース:
    ・メンテ告知やイベント開始メールの大量配信
    ・パスワードリセットの遅延防止
    ・開封・クリックのデータ活用でメール効果最大化
    https://classmethod.jp/partner/sendgrid/

  • Zendesk
    用途:顧客対応プラットフォーム
    ユースケース:
    ・問い合わせ内容で自動振り分け
    ・FAQやチャットボットで一次対応を自動化
    ・問い合わせログから運営改善点を抽出
    https://classmethod.jp/partner/zendesk/

  • DevRev
    用途:顧客の声・不具合・改善要望を、開発タスクやロードマップと一元管理するプラットフォーム
    ユースケース:
    ・ZendeskやSlackなどに来た問合せを集約し、AIが自動で分類・チケット化
    ・問合せ・不具合・要望とタスクや予定をひも付けて一元的に見える化
    ・「今いちばん件数が多い問い合わせは?」といった問いに、AIに聞くだけで回答

【3. 分析・データ活用】

運営判断のスピードと精度を上げる「意思決定基盤」

  • Alteryx
    用途:脱Excel/データ加工
    ユースケース:
    ・エンジニアに依頼せず、アイコンをつなぐだけでデータ加工
    ・複雑な条件の配信リスト作成もマウス操作のみで完結
    ・毎日の集計レポート更新をボタン一つで自動実行
    https://classmethod.jp/partner/alteryx/

  • Tableau
    用途:BI/ダッシュボード可視化
    ユースケース:
    ・集計待ち時間をゼロにし、リアルタイムで状況判断
    ・DAU/継続率/課金などのKPIを即時可視化
    ・複数タイトル横断の事業ダッシュボード
    https://classmethod.jp/partner/tableau/

  • Snowflake
    用途:DWH/データ基盤
    ユースケース:
    ・ログ・課金・行動データの集約
    ・複数タイトルの共通分析基盤に
    ・機械学習基盤としても利用可能
    https://classmethod.jp/partner/snowflake/

  • dbt
    用途:データ変換/データモデリング管理
    ユースケース:
    ・SQLのSELECT文だけでモデル開発が可能
    ・SQLのバージョン管理(Git連携)導入でデータ品質を担保
    ・データリネージ(依存関係)の自動可視化で影響範囲を即特定
    https://classmethod.jp/partner/dbt/

  • Fivetran
    用途:データ連携/パイプライン自動化
    ユースケース:
    ・広告媒体(Google/Meta/X等)のコストデータを自動でDWHへ集約
    ・アプリ・ゲームDBからのデータ同期をスクリプト開発なしで実装
    ・API仕様変更に自動追随するため、パイプライン保守工数がほぼゼロ
    https://classmethod.jp/partner/fivetran/

【4. ゲーム基盤・バックエンド支援】

ゲームのスケーラビリティと安定性を支える「運用基盤」

  • TiDB Cloud
    用途:分散型RDB(MySQL互換)
    ユースケース:
    ・リリース直後やイベント時の大量アクセス処理を安定化
    ・ローリングアップデートによる無停止運用が可能
    ・MySQL互換なので移行が簡単
    https://classmethod.jp/partner/tidb-cloud/

  • GS2(Game Server Services)
    用途:ゲーム向けBaaS(認証、アイテム、ランキング等)
    ユースケース:
    ・ログイン/アイテム/ガチャ/ランキングなどの実装をAPI化
    ・バックエンド開発の内製を大幅削減
    ・Unity/Unreal との相性がよく、スマホ〜PC〜CSまで対応
    https://classmethod.jp/partner/game-server-services/

  • Kong
    用途:APIゲートウェイ/API管理
    ユースケース:
    ・認証・レート制限・ロギングを一元管理
    ・マイクロサービス構成のAPI運用を整理
    https://classmethod.jp/partner/kong/

【5. グローバル開発・通信インフラ】

  • CMI(China Mobile International)
    用途:中国本土との安定したネットワーク接続
    ユースケース:
    ・中国パートナーとのGit / アセット共有の高速化
    ・GFWによる遅延や遮断を回避し、生産性を確保

【6. ビルド高速化】

  • Incredibuild
    用途:分散ビルド/ビルド高速化
    ユースケース:
    ・C++/Unity/Unreal Engineのビルド時間を削減
    ・ネットワーク上の複数マシンやクラウドリソースに分散させてビルドを並列実行することで高速化

【7. アイデア検証・プロトタイピング】

(非エンジニアでも「形にできる」アイデア基盤)

  • v0
    用途:モック作成/UIプロトタイプ/Web画面生成
    ユースケース:
    ・テキストや画像から素早くモックを生成
    ・企画やデザイナー、営業でも直感的に作成・共有が可能
    ・動くモックでイメージを共有し、認識のズレや手戻りを防ぐ
    https://classmethod.jp/partner/vercel-v0/

まとめ

SaaSは、単なる便利な外部サービスではありません。
それは、限られたリソースの中で「どこに責任を持ち、どこを任せるか」を見直す機会であり、開発・運用の進め方そのものを変える選択肢です。

私たちは、SaaSの導入支援を通じて、開発者が本来やるべき「楽しいゲームをつくること」に集中できる環境づくりを支援しています。

このアドベントカレンダーでは、明日以降も、各SaaSの活用方法や導入のコツ、組み合わせの構成の工夫などを実践ベースでお届けしていきます!

25日間の連載を通じて、読者の皆様にとって、何かひとつでもヒントになる情報をお届けできれば幸いです。

それでは、Advent Calendar 2025、スタートです!

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